見出し画像

非和声音まとめ

非和声音(ノンコードトーン)にはたくさんの種類と分類法がありますが、
この記事ではよく出てくる7種類にしぼって、わかりやすくまとめています。

また、非和声音の暗黙の演奏のルールや、作曲での使い方も記しています。

①刺繍音②経過音  ←覚えやすいです。
③倚音 ④掛留音      ←演奏の際に重要です。
⑤先取音 ⑥逸音      ←覚えにくいです…
⑦保続音 ←ずっと同じ音です。


2022年10月26日、非和声音の例の画像を追加しました。




①刺繍音 ②経過音

両方とも、順次進行 (”おとなり”) へ移動する非和声音です。

非和声音は、一番近くにある和声音に解決します。
また、次のコードの構成音に向かって解決することもあります。

①刺繍音(ししゅうおん)

例: Cコード上の…ドレド

②経過音(けいかおん)

例: Cコード上の…ドレミ

赤い音符が非和声音です。
前の音に戻ってくるのが刺繍音、そのまま階段上に進むのが経過音です。


非和声音には、演奏上の暗黙のルールがあります。
これを知って実践することで、演奏があか抜けたり、より音楽的な演奏ができるようになります。

【演奏のルール】
刺繍音や経過音など、弱拍にある非和声音を弾く時は、あまり目立たせずに軽く響かせましょう。

【作曲での使い方】
前提として、メロディーは跳躍進行("いっことばし"以上)よりも、順次進行 (”おとなり”)の方が歌いやすいです。

よって刺繍音と経過音は、和音構成音(コード)の間を埋め、メロディーを順次進行にして歌いやすくするために使われています。

③倚音 ④掛留音

倚音(いおん)は強拍上にあり、掛留音は弱拍と強拍がタイで結ばれたものです。

③倚音(いおん)
   
appoggiatura (app.)

例:Cコード上の…レ→ド

【演奏のルール】
強拍の非和声音である倚音には、常にアクセントをつけます。

倚音による非和声音の「ストレス」から和声音に解決する「安心感や心地良さ」という一連の流れを意識するだけで、演奏がそれっぽくなります。

音量はディミナエンド、音色としては固→柔、というのが一般的です。

【作曲での使い方】
倚音は強拍にある非和声音なので、印象的で目立ちます。
他と比べて際立たせたい言葉だったり、その曲のキーワードを当てはめることで、音楽と歌詞の性格がマッチするでしょう。


④掛留音(けいりゅうおん)
   
suspension (sus.)

例:Gコード→Cコードで伸びているレ(そしてドへ)

アクセントが非和声音にあるため、拍が前にずれたようになります。
これを移勢といいます。
(ちなみに二声対位法では、ずっと2分音符の掛留音で作曲していく「移勢対旋律」という学習パートがあります。)

【演奏のルール】
掛留音は倚音と同じく、後に続く和音を丁寧に鳴らしましょう。

【作曲での使い方】
こちらも倚音と同じく、歌詞にはその曲のキーワードを当てはめると良いでしょう。掛留音は倚音より拍が長い分、強烈な印象になるかもしれません。


⑤先取音 ⑥逸音

⑤先取音(せんしゅおん)
   
anticipation (ant.)

例:Gコード上のド(そしてCコードへ)

先取音(せんしゅおん)は、前もって次のコードの音を先取りする非和声音です。

【演奏のルール】
刺繍音や経過音と同じく、弱拍にあるので、あまり目立たせず軽く響かせて弾きます。

【作曲での使い方】
歌詞の語呂合わせだったり、高低アクセントの調整のために使われます。

(高低アクセントとは、日本語などに特有のアクセントのことで、
例えば「箸」や「雨」は↘️下方向、「橋」や「飴」は↗️上方向です。
つまり「箸」や「雨」は「ドシ」、「橋」や「飴」は「ドレ」とした方が、より自然な音楽に聞こえるということですね。

⑥逸音(いつおん)
   
echappe (ech.)

例:Gコード→Cコード上での レミ→ドのミ

逸音は、フランス語ではエシャペ (échappée)といいます。2度→3度というように進行します。

【作曲での使い方】
先取音と同じく、歌詞の語呂合わせだったり、高低アクセントの調整のために使われます。


 

⑦保続音

⑦保続音(ほぞくおん)

和音が変化していく中、バスで伸ばし続けられる音のことです。
パイプオルガンのペダル鍵盤で用いられたのが始まりとされ、オルゲル・プンクトやペダル・トーンともいいます。


★保続音が属音か主音かで、音楽上その部分の性格が異なります。

属音「不安定である」というのを念頭に置いて弾く。
主音 コーダ部や後奏に多い。その部分の音楽の性格は「安定している」。


★また時代によっても、保続音の弾き方が異なります。

【バッハの時代まで 】
クライマックス感を高めるために使われているため、やや強調して弾きます。


【古典派以降 】
不安定さや消極性を表しています。音色は柔らかめに響かせましょう。



最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます!

もしお時間があれば他の記事もご覧になっていってくださいね😆✨

さくら舞🌸

サポートお待ちしています♪励みになります🌟