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説明書を読まない人

私は昔からものを組み立てるにしろ、機械の設定にしろ説明書をちゃんと読まずに始めてしまうことが多い。説明文の途中で読むのが苦痛になって放り投げ、見切り発進でそのままうまく行くときもあれば、余計に時間や手間がかかってしまい、ほら言わんこっちゃないと一人反省会(3 秒ぐらい)をすることもある。

先日グループLINEで、1人が頭の体操にと、あるクイズ動画(←ネタバレになる前に良かったらどうぞ)を送ってくれた。トランプカードを使ったクイズで、最初の場面でK,Q,Jの4スートのうちランダムに選ばれた6枚が並ぶ。私はそのカード達を見た時、これはきっと記憶力の問題だ!と思い込み、その下にある説明文と思われる英語は華麗にスルーしていた。できる限り、頭にそのカードの全体像を頭に叩き込んだところで、次の場面が映る。そこには先程の6枚以外のK,Q,Jの5枚のカードが並んでおり、これは残りの1枚は何のカードでしょう?ということなのかと前の場面を必死で思い出し、多分これじゃないかと答えを用意する。そのまま動画は終了。えっ正解わからんやん。

LINEグループに戻るとその動画リンクの下に日本語で問題文を書いてくれていた。「心の中で1枚のカードを選んで。次の場面でなくなる!なぜでしょう?」。その正解は、「初めの6枚のカードと、次の場面の5枚は完全に違うもので、最初にどの1枚を選ぼうがそこには存在し得ない」。つまり、5枚のカードは初めのままだと錯覚させ、あたかも自分が選んだ1枚のカードがなくなって見えるように仕掛け、さて消えちゃうのはなーんでだ?というのがクイズだったようだ。

どうやら私はそのクイズの醍醐味を初めからぶち壊しにかかったらしい。グループLINEでは、わかった、難しかったと各々真っ当な答えが飛び交っていたが、もはやなんと伝えればいいか、せっかく動画を送ってくれてみんなで楽しもうとしてくれたのに、私は一人記憶クイズをしていました、なんて意味不明なこと言えない。でもこのままスルーするのは如何なものかと、最近ゲットしたOPANTSU君の閃いたっぽいスタンプのみ押す。いや、スタンプだけはあかんやろ、正直に言おう、でもあまり暗くならないように、ちょっと面白く。その一言を考えるのに30分かけ(そんなにかけるもんじゃない)、結局フツーの報告をした。説明読まずに問題勘違いしてました、と。

前情報を頭にちゃんと入れずにアクセルを目一杯踏んでしまい、いつの間にか他の人と違う着地点にたどり着くことが多かれ少なかれある(とんまとも言える)。そして来た道を振り返り、またやってしまった、どうしよう、ごめんなさい、と後悔。学習が足りず、今でも繰り返している。

「説明をよく読んでからご利用ください。」ラジオのCMでよく聞くフレーズ。ものに限らず色んなことをちゃんと楽しみたいのなら、この言葉に倣おう。

そんな当たり前のことを頭の片隅で思いながら、今は神経衰弱をするべく呑気にトランプを探しています。