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『ビバラ!オンライン2021 で印象に残ったアーティスト総集編』(後編:5月4日〜5日)

前回の記事の続き、後編です。

『ビバラ!オンライン2021』を観て強く印象に残ったアーティストを紹介していきたいと思います。(後編は5月4日〜5月5日の2日間です)


5月4日(4日目)

✨✨ ROTTENGRAFFTY✨✨

鹿野さんから「最高のバンド」という紹介を受けて登場したロットンだが、まさにその表現が相応しいパフォーマンスだった。
”激しいライブパフォーマンスと、モッシュとダイブでフロアがグチャグチャになるライブバンド”というイメージだけに、この制約の多い状況でどうなのかと思ってたけど、観客にルールをしっかり守らせた上で、見事にロットンらしいライブをやり切ったのに感動。

代表曲『金色グラフティー』の時の一体感は、声が出せないはずの会場のボルテージをいきなりMAXまで引き上げてみせた。

観客も、首が取れるぐらいヘドバンし、思いっきり飛び跳ねてるのに、しっかりディスタンスは守られてるという不思議な世界線の、素敵な素敵な時間帯だった。



✨✨ Dragon Ash✨✨

ロックフェスには欠かせない存在と言っていいDragon Ash。
日本を代表するミクスチャーロックバンドだとは思うが、もはやミクスチャーロックという枠すら飛び越えて、様々な音楽を食べて巨大化していく龍のようだと俺は感じてる。
メンバー脱退が有ったりいろんな事が有っただけに心配してた部分も有ったのだけれど、Dragon AshはやっぱりDragon Ashだった。

冒頭のMCで「今はこんな(制約の多い)感じでしかライブができないけど。。」と語ったKjが、次のMCで「ごめん。さっき”こんな感じでしか“とか言ったけどさ。やっぱりライブ、めちゃめちゃ楽しいわ!」って語ったように、35分間のドキュメンタリー映画を観てるかのような、感動的なライブだった。

名曲『百合の咲く場所で』終わりで多幸感に包まれる場内を見渡したKjが「音楽を求めてくれて、音楽を好きでいてくれて、ありがとう。それだけで嬉しいです。」と優しい笑顔で語りかけ、最後に演奏した『運命共同体』は、彼らと共に歩んできたファン一人一人に歌われてるようで、画面越しでも胸がいっぱいになった😭



✨✨ VIVA LA J-ROCK ANTHEMS✨✨

やはり今年のビバラはこの人たちの、この時間帯がハイライトだったのでは無いだろうか。

メンバーの1人である津野米咲(赤い公園)さんがこの世から居なくなってしまってからの最初のビバラ。
”令和の天才”藤井風くんをゲストボーカルに据えた『LA・LA・LA LOVE SONG』は、オンラインMCのダイノジ大谷氏が「グラミー賞(のパフォーマンス)みたいだった!」と絶賛していたが、まさに。

ピンスポに照らされながらのピアノ独演からの、、
風くん「♪まわれま〜われメリーゴーランド もう けして止まらないように♪」
その瞬間から、もう完全にFujii Kaze World。

途中ハンドマイクになった時のただただ聴き惚れるしかない歌声も、「どこまで行くんだ!」と思わせられたフェイクも、ホント素晴らしい✨

Original Loveのサポートで参加していた真城めぐみさんがナオミ・キャンベル役をやっていたが、合わせる時間が無かったため、ぶっつけ本番だったらしい。
それであのクオリティー?風くんも真城さんも天才過ぎて、我々凡人にはちょっと理解できないレベル笑

パフォーマンス後のトークコーナーで伊澤一葉さんが「(風くんが歌い始めると)照明が少し明るくなったような気になるんだよね。」と言っていたが、ANTHEMSのメンバー全員が風くんを見つめながら演奏する表情がとても嬉しそうで、藤井風という存在はもはや音楽界の宝物の1つなんだなぁと、強く感じた。

世代もジャンルも飛び越えた豪華メンバーが集った今年のVIVA LA ROCKの中でも、”今最も旬なアーティストは誰か”を見せつけるようなパフォーマンスだった。

”藤井風の曲=アンセム”になる日も遠い未来じゃ無いだろうなぁ。圧倒的とは、こういう時に使うんだと思った。

Saucy Dogの石原くんが歌った『サヨナラCOLOR』(ハナレグミ)も、SiMのMAHが歌った『丸ノ内サディスティック』(椎名林檎)も、原曲をしっかりリスペクトしながら、ちゃんとボーカリストの個性が発揮されていて、これこそがJ-ROCK ANTHEMSの有るべき姿だなぁと感嘆。
大人の事情wで映らなかったナヲ(マキシマム ザ ホルモン)の『紅蓮花』も聴いてみたかった。

そして、最後にアイナ・ジ・エンドをゲストボーカルで演った曲は・・・赤い公園の名曲『Canvas』だった。

赤い公園の曲を今年のビバラで演奏しようと決めた時、満場一致で“歌うのはアイナしか居ない”ってなったらしい。
そして、『Canvas』は元々赤い公園のプロデューサーである亀田誠治さんの誕生日に津野米咲さんが贈った曲。

実は最初は亀田さんは、赤い公園の別の曲をアイナに提案したらしい。
でも、アイナが「Canvasを歌いたいです」と言ったらしい。
それは、まるでアイナが米咲さんに導かれたかのように。

そして本番では、BiSHの時やアイナのソロのときともまた違う、一音一音コトバを、音を切なる思いで届けようとするアイナがそこには居て、それに応えるように演奏する亀田誠治さん、加藤隆志さん、ピエール中野さん、伊澤一葉さんが、音で会話してるかのようだった。。
素晴らしかった。
そこには、アイナの隣で亀田さんに目配せしながら楽しそうにギターを弾く津野米咲さんが、間違いなく居た。

ゲストボーカルがアイナで良かった。たぶん米咲さんも、そう思ってるはず。



5月5日(最終日)


✨✨ Dizzy Sunfist✨✨

以前から名前は知っていたけれど、実はまともに音源を聴いたのは昨年のビバラ!オンライン2020が最初だったりするのですが、その時とにかく度肝を抜かれたのです。
女子2人男子1人の構成なのに、本当にスリーピース?と疑いたくなるくらいパワフルで。
なのに勢いだけではない確かな演奏力。
ドラムのmoAiのテクがヤバすぎる。
そしてあやぺた(ギター&ボーカル)のクソ熱い絶叫MC。

この日も、「ライブ楽しいなぁーー‼︎」って絶叫しながらギターをかき鳴らすあやぺたと、それに呼応する2人のど迫力の演奏に、画面越しでも魅せられてしまった。

「夢は死なへん!」のいつもの決め台詞が、音楽が苦境に立たされてるこんな時代だからこそ、より強く響いた。

「ウチらにとって大切なモノは!誰かにとってはどうでもいい事なのかもしれへん!せやけど!どうでもいい事だからこそ大切にしていこう‼︎ありがとう!ありがとう!みんな大好きやで!」

ファンに向けた熱い熱い叫びの後に演奏された『SHOOTING STAR』のエモーショナルな響きは、間違いなく現地&配信で観ていた全ての人のハートに届いたはずだ。

最後の最後にあやぺたが叫んだ「鹿野さん!VIVA LA ROCKを守ってくれて!音楽の未来を守ってくれてありがとう!今日、鹿野さんがゆっくり眠れますようにーーー‼︎」って言葉には、もう涙出てきそうだった。
鹿野さん現場で聞いてたかな?聞いてたら泣いただろうなぁ😂



✨✨キュウソネコカミ✨✨

モッシュもない、客席にダイブもできない。
観客は拍手するのみで声援やシンガロングもない。
もちろん筋斗雲も使えないw

そんな状況下でキュウソネコカミは大丈夫なのか?
どんなライブを演るというのか?
結構ハラハラしながら観たのだが、そこに居たのは真っ直ぐに音楽と向き合い、音楽と情熱を真正面から伝えようとする“ロックバンド”キュウソネコカミの姿だった。

冒頭から『Welcome to 西宮』『推しのいる生活』とキュウソらしさ全開の曲を連発。
MCでも「ビバラは、いつも楽屋に鹿野さんが直筆で全アーティストに1組1組汚ったない字で(笑)書いてくれた手紙が置いてあるんですよ。その手紙に”ステージから絶対に降りちゃダメだよ“って書いてあって。・・・関西人にその振りはアカンて‼︎でも、そういう時に降りないからこそ俺らは今ここに居るんで。・・・降りませんよ!w」と、しっかり笑いを取るヤマサキセイヤ(ギター&ボーカル)。

それでいて最後に『The band』、そして「最後に、3分で終わる曲演ります!」からの『3minutes』の流れは、ルールをしっかり守って聴いてくれた大切なファンたちへの、清々しいくらいに熱いメッセージのように感じた。



✨✨マカロニえんぴつ✨✨

バンド名がバンド名だけによく名前を間違えられると以前からネタにしているけど、今回も自ら『パスタペンシル』とボケるはっとりくん(ギター&ボーカル)笑
声を出せない観客がジッと聴き入ってるのと、この日THE ROCK BANDなアーティストがほとんどだった事もあり、「俺たち来る日間違えてないよね?今日でいいんだよね?w」と一応確認するの面白い🤣

それでも演奏が始まると、もはやJ-POPの看板の1つと言っても過言じゃない良曲を立て続けに響かせ、グイグイと観客と視聴者を引き込んでいくのが流石。
特に『ボーイズ・ミーツ・ワールド』の♪ごめんな、まだ夢があんだ ギリギリまだ信じていたいんだ 死ぬ前に僕をちゃんと生きたいんだ 夢の続きをあと少し見届けたいんだ♪のフレーズは、この時代だからこそ、より胸を熱くさせてくれた。


最後にはっとりくんが、しっかりと観客一人一人を見つめながら「音楽は不要不急なんかじゃない。至急必要だから、みんな今日会いに来たんだろ⁉︎」という熱いメッセージを届け、直後に『ヤングアダルト』のイントロが始まった時には鳥肌が立つぐらいの感動を覚えた。
ゴリゴリのロックバンドが揃った最終日の終盤にポツンとマカロニえんぴつという存在を投げ込んだ、鹿野さんや有泉さんの意図が解ったような気がした瞬間だった。
これは、今回ビバラに参加した全アーティストの中でもマカロニえんぴつにしかできない役割だったのだと、強く強く感じた。




VIVA LA ROCK2021。このフェスは、きっと伝説になるに違いない。
たった一度、感染対策も何もない状態で起こってしまったライブハウスのクラスター。
あれだけが理由で叩かれ、爪弾きにされ、コロナを生む根源かのような扱いを受けた音楽業界。

完全アウェイの闘いに挑んだ今年のビバラ。
もちろん最後まで走り抜けた背景には、同時期に開催されたJAPAN JAMの存在も大きかったと思う。
日本の音楽雑誌のツートップが主催する2つのフェスが共に闘う様は、『ドラゴンボール』でサイヤ人が攻めてきた時に孫悟空とピッコロ大魔王が手を組んで立ち向かった、あのシーンを思い出した。

素晴らしいライブを、パフォーマンスを全力で見せてくれたアーティストの皆様、ありがとう!

制約の多い中、しっかりルールを守って楽しんだ観客のみんなにも、ありがとう!

鹿野淳さん、有泉智子さん、スタッフの皆様、VIVA LA ROCK2021の大成功、おめでとうございます!たくさんたくさんお疲れさまでした!
そして本当に、ありがとうございます✨

来年は、さいたまスーパーアリーナをフルキャパで、最高のビバラが開催される事を、心から願っています。

I LOVE ROCK!
I LOVE POP!
I LOVE FUNK!
I LOVE MUSIC‼︎
最後まで読んでいただきありがとうございました😊



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