1億円以上貢がせた、天才詐欺師木島佳苗の手口


2010年、1億円を婚活サイトで出会った男たちに貢がせ、その男らを殺害されたとして逮捕された女がいました

木嶋佳苗、当時37歳


この事件は当時騒然となりました。
その理由は、木嶋佳苗がとんでもないデブスだったからです


かなり太っていたのでネットでは「力士工」と揶揄されていました。


若い美人ならともかく、太った不美人なおばさんに騙された事がみっともないので警察に名乗り出なかった男も多くいたと推定され
貢がせた人数は300人以上、総額1億4000万円以上と言われています

佳苗は男とネットで知り合ったわずか10日後に470万円を受け取ったこともありました

なぜ容姿が悪いうえに若くない女に男たちは大金を貢ぎ
なぜ木嶋佳苗は男たちに大金を貢がせることができたのか


私は、木嶋佳苗は若くない、太った不美人だったからこそ、逆にこれだけの金額を男から貢がせることができたのだと思っています


木嶋佳苗のターゲット


佳苗は婚活サイトでターゲットになる男を探していました


佳苗のターゲットは40代以上です。

被害にあった人は

・40代になっても母親からお泊りデートの前に下着から靴下まで選んで用意してもらっているおじさん
・古臭く、不潔な家に住むおじさん
・70歳の老人


など共通するのは本当にモテない、モテてきたことがない、女性は近づきもしない、もう後がない、結婚したくてもできない、寂しい人・・・といった人たちでした


木嶋佳苗の偽りのプロフィール


本当の佳苗は

父は大学の職員 母はピアノ講師
東洋大学中退(東洋大学は東京の中堅くらいの派手さはない平凡な大学です)
その後はソープでしばらく働いたのちに婚活詐欺などをしていたようです。つまり無職。


それを佳苗は

父親は東京大学の教授 母親は皇后の雅子様の実家小和田家の出身で家政婦が身の回りのことをして財布を持ったことがないお嬢様
フェリス卒

などと言っていました


仕事などは男性によって設定を変えていました
・フードコーディネーターとピアノ講師
・介護の仕事をしていて料理教室を開くために料理教室に通っている
・国立の音大を首席で卒業している。ボストンの大学に音楽留学をする、ヤマハで就職先が決まっている

結婚をするのに魅力的なお嬢様設定になっていますね。
とても上手いブランディング。
希少価値が高い人材です。


これでもし美人だったり並の容姿だと何で今まで結婚してなかったんだとかなり怪しいですが
佳苗は究極にデブスなので納得してしまいます。

このバランスはとても絶妙です。


木嶋佳苗の手口

佳苗は「料理上手」「(男の親の)介護ができる」「芸術的なセンスや教養もある」「お嬢様」という
男にとって非常に都合がよく、男の理想と夢をこれでもかとつめこんだプロフィールを作り上げました


佳苗が逮捕される直前にターゲットになっていた男性は佳苗は料理が上手く、家事ができるし、何よりも親の介護までできるのがポイントが高く
だからデブスでもまぁ仕方ないかな、と思っていた
と語っています。
何も言わなくてもお茶が出てきた事に喜んでいる男もいました。


女のことをタダ働きさせることができる家政婦か何かだと思ってますね。

さえないおじさんなのに、どこから目線で言っているのか謎ですが
でもモテないうえに昭和を生きているおじさんの価値観ってこんな感じなんですよね。


次に、サイト上では
「遊び友達をお探しの方はご遠慮ください。おいしい手料理で愛情を示したいと思います。本当に運命の人に出会えたら電撃的な結婚も」
「私はサイトで遊び相手や恋人を探しているのではなく、旦那様を探しているということもありどうしてもどの相手との生活を考えてしまいます」

まじめに結婚相手を探すために婚活サイトを利用していることを明確にしています。


そして
「男女のお付き合いですから肉体関係の相性もあります。本気で思ってくださるなら交際期間中でも避妊しなくても構いません」


「男女のことなので、もう一つ伝えておきたいことは肉体関係のことです。私はお付き合いしていて長い時間がたたないとそういう関係になってはいけないという思いはありません
お互いに好意があるのなら長く交際しなくても早い時間にそうなることは不自然でないと考えています」


と、体の関係を最初から匂わせています。


デブスとやりたいと思うのか・・・?と疑問に思う人もいるでしょう
モテないおじさんにとって、無料で避妊なしででき自分を愛してくれるうえに家事も介護もしてくれる献身的な女の人・・・


ビッチではないけれども、自分にだけは性に奔放という男性向けの漫画によくありそうな設定
これも男の理想ですね
本当に都合が良すぎます

この男にとっての都合の良さがモテないおじさんに価値を感じさせたのです



実際に男と会った時の木嶋佳苗


「純朴で自分の話を聞いてくれた」
「ぼろぼろの財布を見て堅実な方とほめてくれた」
「育ちが良さそうで、話しを笑顔で楽しそうに笑ってくれた」
「料理が上手で、からあげの味が今でも忘れられない」


これは、佳苗にあった男たちの佳苗の印象です

つまんない話を楽しそうに聞いて笑ってあげる
ボロボロの財布を持つ男の「価値観」を褒めてあげる


こんなこと、高額時給を貰ってるキャバ嬢くらいしかしてあげないですよね
何も持っていないおじさんの外見や持ち物ではなく、堅実だという価値観を認めてあげるのはプロの技です


今までの人生でモテてこなかったおじさん達はこれだけでもぐっときてしまうと思います


木嶋佳苗が男からお金を貢がせた手口


佳苗は男たちにこう言っています。

「私は現在学生です。結婚を前提に学生生活を応援してくれる人を探しています。」


美人や普通の容姿の人が同じことをすると本当に詐欺にしか見えないうさん臭い人になります

佳苗は、若くないかなり太った不美人だったので「男たちはこの外見や年齢だから」と信用してしまったのです。


佳苗はじわじわと迫るのではなく早い段階から、男たちに条件を突き付けていました。

「料理学校に通うので学費が必要」
「現在留学中で、留学のための学費が必要」
「お付き合いの条件は経済的な支援」
「結婚の可能性もある」

と言ってました。


佳苗は実際に代官山にあるコンドンブルーという3か月で70万円の高額な学費がかかる料理学校に通っていました。


人にお金を使ってもらうには、単にお金が欲しい・・・!というと出し渋りますが
どういうわけか「夢のため」「やりたいことを叶えるため」と言うと、あっさり出しやすくなります。

夢なら応援したいと思わせられるんですね!


さらに佳苗は「教育ローンも申し込んだ」など、他人任せではなく自分でもお金を何とかしようとしているようにも見せかけているので
それも男たちにお金を出させやすくしています。


ちなみに、エヴァンゲリオンの主題歌の「残酷な天使のテーゼ」を作詞している及川眠子さんという方は18歳年下のトルコ人男性に3億円を貢いでしまっていますが
そのトルコ人男性も「やりたい事業があるんだ」と言って何度も何度もお金を出させて、事業は失敗した事にして実際は事業なんかやらずに美女と豪遊をしています。


木嶋佳苗のクロージング方法


「私のためにどれだけのことをしてくださるのかが愛情の証です。学費を立て替えられないというのなら私への愛情や誠意がないと判断するしかないと思います」

と佳苗は男たちにとどめのクロージングをしています。


愛情を示すならば夢を理由にお金を出せと上手く切り出し
お金を出せないのなら、男たちにとってここまで都合のいい理想的な結婚相手との未来がなくなる・・・


モテないおじさんたちにとって佳苗のような都合のいい女性は二度と現れないでしょう
一生独身で親の介護をしながらコンビニ弁当でも食べながらさみしい人生になる可能性が高いです

こういった心理が働き、男たちは「結婚をするならば佳苗の夢を応援したい」と考えていたそうです。


木嶋佳苗の裁判


何人も人を殺してしまった佳苗はもちろん許されるべきではないです
でも、検事や裁判官もかなり酷かったです

佳苗は亡くなった男たちの事を
「お風呂のカビが不潔だった」
「スーツが古臭かった」


と言っています


それに対して検事は
「あなたが掃除をすればいいだけの話では?」
「よし!それではオシャレなスーツを選んで着せてあげよう!と思わなかったのか?」と質問をします

佳苗は「思いません」とさらりと答えました。

すると、検事だけでなく裁判官も怒りの声をあげます。

殺人の罪を問うだけではなく、佳苗が男にとって都合のいい女でいなかった事を非難したのでした。


この事件は、佳苗が太っていて不美人だったから騙さないだろう
男にとってとても都合が良い存在
男の下心をとても巧みに利用した事件だったと思います


「毒婦。」という木嶋佳苗についての書籍にはこう書かれています

女はとっくに白馬の王子なんて、この国にいないことを知っているというのに
それなのに、男は婚活サイトというシビアな市場を利用しながらも
のんきにカボチャの馬車に乗った姫が自分の目の前に現れるとでも思っているの?
お姫様にあげるガラスの靴すら持っていないというのに。


男たちは、婚活サイトで自分にとって都合がいい理想の女性を高望みし、自分は変わろうとしない・努力も何もしないで待ち続けていました
そういった男たちがターゲットになった事件なのでした

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