サピックスの2024年度合格実績は伸び悩んだのか?

サピックスの2024年度合格実績は伸び悩んだのか?

2024/02/23

 2024年度の中学入試も終了しました。
 一部のところでささやかれているところもあるようですが、サピックスの合格実績の伸び悩みが見られるというもの。
 そこで、オープンになっている合格実績の情報から、簡単に考察してみました。


 まず、大前提として親としては、通わせる塾の合格実績はかなり気になるところですが、実際のところは、「子供が第一志望校の合格を勝ち取れるかどうかであって、塾の実力はあまり関係がない」と言いたいところです。

 しかしながら、中学受験という時間も費用も要することに対して、そこまで割り切れるものでもありません。サピックスで言えば、通う教室の実績を知ることが大切です。この情報は、春の保護者会で校舎長から実際の数字を知ることができる(はずです)。

 一方、早稲田アカデミーの場合には、御三家や難関校に限れば、志望校別の講座となっているNNがありますので、そのNNの合格実績がそのままであると考えて良いです。

1.サピックスの最難関校の合格実績

 本題となるサピックスの2024年度の合格実績ですが、2月23日現在の数字で、御三家、最難関校の数字を見ると、一部の学校では昨年に比べて落ち込んでいるのは事実です。

 なお、筑波大学附属駒場中学については、2月6日に発表された実績は79名でしたが、その後繰り上げ合格者が多数出て(集計ミスは考えられないので)、2月16日までで98名の合格者数と一昨年に次ぐ合格者数となっています。

 サピックス24組(35期)は、23組(34期)の人数が多く、新規の入塾テストがなかった教室も多かった時期の入塾者と考えられる世代で、公表されている在籍者数では、6,436名と前年度(6,730名)から294名減っています。

    2024年          2023年      2022年
    6,436名	割合%    6,730名	割合%  6,435名	割合%
筑駒	   98	1.52    	81	    1.20	  104	1.62
開成	  262	4.07	   274	    4.07	  283	4.40
麻布	  182	2.83	   197	    2.93	  192	2.98
武蔵	   59	0.92	    61	    0.91	   65	1.01
桜蔭	  189	2.94	   197	    2.93	  187	2.91
女子学院	131	2.04	   149	    2.21	  128	1.99
雙葉	   45	0.70	    51	    0.76	   57	0.89

 さて、過去3年間の男女の御三家の合格者数及び在籍者の割合をみると、男子については割合としては減少傾向が見て取れますが、女子については、むしろ上昇気味とも言えそうです。

 男子については、御三家以外の人気もあがってきており、サピックスの合格実績をこれだけで比べるのは、難しいのかもしれません。

2.では、早稲田アカデミーの躍進はどうなのか

 サピックスとまっさきに比較されるのは、早稲田アカデミーということになるでしょう。
 実際のところ、早稲田アカデミーのウェブで公表されている合格実績のページやチラシをみると、真っ先に目に入ってくるのは、「当塾史上最高数更新!」の文字とともに御三家中541名合格の文字です。

 ここでまず目を引くのは、在籍者数が約6900名とサピックス在籍者数を超えているというところです。新規教室の開設も続いており、第3四半期決算報告をみると、4月~12月の小学部の塾生数は、27,901人(前年同期比1.8%増)とされています。中学部、高校部が若干減となっているのに比べ、今後も新規開校も行われる予定となっています。

 早稲田アカデミーでは、NN志望校別コースということで、日曜日に各教室から参加する形で志望校に特化した授業が組まれています。

 さて、早稲田アカデミーの合格実績ですが、早稲田アカデミーグループの実績となっているので、最難関校の合格をみると、ちょっと気になるところがあります。それは、自由が丘にある中学受験SPICAの合格実績です。

早稲田アカデミーグループ

	          早稲田アカデミーグループ	SPICA
筑波附属駒場	      53名(42名)	   41名(30名)
開成	          143名(124名)	 64名(53名)
桜蔭	                  69名( 65名)	  5名( 3名)
渋谷幕張	             222名(199名)	 49名(29名)
               (  )は2023年度

 桜蔭中学については、女子が少ないために参考にしかならないと思いますが、筑駒、開成についてだけ言えば、SPICA通塾生の早稲田アカデミーグループ全体に占める割合が、2024年度は、筑波大学附属駒場が77%、開成が45%、渋谷幕張が22%と、かなり高いことが分かります。

 SPICAの在籍者数が101名(2024年度)とされていますので、その合格率の高さは突出しているのではないかと思います。

 あまりに短絡的ですが、早稲田アカデミー(もちろんサピックス等との弊塾もあり得ますが)から筑駒、開成を目指すのであれば、SPICAに通うという道も大いにあるということだと思います。


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