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おむすびの祈り

「講演会があるので、チラシを置かせて欲しい」と知人が訪ねてきたのは、まだ秋も早い頃だった。

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佐藤初女イスキアの集い
〈おむすびの祈り〉
ー食べることは生きることー
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 佐藤初女さんといえば・・・
 1995年に『地球交響楽団(ガイアシンフォニー)第二番』の自主公演映画を観に行ったとき『佐藤初女』さんのことを初めて知りとても印象に残っていた人。

 その『佐藤初女』さんの講演会が、今日、12月1日。
 さっさとパソコンの電源を切り、午後5時過ぎには、JR堺市駅を目指して地下鉄に飛び乗った。

 300人の席は満杯。老若男女、こんなにさまざまな顔ぶれも珍しい・・・。

 お話の内容は〈食〉の大切さを説いたもの。〈食〉を通して生きるに必要な哲学までをも優しい言葉で懇々とお話しされる。86歳の彼女は、少し訛りのある言葉で、大きくはないがしっかりとした口調で淡々と語ります。

 地球上にある万物を命あるものと捉え、命を食べるということは身体を鍛えるだけではなく、精神までも鍛える。食は信頼感を生み関係をも育てる・・・と。

 今日と同じであってはいけない!
 少しでも新しい発見をしよう。
 たとえ小さなことでも気づきと発見はあり、それを行動に移すことにより成長を続ける。

 帰り際に、ロビーで一人一人に声をかけられていて、握手を求める人たちが長蛇の列をなしていた。

丁寧に頭を下げられる佐藤初女さん

 まだまだ続いているロビーの熱気を背中で感じながら外に出た。 
 ひんやりとした空気が高揚した気分を整える・・・。

「とっても柔らかな手でした・・・」
 一緒に行った『あした誕生日』というスタッフは、だいじそうに、握手をしてもらった右手をそっと左手で包んでいた・・・。

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2007年12月2日記


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