炸裂ミラクルガールズ

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『ドンと来い! 超常文芸 りたーんず』発行のお知らせ

 お久しぶりです、絶対文芸同人、炸裂ミラクルガールズです。  時が経つのは早いもので、前回の参加となった2021年秋の文フリから1年もの時間が流れてしまいました。  1年前に刊行したのは縮小版小冊子の2.5号。そこで力を溜めて次こそ本格的な1冊を……という野心はありつつ、メンバーそれぞれ多忙のためになかなか本格的な活動ができない日々……。  しかし、それでは終わりません。終わらせません!  1年の待機期間を経て、約200ページの新刊を引っ提げ、我々は帰ってきました!  なか

    • 『ドンと来い、超常文芸 第2.5号』通販・電子書籍販売のお知らせ

       お待たせいたしました。先日の文学フリマ東京で販売した小説集、『ドンと来い、超常文芸 第2.5号』の通販取り扱い、および電子書籍販売を開始しました。  通販はBOOTHのみでの取り扱いとなっております。サンプル画像にて各作品の冒頭も読めます。ぜひ一度、ご覧ください。  また、電子書籍はBOOTH、およびKindleの二箇所にて販売しております。これらの内容は同一であり、より広いフォーマットに対応するための販売となっております。皆様の環境に合わせてご購入いただければ幸いです。

      • 『ドンと来い‼ 超常文芸』(vol.2)電子版のお知らせ

         お待たせいたしました。今回も、文学フリマ東京で販売した『ドンと来い』2号を電子化いたしました。どこでも気軽に超常文芸にふれることができます。よろしくお願い致します。  前作の一部無料公開も引き続き行っております。ぜひ、あわせて御覧ください。  今回も、あらためて掲載作品のご案内と自己紹介記事をまとめておきます。ご参考のほどよろしくお願いします。 『オルタナティブ』(朝倉千秋)ユウ兄ちゃんは優秀だった。田舎町から東京へ出た憧れの背中を夢見て、後を追うように東京の大学を目

        • 『ドンと来い‼ 超常文芸』vol.2 通販のお知らせ

           お待たせいたしました。先日の文学フリマ東京で販売した小説集、『ドンと来い‼ 超常文芸』第二号の通販取り扱いを開始しました。BOOTHのみでの取り扱いとなっております。サンプル画像にて各作品の冒頭も読めます。ぜひ一度、ご覧ください。  なお、電子書籍版は現在制作中です。今しばらくお待ちください。また、第一号の書籍版はおかげさまで完売したため、現在は販売しておりません。ありがとうございました。第一号の電子書籍版についてはこちら。また、第二号販売記念として、第一号に掲載の各作品

        『ドンと来い! 超常文芸 りたーんず』発行のお知らせ

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        • 炸ミラ
          7本
        • コラム
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        • 小説(クロベトウヤ)
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          リクルート・オブ・ザ・ラブ:いざ行かん、博論ダンク

          新しい「就活=小説」のために。求められるものは「愛」です。「就活」には圧倒的に「愛」が不足しています。私たちは、「愛」によって「就活」を乗り越えていかなければならない…… https://note.com/sakumiraga/n/n35c3b89720a3  11月22日文学フリマ「炸裂ミラクルガールズ」にて、「リクルート・オブ・ザ・ラブ 第二部『本選考 いつか一緒に働いて(前編)』」という作品を執筆しました。就活と愛をめぐる物語であり、アンチリクナビノベルたることを作品

          リクルート・オブ・ザ・ラブ:いざ行かん、博論ダンク

          「縁結び」〜高木さん=神から考える「縁」について〜

           私にとってはもはや常のことなのだが、ブームの少しあとに、私は『からかい上手の高木さん』を本格的に読み始めた。そのきっかけのひとつは、最寄り駅に登場した絵馬かけ、そして駅員服で敬礼をする高木さんパネルだった。  高木神社とのコラボを、そのとき知った。これもうちからわりとすぐ近くの場所にある小さな神社なのだが、それまで一度も参拝したことのない神社だった。なにせ、このあたりは神社や寺が至るところにあるのだ。  この高木神社は縁結びに御利益があるらしい。思えば恋愛至上主義文化からず

          「縁結び」〜高木さん=神から考える「縁」について〜

          マジカル・ガンディズム:あるいは、アマチュア作家が"似非カルト"小説を書く理由

           半年前に書き終えた作品なので、今の自分とは思想性が若干異なる。一年前に書いた『モアイ・パラダイス』(「ドンと来い」第一号に載っている)の続編ですという雰囲気を出しており、どうやら三部作にする構えも取っている以上、次号に完結編を書かないと収まりが悪い。気に食わないやつに運命を握られている。 『マジカル・ガンディズム』はインド映画を見てガンディーに触発されたニートが現代のガンディーを目指してなんやかんやする話であり、ガンディズムという言葉は造語に見えるかもしれないが実際は先例が

          マジカル・ガンディズム:あるいは、アマチュア作家が"似非カルト"小説を書く理由

          『ドンと来い!超常文芸』(第1号)一部無料掲載について

          『ドンと来い!超常文芸』第1号は、2019年秋の文学フリマ東京にて書籍版、BOOTHとKindleにて電子版を販売しています。 このたび書籍版が完売し、また、2020年秋の文学フリマ東京において第2号を販売することが決まりました。つきましては、第1号に掲載した作品の一部を、カクヨムにて無料公開いたします。ぜひご一読ください。 また『リクルート・オブ・ザ・ラブ』と『モアイ・パラダイス』については、連載作品であり続編が新刊に掲載されています。そのうち『リクルート・オブ・ザ・ラ

          『ドンと来い!超常文芸』(第1号)一部無料掲載について

          『ドンと来い! 超常文芸』電子版のお知らせ(5/12Kindle追記)

           我々の通販サイトができました。かねてよりお伝えしていたとおり、2019年秋の文学フリマで販売した小説集『ドンと来い! 超常文芸』の電子版を販売開始しています。連休は終わり、ウイルスに怯えながら通勤の日々が戻ってきた方も多いでしょう。ゆっくり読書できる時間は終わってしまいましたが、この苦しみのさなかでこそ輝く作品が揃っていると、作者の一人として読者として思っています。ぜひお読みください。よろしくお願いいたします。  あらためて各作品の内容紹介と、それぞれの作者が文フリの直前

          『ドンと来い! 超常文芸』電子版のお知らせ(5/12Kindle追記)

          これからの活動について

           小さな可能性かもしれない。ひとつひとつは微細かもしれない。しかし、そんな「奇跡」はきっと、至るところで生まれている。そしてこの宇宙に散らばった「奇跡」らが光を放って「炸裂」したとき、そこに輝きがあったことを、世界は思い出す。—『ドンと来い! 超常文芸』321頁  つい半年前、私は「絶対文芸同人炸裂ミラクルガールズ」による冊子の創刊号『ドンと来い!超常文芸』の編集後記を、このように結んだ。大言壮語だったかもしれない。が、私は本気でそれを信じていた。信じたかっただけなのかもし

          これからの活動について

          本と私

           大学院で文学を研究している私だが、この道に私を引っ張ったのは大学一年生で出会った谷崎潤一郎『春琴抄』だ。  谷崎の作品を読むのは初めてだった。句読点が少なくて読みにくいな、と最初こそは感じていたのだが、気がつけば谷崎の語りの力に飲み込まれていた。それから夏休みまで、生協や古書店で谷崎の文庫本を見つけては買って、読んでいた。『卍(まんじ)』や『吉野葛』のほか、『陰翳礼讃』といった随筆まで、お気に入りの作品はいくつもできたが、それでも、何度も紐解くのは『春琴抄』だ。  そのな

          リクルート・オブ・ザ・ラブ:新しい「就活=小説」のために

           「就活=小説」を、始めなければならない。  京都まで足を運んだ最終選考に落とされ、悲しみの余り自転車で自宅近くの月極駐車場のフェンスに突撃した私は、横倒しになってカラカラと回るタイヤを静かに見つめながらそう心に誓ったのでした。  「就活」を通じてわかったことがあります。それは、「就活」とはあらゆる小説の起源であるということです。混沌たる存在である自らを、社会に貢献し意欲に満ち溢れイノベーティブで成長し続ける存在をめぐる物語として再構成していくこと。それこそが私たちにとっ

          リクルート・オブ・ザ・ラブ:新しい「就活=小説」のために

          100パーセントになれない私たちのために

          「99パーセントの宣言」朝倉 千秋  100パーセントという言葉は甘い魅力を持っている。絶対的に、完璧に、そういう修飾は私たちを安堵させ、ときには高揚させもする。けれども、ほんとうの100パーセントなんてものは、この世にはほとんど存在していない。いつもどこか不完全で、不安定で、ときに馬鹿げたことが秩序をかき乱してしまうような世界の中に、私たちは生きている。  本作品の主人公「僕」もまた、そんな不安定さの中に生きている。就職活動真っただ中の「僕」は歳の離れた恋人、冴子さんとの

          100パーセントになれない私たちのために

          コミュニケーションスラムネオトーキョー:コミュニケーションスラムネオヨコハマ

           横浜駅西口前には喫煙所がある。高島屋の前、けっこう広い範囲に半透明のしきりがあって、そして駅の利用者が多いのか治安が悪いのか喫煙に寛容なのかは知らないけれど、いつの時刻でも周辺にあぶれた人がうようよいて、タバコを吸っている。  たしか人と待ち合わせをしていたときのことだったと思う。平日の午後、高島屋前に立っていた。少し離れた喫煙所の出入り口のところでは、幾人かの外回り中のサラリーマンが一服、高島屋の紙袋を持った中年女性の一団が一服、露出の多い服を着た若い女性と柄の悪い男性

          コミュニケーションスラムネオトーキョー:コミュニケーションスラムネオヨコハマ

          Angel:糸、すなわちテクストの先を見つめて

           この世の中の夢・目標には、語るに値するものと値しないものがあるようだ。言ってしまえば、就職活動の面接で使えないようなエピソードは、どんなに熱く語ろうにも苦笑いか嘲笑が返ってくる。  その点、この作品の主人公はひとからすれば、志の低い、小さな小さな夢であり、目標によって生きている人間だ。しかし、そんな小さな夢によって、彼は失った熱意を少しだけ取り戻し、絶望のなかにありながらも生きることを自然に肯定している。零ではない可能性。消極的に見えるかもしれない。しかし彼は、アンチテーゼ

          Angel:糸、すなわちテクストの先を見つめて

          モアイ・パラダイス:あるいは、アマチュア作家がメタ小説を書く理由

           たえず「日蝕」のつづく世界を見つけだすことが、われわれにとって急務となった。そんな風景を、あたりまえのように瞳でうけとめていたことが、たしかにあるはずなのだ。私はそれを、おもいだしつつあったが、やはりそれは、なんらかの虚構のうちに認められなければならないのである。(阿部和重『アメリカの夜』)  海をこえたところには何があるのか、私は見たことがない。旅行にせよ留学にせよ、この国を出たことが人生で一度もないので、外国の姿を見たことがない。だから本当は外国なんて存在していないの

          モアイ・パラダイス:あるいは、アマチュア作家がメタ小説を書く理由