父の日に考える、生きてるか死んでるかもわからない父のこと
「そして父になる」という映画がある。同じ日に生まれたある2組の夫婦の子どもの「取り違え」が、6年もあとになって発覚することから始まる物語。
福山雅治演じるエリートサラリーマン野々宮良太は、息子の慶太もエリートに育てるべくピアノを習わせたり、私立の小学校へ「お受験」させたりと、英才教育を施している。ただ、自信家である良太に比べ、慶太はやや内向的でおとなしく、そのあたりが良太としては物足りなく感じていたところで「取り違え」が発覚する。
やがて2組の夫婦は出会い、ときに衝突し、悩みながらも、取り違えられた息子を交換し、新たに家族をやり直すことに。
家族とは「血」か「時間」か。古くからあるこのテーマを、是枝監督らしい、生々しい空気感のある演出で描いていて、印象に残る作品のひとつだ。
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父とはもう30年会っていない。
この話を人にすると、「会いに行かないのか」「会いに行ったほうがいい」とよく言われる。
でも、僕からは会いに行くつもりがない。実の息子なので探ろうと思えば探れるが、連絡も取らないと決めている。
(ここからはパーソナルな話題を多分に含むので、興味がある方だけ読んでください)
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