リモートワーカー夫婦の課題について。

主人はリモートワーカー。

私もリモートワーカー。

夫婦でリモートワーカーとして働いているわけだが、リモートワーカー夫婦だとお互いずっと家にいて息が詰まらないの?とよく質問されるので、その疑問について答えるつもりでこのエントリーを書いておきたいと思う。

ぶっちゃけ、息が詰まるような思いはない

というのが回答になってしまうのだが、実は夫婦ともにリモートワーカーになったことを期に、3LDK(加えてパントリー・小さめの書斎付きの疑似5LDK)の広めのマンションに引っ越した。狭い部屋では喧嘩になるだろうことは目に見えていたからだ。

主人も私も各自一部屋(私は2.1畳スペースの書斎を仕事部屋とした)占領して仕事部屋として環境整備を行ったので、いざ仕事してみると快適そのもの。休憩時間以外はそれぞれ自室に籠もっているので、特に会話することもないし会うこともない。よってヤマアラシのジレンマのような、互いの距離が近すぎるがゆえの喧嘩などが起こることはない。

が、最初からそうだったのかといえば実はそうでもない。わりと「創意工夫」を要したところではあるし、最初の頃はやはりというべきか喧嘩の連続ではあったので、以下ではそのことについても書き加えていきたい。

引越し後1年がかりで「職場環境改善」を行なった

引っ越した直後は、実は私はパントリーを仕事部屋として利用していた。が、もともとパントリーというのは洗濯物を干したり荷物を仮置きしたり、アイロンをかけたり裁縫したりという「作業場」を想定して作られている。

また、そういった作業の観点から、キッチンや脱衣所、ベランダへのアクセスがとても良く作られていた。そのため、仕事部屋として占領してしまうとせっかくの生活動線が遮断されてしまうという不便さがあった。

主人は主人で、引っ越した当初はそれこそ2.1畳の書斎を活用する目的で、書斎に面する角部屋を仕事部屋兼自室(寝室)としていたのだが、道路に面していたため環境音が入ってきやすく、そのことで集中力が阻害されてしまうというトラブルに見舞われてしまっていた。

少し脱線はするが、ここには男女差もあったと思われる。

音の「聞こえ方」の問題

男性は基本的に家の外の音、たとえば車やトラックの走行音・犬猫鳥類の鳴き声・緊急車両のサイレンなどに反応しやすいといわれている。逆に女性は家の中の音、たとえば水道の蛇口から滴る水の音やトイレを流す音、子どもがオモチャで遊ぶ音、ベッドのきしみや寝息、寝言などに反応しやすいといわれている。

これはかつて人類が狩猟生活を行っていた頃の名残だとか、男性が外敵に即座に反応できるためのワザだとか、女性が己の子を守るための術だとか言われるし、実際、産後の女性はその能力を最大限に発揮するので、赤子が夜中にちょっとでも動いたり泣きそうになったりするだけで即座に対応できるのである。

「それなのに旦那は全然起きないんだよ!?ありえなくない!?」

という文句は誰しも聞いたことがあるかもしれないが、このように、脳みその作りがまるで違うし、音の聞こえ方・感じ方が全く違うので仕方がないのである。

話を戻すと、私と主人にも同じことが当てはまっていた。

主人が、通りに面していた角部屋の書斎で、緊急車両のサイレンや車・トラックの走行音を常に耳に入れながら仕事をするのは、精神衛生上とても良くなかったのだ。

私は私で、パントリーで集中して作業をしている最中に、主人が休憩がてらキッチンに足を踏み入れるのがストレスで仕方なかった。ドアの開閉音や水道の蛇口をひねる音、また冷蔵庫の開閉音など、ひとつひとつの「生活音」が気になって気になって仕方がなく、イライラしてしまうのだった。

よって、このままではお互いに良くないということで「職場環境」を見直し、主人は角部屋の寝室からそのすぐ隣の部屋に移動し、環境音を遮断することにした。

私はパントリーからリビングへ、リビングから寝室へ、寝室から書斎へと点々としながら現在のような形に落ち着いている。キッチンやリビングから離れたことで「生活音」が遮断され、集中できるようになった。

女性である私にとっては、車の走行音などの「環境音」は全く気にならないどころか心地よさすら感じるレベルだ。一種のASMR的な要素もあるかもしれない。

こうした移動も、言わばパソコンとネット環境さえあれば仕事ができるリモートワーカーならではなのかもしれない。

お互いに干渉しないのもコツ

また、私も主人も過度な干渉や束縛、コントロールされることを嫌う性格だったことも幸いしている。基本的にお互いのことはほっといているのだ。

シフトのスケジュールやお互いの予定はグーグルカレンダーで共有し、抜け漏れがないようにLINEなどでアラートを立てるようにしている。そういった家族としての「最低限の共有」は行うものの、あとはほったらかし、という感じ。

お互いの休みも合わないし、週末一緒になることもないので、週末の子どもたちの相手はもっぱら私の役目になるわけだが、私の実妹を頼って子守を加勢してもらったり、雨で外に出られないときには一緒にディズニーの映画を鑑賞したりしてやり過ごしている。

そのぶん主人は仕事終わりに自室から出てきて子どもたちとたくさん遊んだりするし、休みの日(ほぼ平日)には私の代わりに夕飯を作ったりするので特にわだかまりも発生しない。

適材適所、それぞれがそれぞれ可能な範囲で家事と育児を行っているというような感覚だ。

このような生活に慣れたのもごく最近ではあるし、それまでお互いにたくさんイライラしたり意見をぶつけ合ったりもしたのだが、その中で気付いたのは「お互い干渉しすぎず相手を信頼すること」だなということだった。

月イチペースで「経営会議」

「お互い干渉しすぎず相手を信頼すること」を大事にするためにも、意見交換は欠かせない。が、平日だと私が夜9時の子どもたちの寝かしつけで一緒に寝落ちしてしまうことがほとんどで、主人と夜な夜な晩酌しながら会話する、といったことができない。

かといって週末は主人も仕事だし、私は私でやはり子どもたちの相手でヘトヘトになっていてどうしても寝落ちしてしまう。そのままにしておくと夫婦のコミュニケーションがとれない。

そこで発案したのが「経営会議」という名のランチタイムだ。主人が休みの平日、一緒にカフェに足を運び夫婦でランチミーティングをするのだ。頻度としては月に1回とか隔週に1回程度。私の仕事の都合にもよるが、週1ペースの月もある。

話題は他愛もないことが多いが、子どもたちの成長についてや、普段思っていること、気付きなどの共有を通して、お互いの労をねぎらい、リスペクトしあい、これからも気張っていこうぜと決意を新たにするのである。

まとめ

書いてみると意外と(解決はしているものの)課題があったんだということ、また普段心がけていることがあるのだなという気付きになった気がする。

しかし、子育て中の身となると、指定されたオフィスへの出勤・拘束時間というものがとてもハードルが高い。それを思うと、リモートワーカーになる上での課題というのはミジンコほどにもならない。それくらいに魅力的だし気持ちが楽になれるのである。

願わくばこのエントリーを読んでリモートワークもいいかも、と思っていただければ幸いである。

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