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『KANさんを偲んで②〜ap bank fes ’21 online in KURKKU FIELDS〜』

前回の記事に続いて、先日11月12日に天国に旅立たれたKANさんへの追悼の気持ちを込めて、過去に俺が文章化したKANさんのパフォーマンスを再掲していきます。

前回はKANさんのライフワークでも有った、ピアノと歌のみで最後まで演り切る『弾き語りばったり』のレポをご覧いただきましたが、あの日KANさんの衣装は燕尾服でありました。

これを読んで「あぁ、大御所ミュージシャンだけあって、ステージでは正装なんだな」と思った、そこの貴方!

それは大きな間違いです。

KANさんにとって″正装”とは、決して燕尾服やタキシードでは無い。

今回はKANさんが″本当の正装″(笑)でご登場された、2年前である2021年にコ口ナ禍のため無観客で開催された『ap bank fes '21 online in KURKKU FIELDS』の書き起こしレポから、KANさん出演部分を抜き出し、編集してご紹介します。

『ap bank fes '21 online in KURKKU FIELDS』


小林武史さん(以下”小林”)「えー、、今更では有りますけれどもね。今更って事もないか。数日前にBank Bandの新しいアルバム『沿志奏逢4』が発売になりました。ありがとうございます!」

小林「その数ヶ月前からですね。どんな曲を選ぼうかっていう選曲とかを始めてたわけなんですね。その選曲をメインに引っ張ってくれたのは、実はレコード会社の男女1人ずつのスタッフなんですけど。」

小林「まぁap bank fesは、アーティストのエゴみたいなものから始まったフェスではないですから、ちゃんとお客さんを含めて循環があると言うか、今までずっと見てきてくれたスタッフの意見が、ちゃんと″芯を食ってる″と言うかですね。ちゃんと鏡になってくれてるってのも有るんですよね。」

小林「で、そのレコード会社の女性の方のスタッフが、″この曲は絶対に外せないのでは無いか″″この曲は外さない方がいいと思いますよ″と言ってくれたのが、次にお呼びするアーティストの楽曲だったんです。その楽曲を選ばせてもらうと同時に、今回無観客では有りますけど、このアーティストを絶対ブッキングしなきゃと。」

小林「そのためにも、数ヶ月前から準備していて。ホントこんな晴れてくれて良かったんだけど、この楽曲と、僕たちが施したアレンジというのは、本当このシチュエーションにピッタリ。そして、更にこの方は、登場の仕方で一気にボルテージを上げてくれます。今日も・・・凄いです、はい(笑)。紹介します!KANさん‼︎」

ステージに上がったKANさんの衣装は、真っ黄色なタイツに銀ラメを施し、更に巨大な羽根を背負った、サンバ?宝塚?風の、、まぁいわゆる通常運転ですw
若干、羽根がデカ過ぎやしませんかって思ったけどw

ツッコミを入れる間も無く始まったのは、やっぱりこの名曲。

何の変哲もないLove Song(KAN with Bank Band)

KANさん(以下″KAN″)「♪ 晴〜れわたる空に白い雲 君とぼくがいて♪」

小林さんが言ってたように、まさにこの日のシチュエーションそのままの歌詞に、聴いてるこちらも晴れやかな、心地良い感情でいっぱいになる。
やっぱりいい曲。でも衣装が気になって曲に集中できない。でも、やっぱりいい曲、、って感じで感情グチャグチャになった🤣

『涙でるような悲しみも 多くの後悔も 君とならばただの歌になる たとえばそう 今あるがままの思いを綴ってうたおう』

https://m.youtube.com/watch?v=Q9P7cgwzCkY&pp=ygUja2FuIOS9leOBruWkieWTsuOCguOBquOBhGxvdmUgc29uZyA%3D

羽根を背負ったまま、キーボード前の椅子に着席するKANさん。
次の瞬間、90年代前半日本中を席巻し、J-POPを代表するスタンダードナンバーになった、あの大名曲の前奏が響き渡った。

愛は勝つ(KAN with Bank Band)

この曲の凄い所は老若男女全てに響き、共感を呼び、更に歳を重ねるごとに聴こえ方や解釈が変わってきて、また新たに感動を覚えるところだと個人的に強く思う。
ちなみにシングルCD盤のカップリング曲には『それでもふられてしまう男』という曲が収録されていて、そのセンスも含めて100点満点だと思う笑

そして、やっぱり時代を超える名曲というモノは凄いパワーを持っていて、画面越しでも多幸感が音に乗って広がっていくような、そんな感覚になった。

キーボードを弾きながら熱唱するKANさんがあまりにカッコ良く、しばし衣装の事を忘れるぐらいだった。

『心配ないからね 君の勇気が 誰かにとどく明日はきっとある どんなに困難で くじけそうでも 信じることさ 必ず最後に愛は勝つ』


KANさんが、絶対邪魔であろうと思われる羽根を背負ったまま(笑)、スタンドマイクの前に立つ。

KANさん(以下“KAN“)「ありがとうございます!えー、、ご挨拶が遅くなりました。KANです。よろしくお願いします!あの、、『何の変哲もないLove Song』を『沿志奏逢4』に選んでいただき、ありがとうございました。」

小林さんと頭を下げ合うKANさん。

KAN「そして久しぶりにap bank fesにお声掛けいただき、本当に嬉しいです。今日、少しオシャレしてきましたw 」

KAN「えー、この衣装を野外で着るの初めてなんですけど、気づいたらですね。こういう衣装着て、大自然の中を歩いてるとですね。。蜂が飛んでくるんですよwこれは、ちょっと初めて・・・。」

ここで、何かに気づいたKANさんがニヤニヤ。
その視線の先には、ギターを抱え、背中にKANさんのよりはやや小ぶりな羽根を背負った男性の姿が。。。
こ、、これは‼︎

KAN「あの・・・もしかしてMr.Childrenの方じゃないですか?」

桜井和寿さん(以下″桜井”)「・・・違いますw」

あっ、否定したww

KAN「ちょっと今日オシャレしてますよね?今日ね?」

桜井「・・・(苦笑)。」

KAN「大丈夫ですか?」

桜井「大丈夫です(笑)。」

KAN「ってか、僕自身大丈夫かな?」←今更ww

桜井「いや、イケてますよ。違和感が無いw」

KAN「無いですかw・・・えー、皆さん楽しんでますでしょうか?では、、去年出したアルバム、『23歳』っていうアルバムを出したんですけど、その中から今最も歌いたい、この曲を。」

KAN「CDではTRICERATOPSと一緒に演奏したんですけど。今日は僕、初めて(この曲を)ライブで演りますけれども、何とこの素晴らしいBank Bandの皆さんと演奏できる事を、とても嬉しく思っています。それでは聴いてください!『キミノ マスクヲ ハズシタ〜イ』!」

君のマスクをはずしたい(KAN&桜井和寿with Bank Band)

ニセ外国人口調(笑)でのKANさんのタイトルコールを受けて始まった曲は、コロナによってすっかり変わってしまった今の時代をユーモラスに皮肉る、KANさん流の世相斬りSONG。
2番の甥っ子の話は実話ですかね。面白いけど切ない😂

『ほっぺたもハナもクチビルも ずっと見てたい できればさわりたい なにも今すぐキスとは言ってない せめて君のマスクをはずしたい ってゆうか はずさせてほしいんだ』

https://m.youtube.com/watch?v=JYUtntupPEc&pp=ygUma2FuIOWQm-OBruODnuOCueOCr-OCkuOBr-OBmuOBl-OBn-OBhCA%3D


ロックテイストの曲なので、KANさんと桜井さんはギター&ボーカルスタイルだったんですが、曲の最後に桜井さんがKANさんのギターに蹴りを入れると、KANさんのギターが綺麗に真っ二つに😅作り物かい!
すかさずカースケさんが″コン!″と間抜けな音をドラムで表現。流石ですwww

ここでBank Bandは一旦ステージから退場し、ステージには桜井さんとKANさんだけが残った。

KAN「さて、では桜井さん。久しぶりに・・・。」

桜井「ん???何の話をしようとしてますか?(汗)」

何故か焦った様子の桜井さん笑
段取りを一瞬忘れたのか、もしくは何かバラされたくない秘密をKANさんに握られてるのか。。🤣

KAN「いや、今から歌う曲の話を。。」

桜井「あ、、そうですよね!(笑)・・・えっと、、何年でしたっけ?これ(作ったの)は。」

KAN「これは2006年に、僕と桜井さんで″パイロットとスチュワーデス″という奇跡のユニットを。」

桜井「エヘヘへwコスプレをしたやつですね。」

KAN「その時は機長(桜井さん)とチーフパーサー(KANさん)という関係だったんですよね。ちゃんと着るべき物を着て。」

桜井「・・・その後は、何着ましたっけ?」

KAN「えっと・・・2008年は、″闘牛士(桜井さん)とカルメン(KANさん)でやりたいっていう桜井さんの提案で。」

桜井「アッハッハッハ(爆)。」

いやいやKANさん。何をどう考えても、貴方の提案でしょうよ!(笑)
全力で嘘をつく59歳の一流アーティスト🤣

KAN「いやいや、まだ″パイロットとスチュワーデス“1回しかやってないんだから、まだ2回目で、″闘牛士とカルメン″は無いんじゃないか?って言ったら、桜井さんが“いや、どうしても着たい!″って。」

桜井「・・・・・・そうでしたねぇ。」

あっ、受け入れた笑
桜井さん、認めちゃったらダメ!😅
こうして歴史は捏造されていくんですね。。笑

KAN「で、 3度目は2010年にイベントで。その時は確か、Mr.Childrenのステージの最後に僕が出て行って演ったので、特に衣装は着ずに。」

桜井「・・・。」

KAN「いや、着てますよ。服は着てるけど(笑)。」

KAN「でも僕、その時婦人警官の格好で行ったんですよ。だから″駐車違反(桜井さん)と婦人警官(KANさん)″っていうので演ったんじゃ無かったですかね。」

桜井「(困惑気味に)・・・そうでしたっけ?」

KAN「そうです!やりました!国際フォ〜ラムで!」

桜井「何ですか、その発音w」

KANさんの″国際フォーラム″の独特すぎる発音に、思わずツッコむ桜井さん笑

KAN「大阪の発音です。国際フォ〜〜ラム‼︎」

すいません。。KANさん、めっちゃ笑わせにきてる発音してるんだけど、文字じゃこれ絶対に伝わらないww

KAN「凄く久しぶりに演りますけども・・・これは桜井さんからの提案で。」

桜井「弾き語りってのは、よく有りますけどね。KANさんだったらピアノ、僕だったらギターですけど、そういうのも無くして。」

KAN「一切、楽器を使わずに。」

桜井「はい。″弾かな語り“。」

KAN「弾かな語りってのはどうかっていう事を、桜井さんから提案がありまして。で、″それは面白い!″と。」

KAN「で、最初桜井さんから送ってもらったデモ音源が、普通にギター弾いて歌ってたんですよね(笑)。何か話が違わないか⁉︎とw」

桜井「ハハハ(笑)。まぁ、コード感だけは。コーラスでいろいろアレンジするにしても、″コード感だけは提示しておかないと″と思ったんだと思います(笑)。」

KAN「(笑)。で、僕それを聴いたんですけど、これをギター無しで歌だけで聴いた場合、たぶん解りにくいな、と判断してですね。で、桜井さんが送ってくれた歌詞だけを残してですね。そして別の曲を作ったんですね。で、桜井さんの歌詞に別に作った曲を付けて送って。で、2番の歌詞を書いてください、という風にしたんですよ。」

凄いな。桜井さんニコニコしながらKANさんの話聞いてるけど、桜井さんは自分のソングライティングにプライドを持ってるから、無断で曲を作り直されるって本来ならイヤなはず。

桜井さんが尊敬するKANさんだから出来る事で、2人のしっかりした信頼関係が有るからこそのエピソードなんだと思った。

KAN「あっ、もちろん(桜井さんが)全体的に修正はしてくれましたけど、そういった経緯で出来上がった『弾かな語り』という曲を、、この緊張感が高い中。」

桜井「キーは解りますか?」

KAN「キーは、、あ、絶対音感有る?」

桜井「無いです。」

KAN「無いよね?・・・″俺がそう言ったら、絶対そうなんだ″っていう絶対音感じゃダメなのかな?w」

桜井「エヘヘへへへ(笑)。いや、ついていきますよ。」

KAN「これ出る?」(とピアノを鳴らす)

桜井「♪ア〜ア〜ア〜♪」

桜井さんの発声練習が観られるなんて、何か凄い✨
そして、ついに噂でしか聞いた事が無いあの曲が始まる!

KAN「(桜井さんの発声練習に満足気に)うん。では聴いていただきます。『弾かな語り』。」

弾かな語り(KAN&桜井和寿〜パイロットとスチュワーデス)

ホントに前奏も間奏も2人の声だけでの、完全なアカペラ。
改めて、2人の歌の上手さを再確認させられた、何とも贅沢な時間帯だった。

KAN&桜井「ありがとうございましたー‼︎」

歌い終わって画面の向こうの観客にご挨拶。
そして、その状態のまま背負ってる羽根をフルフル振るわせる2人w何やってんのww
深々とお辞儀する2人からカメラがだんだんフェードアウトしていき、奇跡のユニットの出番は終了となった。。

次に実現する機会が有るなら、今度こそ生で観て聴いてみたい!
その時は着るべき物を着て。。笑


以上!KANさんの素敵で楽しいパフォーマンスを、2回に渡ってご紹介させていただきました。
俺の拙い文章ではKANさんのライブの素晴らしさを全部伝える事は難しいけど、少しでもKANさんの魅力が伝わったなら嬉しいです!

さて、最後の最後にあと2曲だけ!
俺がKANさんを天才だと確信した超名曲と、2021年に秦基博くんとコラボしたあの曲を、俺が以前にしたコメント付き(ちょっと編集&加筆)でご紹介します。

KANさん!素敵な音楽を、楽しく素晴らしいライブを、ホントにホントにありがとうございました!
俺の大好きなアーティストの皆さんに多大な影響を与えてくださり、感謝しかありません😂


東京ライフ(アルバム『HAPPY TITLE-幸福選手権-』収録)

広瀬香美さんが1位に選んだこのタイミング(※『林修のニッポンドリル』での″広瀬香美が嫉妬する歌手番付”1位にKANさんが選ばれた。)で、俺がKANさんを天才だと確信したこの曲をお聴きください!

東京をテーマにした曲は星の数ほど有るけど、個人的に”東京ソング”でTOP3に入る名曲だと思ってる。


カサナルキセキ(KAN+秦基博)

2021年4月23日、衝撃?笑撃?の前代未聞の謝罪会見がYouTubeにて配信された。

2020年にKANさんが発売したアルバム『23歳』の中に収録されてる『キセキ』という曲。
2021年1月に発売された秦基博くんのシングル『泣き笑いのエピソード』のカップリング曲である『カサナル』という曲。

実はこの2曲は同時に演奏&歌唱する事によって1曲となり完成形になる・・・という、日本音楽史に残るとんでもなく壮大なお遊び、、いやプロジェクトだったのだ。

そんな事できるの?
2人同時に歌ったり演奏したりしたらガチャガチャ音がぶつかり合っちゃうでしょ?

そう思ったそこの貴方も、一度聴けば解ります。
曲の長さやコード進行を完璧に合わせ、それぞれが異なる楽器で演奏する事によって、あら不思議!
単体の楽曲としてもいい曲なのに、深みを増した名曲に早変わりするのです。

更に2人の歌も、単体だと普通の歌詞だった部分がコーラスになったり、お互いの掛け合いみたいになったり、、とにかく凄すぎて感動!
ぜひぜひ、それぞれの単体の曲を聴いてから、『カサナルキセキ』を聴かれる事をお勧めします。いやぁ素晴らしい。

KANさんは湿っぽく送られるのはイヤかなと思い、締めにはおふざけ全開の″カサナルキセキ謝罪会見”を貼ってみました🤣
そして、素数大好きなKANさんに敬意を表して、この記事は19日と23日に投稿しております😂

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊

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