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【ズクある女】

茜さんが今宵も何かやっている・・・


ある夏の夜は、

大量のプルーンの皮を高速で剥き始め、砂糖の分量をパーセンテージ割り出しきっちりと計り、

鍋でグツグツ・・・何やらブツブツ言いながらジャムを作っていた。


そして今度は、

嘘でしょ?!っていう量のバスケットいっぱいのてんこ盛りの柿を「こういう黙々系作業好きなんで」とクールに微笑み、また高速で剥き始めた。

この皮が必要だとのこと。何に必要なのかはお楽しみに。

剥いた柿の実は干し柿にするってことで、近所のじいじがやって来て私たちのシェアハウスのベランダに竿をセッティングしてくれた。

yamaniがお洒落なことになりました。後ろのお山の紅葉も綺麗。

ハロウィンの盛り上がりはどこか遠い国のお話のようなこの集落では、この時期ジャックオランタンではなく柿のオレンジ化粧が家々を彩ります。


「この辺のおうちはだいたいみんな干し柿干すんですか?」と聞いたら、

「いや〜、ズクある家だけだ!」とじいじ。

「ズク・・・?」

「ズクって知らねぇかぁ!この言葉は覚えといて!マメな労力があるって意味よ!」


都会にもズクな人はいます。

でも田舎のズクは、ほんとにやること多い。


ズクある女はいい女だなと思う。

そういう女に私もなりたひ・・・


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