見出し画像

対位法⑴〜全音符対旋律


このシリーズでは対位法の中でも、原始的な二声対位法について解説しています。

⑴全音符対旋律 👈
⑵二分音符対旋律
⑶四分音符対旋律
⑷移勢対旋律
⑸華麗対旋律

対位法とは、クラシック音楽の作曲理論の一種で、ある旋律に別の旋律を「良い感じに」つけるための方法論です。

中世から作曲法として使われている対位法は、バロック時代に理論が確立した和声法よりも、古い歴史をもっており、
また多くの音楽大学で、すへての科において和声学は必修科目ですが、対位法は選択科目となっているので、少々ニッチな知識だともいえるでしょう。

この記事では、こちらの洗足学園音楽大学による『地球の旋律線』という演習サイトで、自習・独学ができるようになることを目標としています。
(スマホにも対応していますが、PCの方が操作がしやすいです。)


今回は全音符の定旋律に、全音符の対旋律をつけていく対位法のやり方を学びましょう。
このような対旋律を作曲できるようになります。

全音符(見本)


参考文献はこちらです。



始め方(開始)

上声につける場合、完全1度・5度・8度やそれらの複音程で始めます。
下声につける場合、完全1度・8度やそれらの複音程で始めます。

(定旋律が『ド』から始まる場合、上声なら『ド』か『ソ』の二択で、下声なら『ド』の一択です。)


全音符(始め方)



終わり方(終止)

…上声・下声ともに完全1度・8度やそれらの複音程で終止します。

(定旋律がドならド、レならレで終わらせます。)



音程の規則

①基本的には、定旋律に対して、3度または6度の音程になるように音を配置します。
(ただし、同じ音程を連続して使用できるのは3回が限度です。)

②5度と8度は、反進行の流れの中で使用します。

完全1度(同度)、2度、4度、長7度は使えません。
同じ音を連続させてはいけません(保留不可)。

⑤短調は基本的に自然短音階を用い、終止の際には旋律短音階が使えます。


全音符(音程)



進行のルール

➊対旋律は、基本的に順次進行になるように作曲します。
(跳躍進行を連続的に多用したり、分散和音のような旋律は、歌いにくいので避けましょう。)


➋5度以上の大きな跳躍をした後は、反行させて順次進行させましょう。

全音符(進行)

・5度の跳躍
順次進行ならばさらに同じ方向に進むことが可能。その後は反行。
『ド』→『ソ』→『ラ』→『ソ』

・6度の跳躍
→跳躍の後は、反行する。
『ド』→『ラ』→『ソ』

・7度の跳躍
→短7度は場合により可能。長7度は不可。
『ド』→『レ』→『ミ』

➌全音符対旋律では、8度の跳躍はできません。(二分音符以降はできます。)
また、9度以上の跳躍もできません。

増音程の進行は、現段階ではできません。
(減音程は可能です。)



実践しよう!

こちらの対旋律の作り方を文章にしました。
(定旋律は下声で、上声に対旋律を作っています。)

全音符(地球の旋律線)


①終止を決定します。
・定旋律の終止が『レ』→『ド』なので、対旋律は『シ』→『ド』と決まります。

②開始を決定します。
・定旋律が『ド』→『ソ』と跳躍しているので、対旋律は順次進行させた方が高得点になります。
・『ソ』から開始してしまうと、次の順次進行がどちらとも不協和音になってしまうので、『ド』から開始します。


③2~4小節目を考えます。
ⅰ. 2小節目を『レ』にした場合
→3小節目を『ミ』にすると連続5度になっていまいます。
→3小節目『ド』、4小節目『レ』とすると『ドレドレ』と同じ音型の反復となってしまい、点数が下がってしまいます。

ⅱ. 2小節目を『シ』にした場合
→3小節目『ド』、4小節目『レ』という綺麗なラインが見つかったので、とりあえずこれを採用します。


④5~7小節目を考えます。
・定旋律が下行しているので、対旋律は上行させたいところです。
・上行で順次進行(『ミ』→『ファ』)したところ、6小節めまで良い具合に協和音程になりました。音程と進行の規則と照らし合わせても、間違っている所はありません。
・7小節目の定旋律は『レ』→『ソ』と跳躍しているので、反行で順次進行し『ミ』にしてみました。

⑤8小節目を考えます。
妥協案で『ラ』にしました。
いつの日か全国1位の得点を出したいです…!



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

対位法⑵〜二分音符対旋律 へ続きます♪


さくら舞🌸

サポートお待ちしています♪励みになります🌟