外資系社内公募でアメリカ移住🇺🇸

私はアメリカの大学、修士卒業後に新卒で米系外資の日本支社に入社。ハードウェア系の研究開発職をしています。社会人3年目の今年、社内公募に応募して、アメリカ転籍が決まりました。アメリカでは現在とは別の部署で研究開発職として働きます。
同じくアメリカで働きたいと思っている方も最近多そうなので、米系外資の社内転職でアメリカ転籍するに至った経緯をシェアしたいと思います。

仕事でのアメリカ移住は難しい

「アメリカは移民大国」「アメリカは移民に優しい国」というのは半分本当で半分嘘だと思います。
仕事で今から移住したい人にとっては、アメリカは全然優しい国じゃない。(もちろん、すでに仕事以外のルートで永住権等を持っている人は別。)

アメリカの厳しい新卒就活事情

アメリカでは日本のような新卒一括採用はない、というのは最近では有名な話かもしれません。じゃあ、どうするのかというと、卒業前にインターンシップで職務経験を積みます。
「新卒で就職するにはインターン経験が必要→インターン獲得のためにはインターン経験が必要」
というループにハマって、まずインターンを獲得するのが難しいです。ここで生きてくるのが大学のコネや友達のコネ。

だったらアメリカの大学で頑張ってればどうにかなるかというとそうでもなくて、外国人で将来ビザが必要な人はお断りの企業が圧倒的に多いです。テック企業のソフトウェアエンジニアとか、超有名大手コンサルや投資銀行だとビザ問題があまりない場合もあるけれど、そういう企業は普通に入るのが難しいので、何にしろ難しいです。

修士直後のアメリカ就活で惨敗→外資系日本支社就職

私はアメリカの工学の学士と修士を終了後、アメリカで就活していました。ちなみに、修士卒時点のスペックとしては、
・アメリカの(自分で言うのはアレですが)割りと有名大学の工学学士&修士を割りと良いGPAで卒業
・日本で日系大手でのR&Dインターン(2ヶ月)
・日本で米系外資で技術職インターン(1ヶ月)
・査読付き国際論文1本共同第一執筆者
(アメリカの会社でインターンのオファーをもらっていたのは、コロナで流れて消えてしまいました…泣)

アメリカの就活の厳しさをまだ知らなかった私は、
・東海岸or西海岸の大都市
・希望する分野の技術職
・ビザサポートあり
と言う条件で就活していました。
私の経験上、ビザのサポートが必要というのでお断りされるのが5割、何も一度も連絡来ないのが4割、面接後に力不足で落ちたのが1割りという感じでした。

ここで、私は仕事内容に妥協したくなかったのと、アメリカの田舎より東京の方が良いだろういうスーパーポジティブ思考を発揮(笑)
インターンさせていただいた、米系外資の日本支社で、希望する分野のR&D職でキャリアをスタートさせました。

外資系社内公募でアメリカ移住

日本で就職。けどやっぱりアメリカで働きたい…

アメリカの修士卒業後、日本で働き始めた私。当時、東京も結構国際化が進んでいると言う地方民の妄想も軽く入ってました🤣
実際に働き始めると、周りの先輩エンジニアは尊敬できる人ばかりで、技術的な成長はとても大きかったです。自分に任せてもらえる仕事も満足できる量で、良い経験を沢山詰めました。

一方で、東京で実際に生活を始めてから、将来的には出産や育児を経験しながら仕事も頑張りたいと思っている自分としては、日本の社会の雰囲気などからアメリカに帰りたいという気持ちが大きくなっていきました。

また、技術者の待遇はアメリカでの方がずっと良く、アメリカへ帰れば物価の差以上に良い待遇で働けたのに、という後悔もありました。(アメリカではエンジニアは高給取りで、日本のように他の職種と横並びではありません。)

私生活でもパートナーがアメリカに引っ越したい、私の仕事に着いて来たいと言ってくれたこともあり、転籍に向けて始動しました。

社内公募のステップ

  1. 職歴と実績を積む (転籍3年前〜)
    アメリカでの就活は職歴と実績勝負。社内公募は「社内転職」なので、外部から応募するのと同じような選考があります。(ただし、H1BビザではなくL1Bビザが使えるため、ビザ問題で落とされることは100%回避できます!)
    しっかりと働いて、目に見える成果が出せる場合は積極的に形に残すのを意識しました。(自分の場合は特許執筆など。)

  2. 技術面接対策 (転籍1年前〜)
    アメリカの技術職採用の際には技術面接があるのが普通。学部レベルの基礎的な知識を広く質問されるものと、職務に関連した実務的なテクニカルな質問の2種類があります。(ソフト系はこれに加えてコーディングテストがあるそうです。)というか、面接は技術面しかなかったです。志望理由とか一度も聞かれてません。(社内転職だからかも?)

  3. レジュメをアップデート (応募ポジションを決め次第)
    レジュメでは、応募するポジションに合わせて載せる内容や強調する内容を変更しました。今回受けたポジションは自分の日本でのポジションとは少し違うので、どんな経験や知識が活かせそうかを考えて書き直しました。

  4. 採用マネージャーに連絡
    応募の前にレジュメを送って採用マネージャーに連絡して、職務内容や求めるスペックの確認をしました。事実上の一次面接です。絶対やった方が良いです。応募しようかと思ったけど、このプレ面接で応募を取りやめたポジションもありました。そのまま面接の準備になったり、もしくはよりマッチングした募集ポジションを教えてもらうこともできます。

  5. 採用面接
    プレ面接後に正式な応募書類を提出して、面接がありました。私の会社では、この時点で初めて現在の上司に報告が必要でした。特に止められたりすることもなく、上司に恵まれています…
    採用面接は複数回ありますが、外部から受けるよりは少ない回数で済みます。技術的な知識と経験の確認が中心で、今後興味のある仕事の確認もありました。

  6. オファーにサイン!
    オファーが出たら内容を確認してサインし終了です!

外資系社内公募でアメリカ移住を目指すコツ

ファーストキャリアで専門を決める

ファーストキャリアでアメリカにこだわっても、そのあと職種や業種を変えるのは至難の業です。個人的には、まずはアメリカ以外の国で専門にしたい仕事を始めてしまったのがファインプレーだったと思います。特に米系外資だと社内転籍でアメリカ移住という選択肢があるため、希望の職種があればとてもオススメです。たとえ社内転籍でないとしても、職歴があるとアメリカの就活は新卒よりずっと有利になります。職歴をつけてから、アメリカで大学院に行き、OPTで勤務スタートというのも良いオプションだと思います。

アメリカで希望とは違う職種でキャリアをスタートさせた場合は、大学院に行って専門性をつけてキャリアチェンジは可能ですが、その前に永住権が取れていない場合は正直厳しい就活が待っていると思います。(別の職種での経歴は実務経験としてカウントされないので、新卒に振り出しっぽくなります。)

とにもかくにも実績

実績がとにかく大事。英語力よりも学歴よりもとにかく実績。他のグループの人が見てわかるような実績づくりが大事。アメリカ側チームと一緒に仕事する機会があれば発表や発言でアピールしたり、わかりやすい特許や論文など出せるものがあれば出しておくと良いです。私の場合も、会議で発表してたのを覚えていてくれたアメリカ側のエンジニアが強く推薦してくれて、面接が少なくて済みました。

過去にアメリカ転籍した日本人の方は、知る限りでは全員シニアエンジニア以上の方です。英語は正直カタコトな方もいるので、本当に実績重視だと思います。

受けてみるのみ!

実績はなるべくあったに越したことはないですが、「入社X年目だからまだ無理…」と尻込みする必要はないと思います。実際、私は社会人3年目で転籍します。(英語に全く問題ない場合、実績がそこそこでもチャンスはあると思いますし、逆に英語がカタコトでも実績が沢山あればチャンスがあります。)

結局はどこかでちょうど専門性の合致した空きポジションが出て、ちょうど他に自分より良い応募者がいない、というのでオファーが出るので、運が大事です。また、外資系あるあるで、景気が良いと雇いまくって、景気が悪いと誰も雇わないので、その波に乗るのも重要です。
だから常に空きポジションを確認して、チャンスを掴む用意が大事だと思います。

いろいろ語りましたが、この経験談が誰かの役に立てば嬉しいです🌸

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