編集歴15年の僕が考える「うまい文章」とは

Twitterでほそぼそとやってる質問箱に「どんな文章がうまいと思うか」という質問が来ました。

このことについて広げてみます。

アカデミー受賞した、とある映画の話

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」という映画があります。「バベル」「レヴェナント」など、映画賞で常連のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督による作品で、こちらもアカデミー作品賞を受賞しています。

一時はスターの座まで上り詰めたものの、すっかり落ちぶれた俳優が再起をかけてブロードウェイに進出するところから始まる物語。

特徴的なのがその映像で、終始カットが切り替わることなく、1回の長回しで撮影されたように(実際は編集でうまくつないでいる)展開していきます。

僕は、これが、苦手でした。

どうしても意識が「編集の妙」に向いてしまい、純粋に映画に向き合うことができなかった。観客として物語を楽しむことができなかった。

もちろん、物語が映画のすべてではないと思いつつ。

よいイスとは何か

僕が目指したい編集は「どこがいいかわからないけどいい」という領域です。

座りご心地の悪いイスに対して、立て付けが悪いとか座面が硬いとか言えるのと同様に、体にフィットするとかクッションが柔らかいとか簡単に言われてしまうイスを作ってるようでは、まだまだだと感じます。

イスの目的は「座ることそのもの」にはないと考えるからです。

作業したり、コーヒーを楽しんだり、ゆっくり休憩したり。「座ったその先にあるもの」のためにイスはある。

フレーズがいいとか、テンポがいいとか、そういうのはできて当たり前で、本当にうまいと思う文章は、「なんかわからないけど読んじゃった」ものだと思うのです。



ぜんぜん遠いけどな。

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