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島根原子力発電所

島根にある原子力発電所の展示を見てきました。
原発がめっちゃ好きとかではなくて、自分の知らない技術を学べるのが面白くて良かったです。なんと無料でみれます。

やはり危険な放射線を周りに漏らさないためには、堅牢で厳重な施設で作業される必要があります。そんな原発で使用される分厚い壁や災害にも耐える太い鉄骨など原寸大で展示されているので、放射線が如何にして封じ込められているのかが体感できます。施設全体の縮小模型もあって、原子炉で出来た水蒸気がタービンを回して電気を取り出す様子を俯瞰的に学べました。

燃料はペレット状に固められて細い筒に入れられており、さらに筒を束ねたものを炉内に配置しているそうです。この燃料が核分裂するときにエネルギーが発生し、そのエネルギーによって水が水蒸気となり、タービンを回して電力となるのですね。どうやって核分裂が起きて電力に変えているのか、今までふんわりとしかわかっていなかったので、今回の見学ではかなり解像度が上がりました。

原寸大原子炉模型
原子炉のタイプ、技術の進歩が見られて面白い

また、燃料の濃縮ウランの作成工程や、使用後の燃料の再生方法、廃棄方法なども詳しく説明されていました。燃料はほとんど再利用されるそうで、資源のない日本でも長く使えて燃費が良いみたいです。
それでも廃棄する部分はあって、その場合はガラス固化体として整形したのちに地中深くに埋めて隔離しておくそうです。
また、廃炉となった後の原子炉、建物の廃棄の方法までが説明されていました。汚染具合でレベル分けし、何十年かかけて解体しそれぞれ隔離や再生されていくようです。実際に廃炉が進められた東海村原発の廃材を再利用したベンチが展示されていました。
今稼働している原発も近いうちに寿命が来るだろうし、そのときにちゃんと解体して土地も資源も再生する算段がある、ということが知れて良かったです。

廃棄物の実物大模型。

身近な放射線について紹介するコーナーでは、ゲームやクイズ、映像での紹介などがあって、小さい子も興味を持って遊んでました。放射線測定装置で身の回りのものを測定できたり、ゲームで競ったりと小さい子がめちゃくちゃ遊んでました。
学校でもよくエネルギー問題など調べて発表する機会がありましたが、そういうエネルギー問題を学べたり、興味を持つきっかけになったりするかもなあ。

周りは鉄柵+監視カメラ、関係者入り口には検問もあって、テロへの警戒はすごかったです。

原発、人類の技術が詰まってて面白いです。
危険で管理も難しい不可視の放射線を、人間の生産活動に利用するためにさまざまな研究が行われ、技術を集めてできた施設。そこで働いて大勢の生活を支える人たち。全部がかっこいい。

私はとにかく人間のエゴが好きなんですが、原発は手に余るようなものを技術で押さえ込んでる感じがしてすきです。自然や物理法則を人間の言語に書き起こして、その上でなんとか利用したりコントロールしたり奮闘しているのが本当に素晴らしく好物です。産業遺産とか見るのも好きです。原発も、核分裂や放射線をなんとかして利用してやろうと性質を解明し、管理方法を編み出し利用しているところが本当にいい。

そんな場所でした。おわ

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