分析:コロンビア inコパ・アメリカ

コパ・アメリカでのコロンビアの戦い方を分析しました。ベスト8で負けたのは想定外で思ったより内容が薄くなってしまったかもしれませんがせっかくなので投稿します。

対象試合:VSアルゼンチン カタール チリ

・スタメン

GK、DF、MFは不変でした。3トップの組み合わせは試合ごとに変化があったためこのスタメンはチリとの対戦でのものです。

気になるのはクアドラードがCHを務めている事でしょうか。

今回は4局面+セットプレーで分析を行いました。

・ボール保持

【ゾーン1】

ゾーン1では、GK+CB+アンカーで菱形を形成します。基本的にこの4人でボール出しを行います。SBはIHと同じ高さまで上がり、3トップは近い距離をとります。チリ戦ではアンカーを抑えられた状態でプレッシャーを受けるシーンがあり、その際はCBからのロングボールに終始し、またその精度も高くはありませんでした。

【ゾーン2】

ゾーン2に進むとIHの移動が目立ちます。

まず一つ目はIHを落としてSBを押し上げWGが中に絞る形です。これは左右両サイドで行われる非常に再現性の高い形です。この移動で元々サイドプレイヤーであるクアドラードがサイドに、中央でのプレーを好むハメスが中に入ることができます。斜めの移動をすることで相手の守備の基準点をずらす(らいかーるとさん風)とともに、選手が持っている特徴を発揮しやすくなる配置になります。

また足下の技術に優れているわけではない両CBを助けるという意味でも大きな効果があります。クアドラードはボールを引き出し、前にスペースがあると前への推進力を活かした運ぶドリブルでボールを循環させます。

二つ目はIHがサイド高い位置へランニングして空けたスペースにWG、もしくはCFが落ちてくる形です。

主にこの二つがゾーン2での前進の形になります。

【ゾーン3】

ゾーン3でのフィニッシュです。コロンビアのフィニッシュの形はクロス攻撃です。クロスをあげるときにはペナ内に3,4人入ってきます。【ゾーン2】でIHの移動を取り上げましたが、コロンビアがどのようなルートでゴールに迫ろうとしているか逆算すると

ゴール

→サイドの深い位置からのクロス

→相手SBの裏のスペースを攻略する

→SBに二択を迫る

→IH、WGの斜めの移動

このような順序になると思います。

個人的にこの中で重要になっているのが「SBに二択を迫る」だと考えます。

WGが落ちるけどIHがランニングしてくる、どうしようという迷いを与えることで二択を迫ります。SBへの二択の迫り方には他にもチャンネルランやSBのオーバーラップ、CFの内→外のランニングなどもありました。「SBに二択を迫る」という原則の下でプレーしていると考えると辻褄が合うなと思います。

・ネガトラ

ネガトラ時(攻撃→守備)のリスク管理隊はCB+アンカーです。なかでもバリオスのボール回収率は高いです。ボールをロストするとボールに近い選手がプレッシャーをかけ、周辺の選手はパスコースを制圧します。

ただコロンビアのウィークポイントの一つがネガトラの局面にあります。前述したようにクロス攻撃を多用するコロンビアはペナ内に3,4人入り込むのでクリアボールやGKキャッチ後のリスタートで一気に置き去りにされてしまいます。ファルカオ、ハメスといった前線の選手たちはボールをロストしても一瞬気を抜く瞬間があるのでその瞬間を突かれてしまうでピンチを迎えるシーンが多々ありました。

・ボール非保持

【ゾーン3】

ゾーン3では攻撃的プレッシングを行います(時にGKまでかける超攻撃的プレッシングも行う)。4-3-3で横に圧縮し縦パスは通させずサイドに誘導します。CBに対してCFが中を切りながら誘導し、WG→SB、SB→SHが取りどころに設定されています。

【ゾーン2】

ゾーン2ではゾーン3での4-3-3からゾーン1での4-5-1への移行途中みたいな配置になることがあります。

つまりコロンビア二つ目のウィークポイントです。これは特にゾーン2で多発する現象でファルカオの背後に大きなスペースが生まれます。ファルカオは前へプレスに出たそうな振る舞いをしていますが後ろと噛み合っていないようなシーンが何度かありました。またファルカオの背後で前を向くと時間的に余裕を持ってボールを動かせる場面もあります。

さらにもう一つ。両WGがラインを形成するまでの時間でできる段差に斜めのボールを入れられてしまうことです。一気にラインを二つ越えられてしまうのでスピードアップされピンチに陥いってしまいます。

【ゾーン1】

ゾーン1に後退すると4-5-1でブロックを構築します。そしてボールホルダーに対して圧力をかける意識が強いです。

また上図のようにボールホルダーへ出た選手の空けたスペースはチーム全体で埋める意識が浸透しています。ブロックを組んだらまあ崩されないなというくらいの洗練度でした。

・ポジトラ

ポジトラ(守備→攻撃)の特徴はまず第一に素早くスペースを突くことです。自分の前に広がるスペースにボールを運ぶ、背後のスペースにパスを出す、ボールホルダーを追い越すランニング。

相手の枚数が揃っている、またはゲーゲンプレスを食らって失いそうという場合では安全なパスを選択しボール保持に移行します。

・セットプレー

CK、FK(攻撃)のキッカーはハメスとクアドラードでした。二アへの速いボールとファーへの長いボールを蹴り分け、ターゲットはほとんどがジェリーミナです。

守備はゴールエリア角、その背後、ポストに一人ずつゾーンで配置、残りはマンツーマンとこぼれ&カウンター要員となります。

・まとめ

コロンビアの特徴をまとめると

・斜めの移動が多い

・フィニッシュはクロス攻撃

・4-5-1ブロックが強固

ウィークポイント

・ネガトラ時の一瞬の気の緩み

・4-3-3→4-5-1移行で生じるパスコース


・倒すぜコロンビア~もし自分が監督だったら~

もし自分が監督だったらコロンビアを相手するときどのようなゲームプランを立てるか考えました。

まずシステムは4-2-3-1。

ボール保持の狙いは3トップ間にDHを二人配置しビルドアップの安定を目指します。コロンビアは人への意識が強いため低い位置をとっているDHに対して高い位置まで追ってきてくれることも予測できるので狙いはその背後。このスペースに入ってくるのはSHが最適だと考えます。

なぜならハメスには守備のタスクがあまり与えられていないように分析した結果思えたからです。つまりSHが中に絞りSBを押し上げるとコロンビアのSBに対して2対1を作れるのではないかと考えます。

ネガトラでは、コロンビアの縦への早さが怖いのでリトリートしてスペースを埋めることをチームの原則とします。ただ安易にボールを運ばれるのも好ましくないのでボールホルダーの近くの一人のみアタックしてカウンターを遅らせます。

ボール非保持ではまずアンカーをFW+トップ下でマークしCBにボールを持たせます。CBの足下がうまくないので中を切りながらサイドに誘導しサイドで奪いきる、もしくはロングボールを蹴らせることが理想です。

そしてコロンビアの斜めの移動への対策。まずSBを相手WGの移動について行かせることを許容します。SB裏のカバーはCB、CBのカバーはDHの一角が担当します。コロンビアの第一の狙いは中へのクロスであり、バイタルへのマイナスのパスはあまり見られませんでした。したがってバイタルを空けてしまうのは許容してSB裏、中のスペースを埋めることを最優先します。さらに2DHを配置しているので1アンカーで行うときよりも安定性を確保できます。

最後にポジトラです。中央からのカウンターは相手のリスク管理隊に防がれてしまうので主にサイド攻撃を狙います。

まず一つ目の策はGKがキャッチした際のリスタートです。GK→DHと経由してSH、トップ下がサイドの大きなスペースへランニングして攻略を目指します。

もう一つは普通にボール奪取した場合です。ここでも先ほどと同じルートでもよいのですがもう一つルートを用意します。一度CFにボールを当てるルートです。しかし相手のリスク管理隊の能力も高いのでトップ下もしくはDHがサポートを怠らず、落としからのSHのサイドへのランニングへパス。といった流れです。まあ結局は高い位置をとったSBのスペースを攻略したいことが狙いです。

・感想

分析後、自分が監督だったらどんなプランを立てるかという初めての試みを行いました。たのしかったです。

ちなみに4-3-3システムを採用していて戦術的に参考になるチームを探しているので面白いチームがありましたら教えていただきたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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さく

サッカー大好き大学生です。おもにマンC,ブラウブリッツ秋田を中心にマッチレポをあげていきたいと思います。
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