高齢者特化型便利屋をやりたいと思ったわけ①

高校卒業して、介護の専門学校に行き、介護士になった。
初めて務めた会社は、病院に併設の老人保健施設という施設だった。
日中は介護士2-3人で利用者を40人弱位見ていただろうか。
老人保健施設は在宅へ復帰するためのリハビリを行う施設だが実際に在宅へ戻る方はほとんどおらず、多くの方が特別養護老人ホームという終身入所できる施設を待っている方ばかりだった。
そういうところで勤務していると、スタッフは忙しいが利用者は時間を持て余している。
すぐ隣の病院の売店へお菓子買いに行きたいのに連れて行って貰えない。だってスタッフがいない。それでも回廊型のベランダを2-3人の利用者と散歩したり、ベランダ菜園をしたり工夫をして何とかして余暇を楽しんでもらおうとしていた。家族がしょっちゅう来てくれればまだいいが、核家族化の進む現代では面会もなかなかなく、早番の終わったスタッフが自分の時間を使って、売店へ連れて行ったりしていた。
また別の日には、「お墓参りに行きたいのに行けない。御先祖に顔向け出来ない」という利用者がいたり、転倒されて、隣の総合病院を受診するため、家族に付添をお願いするも急では駆けつけてこられず、看護師が何時間も不在となり、さらに少ない人数で見ているために、転倒や不穏が続くような日もあった。もっと手が、目が欲しいとそう思うも担い手も少ない。また、施設に入居しているとヘルパーを使うということが出来ない。
外部に委託出来たらなという気持ちが自分の中にぼんやりとあった。
もしかしたら当時から自費のサービスはあったかもしれないが現場にはそんな提案をする人もいなかったし、実際に自費サービスを利用して外出するような利用者もいなかった。

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