見出し画像

中の人なんていません⑥

メンバー紹介とセットで中の人の話をしてきたのはなぜかっていうと、アルスマグナの楽しさは2.5次元性とダンスと顔とライブと……だけでなく、結構「中の人」萌えにもあるんじゃないかなあと思ったから。私ももちろんそれを楽しんでいるひとりだし、表向きには言えないけどアルスマグナを語る上で切り離せない要素ではあるはずです。

個人的な「中の人」萌えについて話すと、ヘタ●アで声優さんというお仕事にハマったのがはじまりですね。アニメとか全然見ないんだけどヘ●リアはコミックからキャラソンにハマっていたので声優さんも覚えた。そして普通に大人でおじさんとかなのにこんなキャラクターの台詞言ってるんだ!すごい!ってなった。その後嵐にハマったのも、ジャニーズとかに詳しくなかった私が普通に面白い番組として見ていたバラエティーに出てくる人、が国民的アイドルとしてコンサートで歌ったり踊ったりファンサしていることに衝撃を受けたところから。そういうことをやってお金を稼いでいる人がいるんだっていうのがなんというかすごく萌えだった。同じ年齢の普通の人たちは会社に行っているのに。これはジェンダー的な考え方でよくないかもしれないけど、女の子だったらモデルになってちやほやされたいとかアイドルになって可愛いと言われたいとなんとなく自然に思うかもしれないけど、成人男性がそういう職業をしているときどんなことを考えているのだろうと考えを巡らしてしまう。あらゆるコンテンツ、楽しみかたは人それぞれだろうけど私のオタク心の根幹には「中の人」への萌えがあるなあと思っている。そしてアルスマグナだ。

まずストーリー厨も兼任している私が、そもそもなんでアルスマグナってグループができたんだろうって妄想をしたので書きますね。プランチャイムというダンサー事務所がなんで急にそんなこと始めたのか。そしてあの5人がなんでアルスマグナになったのか。
もともとダンスっていうのはストリートカルチャーで、あくまで一部の人が楽しむものだという意識が強かったと思う。私が中学生のとき、クラスでダンスを習っている子たちはいわゆる不良グループに属していた。ショーケースやダンスバトル、コンテストなどが開かれつつも外に見せるというよりは内輪で楽しむもの、いわゆる素人さんお断り、の雰囲気があった。つまりメジャーなカルチャーではなかった。
でも今は違うよね。ダンスは流行し、普及し、市民権を得た。しかしメジャーシーンにおけるダンスの扱いは、それがマイナーであった時代と変わっていないという現状がある。その理由としては、ダンサーはあくまで『バック』ダンサーであり、ダンススクールの先生であり、振付師という裏方であるという認識の問題がひとつ。ダンスが音楽と切り離せない以上、著作権の厳しい日本ではオリジナル曲を出さない限りお金を稼ぐことはとても難しいというハード面の大きな問題もひとつある。(だからEXILEは成功例とも言えるし、ネットに音源があるボーカロイド曲を【踊ってみた】するのである。)
先ほど述べたアルスマグナの所属するプランチャイムは、有名振付師のパパイヤ鈴木も所属する「ダンス」の事務所である。有名アーティストの振付やバックダンサーをする人材を所属させつつ、ダンスをメジャーシーンで盛り上げようというイベントや活動なども行っていた。けれどやっぱり、なかなかメジャーにはなれなかったのだ。電撃チョモランマ隊はメジャーデビューできなかった。
私は、だからアルスマグナができたのかななんて思ってしまう。最初に言った通りこれは全部妄想だけど。ダンスグループがメジャーになるための回りくどい方法が、アルスマグナだったんじゃないかなあ。
2.5次元とコスプレで、日本のカルチャーを推し出しつつヒップホップとかそういうダンスカルチャーには全然興味のない層を取り込んで、一見マイナーっぽいけどアルスマグナはメジャーを目指しているはずだ。著作権問題で下げたけど当初はアニソンを踊ってたし池袋乙女ロードにいたしオリジナルのキャラソンを作ってインディーズのCDにしていた。それで何をしたかったかって、ダンスを見てほしかったのだ。そうじゃないと誰にもダンスを見てもらえなかったから。ストリートダンスで育ってきて、ずっとダンス業界にいて、全然オタクじゃない人たちがこんなことをやっているのはそういうわけなのだ……という妄想。

元ネタはチョモがライブでおふざけでやってたキラキラアイドルネタだとか聞いたけど、確かにプロのダンサーである彼らはなんでも踊れるのが強みで、踊りというアウトプットであればあらゆるパフォーマンスができる。アイドルじゃなくても、アイドルのダンスができる。ジャニーズっぽいのもK-POPも。踊るだけで世界観が作り出せて、和もゴシックも中華も表現できる。それってすごいことだ。見てもらえなきゃ、やっぱりもったいない。だから顔とスタイルがどちらかというと2次元っぽい5人がピックアップされて、アルスマグナになってくれたのは本当に良かったなと思う。チョモからふたり、後輩のKorockからふたり、そして新人をひとり。そして各人によく似た、だけど別人であるキャラクターを作り上げ、毎日ブログを書きはじめた。自分がそういう趣味ってわけじゃないのに、偏見も強いそのジャンルでやっていくことになったのだ。目立つグループであることは武器だけど、いつだってアルスマグナは誹謗中傷を受けやすい、心ない言葉で傷付けられやすいグループだ。でもアルスマグナはメジャーデビューをして武道館公演をし冠バラエティーをゴールデンタイムで放送し、そして更にメジャーを目指している。もちろん、力をあわせて。出所はバラバラで実際の上下関係と逆転しながら活動する歪な5人が、何年もかけて今の関係性を築いていることはなんだか奇跡的だ。

とまあそういう感じで、私は2.5次元性を純粋に楽しみながらも、アルスマグナにおける「中の人」っていう概念も存分に楽しんでいる。そもそもプランチャイム所属の芸能人とはいえ有名人ではない彼ら自身について知ることができる範囲は限られている。設定資料集まで発売されたアルスマグナのキャラクターは、どこまでがフィクションでどこまでが彼ら自身なのかすらも私たちは実ははっきり分かっていない。はっきり言ってしまえば、タツキくんがしゃべっている動画は探せばいっぱいあるけれど、大輔くんがしゃべっているところを見るチャンスなんてそんなにないから、どこまでが素でどこまでが作られているのか、全然分からないということ。そんな疑問符が渦巻くなかで私たちはよく知らないはずの「中の人」をも応援している。不思議だな。はざまが感じられる瞬間もあれば、全く別人だなあと思う瞬間もあって、追いかけはじめて2年だけどまだまだ不思議。

そろそろまとめますが、タツキくんがアキラくんに対して敬語出ちゃったり、泉奏から名古屋訛りが飛び出したり、そういうのを次元の歪みだ~、とか言ってキャッキャするのは本当に楽しいです。表だって言えない(言ってるけど)からこそ、こっそりウフフとなる。レコーディングしてきたよ!とブログに書いてくれるけどレコーディングブースにあの鮮やかな髪色たちは見当たらないだろうし、ラジオ収録だとどっちかな被ってないのかなとか想像するのは最高だ。ウワー次元警察に捕まるぞ!!ていうかこの記事コンプラやばい!!謝罪!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?