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自分の前世をみてもらう

 算命学の個人鑑定をしてくれた同僚から、前世をみてくれるお店があるから一緒に行かないか、とお誘いがあった。

 店名でネット検索すると、体験談がいくつかでてきた。

 自分への影響は、3世代前ぐらいで何となくつかめ、6世代前までみるとかなりわかり、10世代前までみると完璧らしい。

 メディアに取り上げられたこともあるようで、要予約とある。

 その時は具体的な日程は決まらず話は終わったが、お店が気になって仕方がなかった。

 すると、すぐにお店に行けるチャンスが巡ってきた。仕事が繁忙期にさしかかり休暇が取りにくい時に、僅かに隙間ができたのだ。

 これは行ってこいということだ、と自分にいいように解釈し、電話するとうまく予約も取れた。

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 予約日当日、お店はもともと喫茶店だが、客は自分だけ。テーブル席が10卓ほどあるが、鑑定予約が埋まっている日は予約客のみとしてるため、その日1番最初の鑑定だった自分しかいないという状態。

 飲み物をお願いすると、前世が見えるというママさんが席にきてくれた。

 ママさんは、前世は突然見えるようになったこと、人は人として生まれてくるので人の前世は人しかないこと、体は変わるが魂は変わらず20年から30年サイクルで生まれ変わっていること、など色々とお話してくださった。

 そして鑑定に入る。自分の前世の他に、家族との関係もみえるそう。家族は、過去に家族だった人と現在も家族になるということだった。

 自分自身は6世代前まで、加えて今の家族と生まれた時の家族の関係を見てもらった。本当は自分の子と自分の母の関係をみてもらいたかったのだが、それはまたの機会に。

 鑑定に時間はかからない。それぞれの名前と自分との関係を書いた紙を渡すと、ママさんは調理スペースに戻っていく。前世はさーっと見えるので、自分ではメモできないそうで、見えた前世を店員さんに伝え、それをメモしてもらうのだそうだ。

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 鑑定結果は書いた紙をいただける。

 まずは家族について。
 今の家族は、1496年前にエジプトで一緒だった。自分が妻、息子が夫、パートナーが夫婦の息子だったそうだ。
 自分が妻だったことは意外だったが、この関係、今の家庭状況にしっくりくる。現在の関係が納得でき、家庭内での色々なことも理解できた。

 次に自分が生まれた時の家族。1885年前の中国で、自分が夫、母が妻、父が息子で、弟は母(当時の妻)の弟、つまり義理の弟ということだった。
 弟は自分からみると宇宙人のような人だ。話していることが理解できないし、弟も自分の話は理解できないようす。母は自分とも弟ともある程度コミュニケーションが取れる。
 これは理系と文系の脳の作りの違いだと思っていたが、彼は直接血縁のない義理の弟だっため、全く理解できなかったんだとわかった。
 今まで弟との関係に少し悩んでいたところがあったので、少し気分がすっきりとした。

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 そして自分自身について。ひとつ前から遡っていくと

 92年前 イギリス 薬屋の奥さん(女性)
 185年前 チベット 修行僧(男性)
 283年前 ロシア 思想家のタマゴ(男性)
 381年前 ギリシャ 細工職人(男性)
 479年前 日本 野武士(男性)
 585年前 インド 仏師(男性)

 なんときれいに男性陣。修行僧と思想家のタマゴは自分の中に名残を感じる。野武士って負けた武士?仏師って仏像を彫る人?などなど、色々思っていると、ママさんが説明してくれる。

 「まず今の自分をがんばってるとほめてあげて。これだけの(前世の)状況でよくがんばっている。」と言っていただいた。

 6代みて女性は一回だけ。結婚は女性の時と細工職人の時の2回。この状況で結婚し子どもがいるのはすごい、とのこと。

 修行僧は頭で考え、思想家のタマゴはどうにもならない答えのないことを考え続けるところがあるということだ。
 答えのないことを考え、時にクヨクヨして先に進めない自分を長く情けなく思っていたが、これは染みついたものということになる。

 修行僧がある人は、直感で感じたことを大切にするといいらしい。

 野武士は、戦に負けた側の武士で生き残った人。これがあると、突然決めて突っ走るところがあるらしい。
 慎重派と思ったら急に突っ走る。理由は自分も周りもわからない。そんな事が時々おきる。
 自分では厄介な性質だと思い、克服したいと思っていたが、これも染みついたものだったのだ。
 克服など無理な話、いかにコントロールするかがこれからの付き合い方だとわかった。

 仏師は修行して仏様を彫るようになるそうだ。
 修行僧と通じるところがあるのかもしれない。

 また五行もわかるそうで、自分は金。白か黒か、0か100かの人とのこと。
 全くその通りで、何かに対して力加減ができない。最近は少し加減ができる時もでてきたが、ベースは0、100。周りにはなかなか理解されていないが、少し複雑な仕事を一緒にすると相手もその事に気づくぐらいに加減ができない。

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 昔の自分が職人さんになりたいと思っていたのは、細工職人や仏師の影響だろうか。しかし手先は不器用だし、センスもイマイチ。素質は引き継がれなかったようだ。それでも時々、何か作りたくなるのは、細工職人の名残があるのだろう。道具を買っただけで満足し、なかなかスタートを切れずにいるものが沢山ある。

 自分の勝手なストーリーだが、仏師と修行僧により悟りを求めて瞑想し、思想家のタマゴにより答えに辿り着けず考え続け、行き詰まった野武士が突然走りだす。そして時々、薬屋の奥さんが周りが上手くいくよう気遣う。

 薬屋の奥さんが穏やかだったおかげで、バランスを保てているようだ。なんとかサラリーマンが勤まっているのも薬屋の奥さんのおかげだろう。

 全てがすんなり入ってきた。あぁ、そうなんだ。自分はこれらを引き継いで自分なんだ、と。今の自分の色々なピースがピタっと合った。

 これは若すぎても受け入れられない、今だから受け入れられることだ、とも感じた。

 ママさんに人の役に立ちたいと思っていることを伝えると、今の仕事もきちんとこなせば人の役に立つ時がくると、言ってくださった。
 人を助けたいと思うならそれを信じて、と。 

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 自分はこうして出来上がっている。だから、あの事もこの事も、あの時もこの時も、ああなるしかなかったんだな。

 全てが腑に落ちて、自分がかわいらしく思えた。こんな境地に至れるなんて、なんて幸運なんだろう。

 清々しい気持ちで、店を後にしたのだった…





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