植物と共生してみる

今年の抱負、と言われると、そんな大層なものを設定するのは気負いしてしまう。

今年の目標は、「◯◯大作戦」という形にしようと絶賛考え中だ。現状は「いのちだいじに大作戦」が濃厚だ。ちょっと弱そうだけど。

今年の「ナイショの」抱負、くらいの温度感であれば、実は抱負っぽいものがある。

我が家に植物を招き入れることだ。

一人暮らしの家は、住み始めて約半年。

壁は白、カーテンは茶色、家具は全体的に黄色っぽく、明るい雰囲気の部屋で、必要最低限のものしかない。

年末年始に実家に帰り、「相変わらずお母さん綺麗にしているなぁ」「無駄なもの一つないなぁ」「ホコリ一つ落ちていないなぁ」とは思いつつ、「だけど私の家よりもなんだかリラックスムードが漂っているのはなぜだろう……」とリビングを見回した。

そして、見つけた。

植物か……。

母はお花や葉っぱが大好きで、実家には観葉植物がいくつか置いてある。母が丁寧に世話をしており、私が子どものころからあるものばかりだ。

「ねぇお母さん、家に植物置いてさ、虫とかわかないの?」
「あぁ、前はちょっと出たけど、最近はハイドロカルチャーで育ててるから」
「は、はいどろ……?」
「うん。100均でも買えるよ。ハイドロカルチャー」
「ええぇ、すごいねぇ、私も探してみる」

母に実家の植物たちをよく見せてもらい、ふむふむと勉強し、インターネットでも検索した。

ハイドロカルチャーは、一般的に土を使わない植物の栽培方法を意味します。特に、ハイドロボールと呼ばれる植え込み材を使った方法を、狭義のハイドロカルチャーとするケースが見られます。

Plantia「ハイドロカルチャーって何?メリットや植えつけ方法、お手入れの注意点

どうやら土自体のことではなく栽培方法を指すらしい。

そして楽しくにぎやかな年末年始を過ごし、自宅に帰ってきて、仕事始め。いつも通りの日々が戻ってきた。

ふと、部屋を見渡す。

好きなものに囲まれているし必要なものはあるけれど、なんか、足りない。

そうだ!!

私はAmazonで観葉植物を検索し、ハイドロカルチャー栽培のものを見つけ、なんと、3個セットを注文してしまった。

植物を育てたことすらないくせにいきなり3つも買ってしまって、枯らしてしまうかもしれない。
でも、植物と共生したいという湧き上がる衝動が抑えられず、私の指はスムーズに「すぐに買う」ボタンをタップしていた。

空気を綺麗にしてくれるというサンスベリアと、花言葉に「幸福」「健康」というとても縁起の良い言葉を持つガジュマル、そして涼しげで青々としたテーブルヤシ。

6,580円。

決して安くはないけれど、私の部屋のテーブルに、フロアに、棚の上に、サンスベリアやガジュマルやテーブルヤシがあったらどれだけ素晴らしいだろう。

抱える孤独を、たしかにいまここで生きている植物たちと分かち合えないだろうか。
いや、きっと分かち合える。

生きてるね、私たち。って、きっとガジュマルたちに私は話しかける。

サンスベリアに泣きついたり、テーブルヤシに愚痴をこぼしたりしながら、この部屋で生きていくんだ。

これが私の、今年のナイショの抱負。

#ナイショの抱負

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?