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【春の道水路普請】

去年の8月に移住してきて、9月の区臨時総会で準区民として承認され、
昨日やっとおてんまデビューを果たしました。

「おてんま」はみんなのためになることを、みんなでする、つまり道を直したり、水路管理をしたり、共有林の整備をしたり、……を指す言葉

佐久穂町では「道水路普請(どうすいろぶしん)」と言って、春4月と秋9月の年2回、地区ごとに道路や側溝の清掃作業を区民の手で行います。

それを「おてんま」と集落の中では今もそう呼ぶ人もいます。

以前住んでいた横浜でも、町内会で道路清掃を月に1回行っていました。
交通量の多い県道端に落ちている車から捨てられた吸い殻やゴミを拾い、
コンクリートの間からちょろっと生えた草をむしる。1時間で終わる作業。
それを輪番で回ってくる班長に自分がなった年だけやっていました。
私が住んでいた家では12軒で班長を回していたので、12年に一度。
それ以外の11年は自分一人くらい別にそんな頑張らずとも、町の美化は保たれ、
町会運営もどこか人任せなままでも生きていけていました。

朝8時、公民館集合。
一世帯最低一人は参加。欠席すると出不足金を支払う必要もあるとのこと。

長時間の労働作業になるので、子連れで参加するような家は我が区ではいません。
でもまだ一人で留守番させるわけにもいかないので、
「手伝えなくてもいいから邪魔はするな」という約束をして同行させました。
すると、朝の集まりで土木委員長より
「お子さんがいるので危なくないように配慮してあげて」
と喚起をしていただきました。
同じ班になった方々はじめ区の皆さんには、慣例にない子連れ参加を認知していただき、ご配慮もいただけて有り難かったです。


春の道普請は主に側溝に溜まったゴミや落ち葉をさらって畑作業に向けて水路を流す目的だそうで。

この道普請、佐久穂町の中でも区によって労働量に差はあるようなのですが、
山を有する大日向四区・・・


山がある=木がいっぱい生えてる=

落ち葉の量がハンパねー!



最初のうちちょろっと手伝った人。子ども用スコップじゃ無理!

行くてを阻む笹を押さえる係の人。

スコップや鍬でせっせと掻き出していきます。

こんなとこにも側溝あったのか…というもはや道から外れた急斜面を進む。

終わったー!ここまででももうかなりの達成感。

みんなで休憩〜。てか休みながらでないと無理ズラ!

なぜならここまでで充てがわれたエリアのうちまだまだ5分の1くらい…
まだまだ続くよ…

今回、私正直道普請ナメてました。

落ち葉だけならまだいいけど、落ち葉の下には湿った土砂…
重いし、延々ひたすら腰を曲げ掻き出し続ける…早々に腰は悲鳴を上げました。

「あとどれくらいですか?」「まだ2時間しか経ってないの?」
「まだかー?」「どこまで行ったらゴール?」「疲れたー!」
そんなヘタレ発言ばかりを繰り返すポンコツぶりw

場所によって葉っぱの種類が違う。ここは針葉樹エリア。

みんなでみんなのためにやる作業ー
と言っても、参加している主戦力は主に60代、70代。

40代は全然若手のうちなんだけど、まじきつかったっす。
そんな中眩しかったのは20代の体力!
3人馬力くらいでぐんぐん進む作業スピードに、これは若者がやるべき作業なのでは…と思えてならなかった。

なので、佐久穂町の道水路普請に一言物申ーす!!

家長任せ(爺ちゃん・婆ちゃん・父ちゃん・母ちゃん任せ)にしないで、

一緒に住んでいるなら尚更だし、
住んでいなくても年にたったの2日故郷に帰ってきて、
家族総出で手伝ってみるってのはいかがでしょうか?
(普段は離れたところに暮らしているけれどわざわざこのためにいらしている方も実際にいらっしゃいました。)


10代・20代・30代・40代の人手がまじ欲しい!!

中学生以上ならお孫さんでも手伝えるはず。
手伝ったらきっと爺ちゃん・婆ちゃんからお小遣いももらえるはず!

はっきり言って腰痛持ちのご老体ばかりでやる作業じゃない。

それにこの道普請を手伝うことは、別に親孝行でも爺婆孝行でもないと思うのです。
それは自分孝行あるいは自分の子孫孝行になり得ると思うのです。
たとえ故郷を離れていたとしても。

人口の少ない集落において、自分たちのことは自分たちで、
みんなのためになることをみんなで、
そうやって守ってきたというおてんま。

今後さらに人口が減少したら、一人当たりの負担は増えるのでしょうね。
それでいて高齢化もさらに進んだらどうなるのでしょう…

道普請は誰かがやらねばならない続けていくべき作業とは思いますが、
誰もやれなくなったらどうするのだろう…

戦力の確保は身近なところから。
一世帯一人ルールではなく、全員参加でもいいんでないかな?
てかそのうちそうする必要が出てくることも全然あり得るだろうなと思いました。

今回我が家の5歳はまだまだ戦力にはなり得ませんでしたが、
一応邪魔はせず、迷惑はかけず、気が向いたら時々手伝いつつ、
朝8時〜12時までの4時間、途中で飽きてはいたけど、
皆さんのおかげもあって愚図らずその場に居るということはできました。

自分たちの地域を自分たちで守るべく働く大人たちの姿をしっかり覚えておいておくれ。

人口の多い都会とは違って、人任せにはできないことが多い田舎暮らし。
一人一人が担い手意識を持って住むということが、集落に住むということなんですね。

重い?

でも都会でもその意識は必要だったのかもしれない。
人の多さに埋もれて甘えていただけかもしれない。
地方に移住したことで、今までは見えなかったことが浮き彫りになって分かって面白い。

道普請も身体的にはめっちゃきつかったけど、
でも自然の中で集落の人たちと和気藹々と時間を過ごせてとても楽しかった。

帰りに道普請中に見つけたフキント畑に寄り道。

ゴロンと横になったら気持ちよくてそのまま寝てしまいそうでしたw

フキントのブーケ。

秋は草刈りがメインの作業になるとのこと。
「それまでにビーバーの扱いを特訓しよう」と同居人の20代。
アラフォーの腰よ、どうかまだまだ持ち堪えておくれー!

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