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自分らしさを文字にすること

一年間、文章の達人に弟子入りして学び続けた”文章を書くこと”
”自分の心を文字おこす”というほうが正確には正しいかもしれない。

★感想文を書く体験でスタート★
「夏休みの宿題については書き留めましたか?」と国語の先生の声が響き渡る。本を読んだ感想文の時期がやってきた。当時、私は小学生。
本を読むのは好きだったので、課題となるタイトルを聞くとワクワクする。

ただし、読んだ後のアウトプットが私の課題だ。読んだ感想を書けばいいだけなのだが、文字にならない。思考が回り始める。「正しく書こう」「良い点をつけてもらおう」。本を読んで、へーとか、そうなんだという感動をただ文字に起こせばいいだけのはずなのに。
結局、夏休みの終わりギリギリに書く。読み返すこともなく先生に出す、毎年の繰り返しだった。

★文章書きの再スタート★
それから歳月は流れた。仕事では文字を書き起こすことはなかった。でも世の中の風潮が私の文字起こしの気持ちを掻き立てた。インターネットの普及でブログをはじめとして音声や動画など、自分のことをアウトプットすることが一般的になり始める。

私の心の中にはいつか文字を書きたい気持ちが芽生え始めた。
オンラインスクールで文章を練習する機会が現れた。それが師匠との出会いだ。アウトプットをすればいい、それだけが私の心に響いた。

数年後、師匠ご自身がアカデミーを開講することになった。文章を書く、アウトプットすることへの再挑戦だ。

★私しか書けないことは何だ??★
一番最初の課題は「猫と犬について」

猫と言えばニャーだし、犬はワン
私が知っている限りの中で猫と犬の違いをただ文章にした。

課題を出した後に、「当たり前のことは誰でも書ける、大切なのは、自分にしか書けないことをアウトプットすること」と師匠は言う。「一年後にこのタイトルでもう一度書いてみましょう。変化がわかるはず」と言葉が続いた。

私しか書けないことを理解しようとすればするほど頭の中にはこんがらがった。

でも毎回毎回の課題と奮闘しながらでもベビーステップで文字にするのが面白くなっていった。


★猫と犬の同居から★
一年後、偶然にも猫と犬と数日間同居することになる。
暮らして観察してみると、今まで私には気が付かなかったたくさんのことを知るきっかけとなる。そして一番大きな気づきは猫がマインドフルネスに生きているということだった。

★観察した結果に猫も好きになる★
私は大の犬好きなのでよくわかっているつもりだったが、猫は嫌いだった。
でも観察し始めると猫は、謙虚だということを感じた。いつもマイペースでありながら一人で何でもやる姿がけな気。猫も何となく好きになり始めた。

【僕はマインドフルネスに生きると決めた猫】
家族みんながいなくなったと思ったから広い家を独り占めできるかと思った。でも時々遊びに来る人間が突然訪れた。家族はどこに行った?僕はこれから何が起こるのか全く想像できなかった。
 
僕は、この家に住んでいる猫、パパとママそして子供たち二人と一匹の犬と一緒に住んでいる。マインドフルネスに生きることが幸せなのである。ママがご飯とお水をボールに入れてくれる。朝ご飯を食べたら、二階に行く。ママの洋服がいっぱい入っている洋服ダンスが僕の寝床である。誰にも邪魔されず静かで、家族が出かけている間、僕はここでずうっと眠る。みんなが帰ってきてしばらくすると僕の夕飯の時間だ。ママは機嫌が良い時は夕食に大好物の鮭をくれる。ご飯を食べたら、僕専用の小窓から外へ出る。一晩中外で見張りをするのが僕の仕事なのだ。
 
ある日のこと、いつものように家族が出ていった後に、知らない人がやってきた。いや、まったく知らないわけではない。時々、この家に来てママとよく話をしている女性だ。
その人は「今日から数日よろしくね」と僕に行った。
同居人の犬は、なんだかわからないけど嬉しいみたいだ。僕は、別に・・・誰が来ても変わらない。ご飯を食べさせてくれればそれでいいのだ。その日の夕食に鮭を出してくれたから僕は嬉しかった。
僕とその女性と犬の同居が始まった。家族が出ていった家の中は静かだから、僕は一階のリビングルームのソファーに体を丸めた。窓から入る太陽の光が僕の体を暖めてくれる。
犬は何を興奮しているのだろう。部屋のあちらこちらを走り回る。しかも自分のご飯があるのに、僕の器からご飯を食べている。でも僕は怒らない。ご飯がなくなれば、また新しく入れてもらえるから心配ない。
僕が静かに時を過ごしているのに比べ、犬はいつもなんだかソワソワしている。パパが作ってくれた小窓からトイレを言い訳に外に出て同居人の女性が追いかける。彼女はたいへんな仕事を受けてしまったみたいだ。僕は少し助けたい気持ちにもなったがそれは辞めておこうと思った。だって、犬が僕を怖がるから。もし僕が女性と一緒に犬を追いかければ彼はますます速足で遠くへ逃げていく。でも僕は知っている、犬がなぜ走っていくのか。鼻のよい彼は、パパやママを追いかけていって今すぐにでも会いたいのだ。
どこに行ったかもわからないし、女性が最初に数日よろしくと言っていたからパパとママに会えないのは、そんなに長い間ではないことくらい僕にでもわかっている。
外に行くのにトイレを言い訳にしなくてもいいのに、と僕は思った。結局、犬専用の小窓は閉められ、犬のトイレは部屋の中となる。やった後に、女性がモップで床を拭いている。
 
数日間があっという間に過ぎた。パパとママと子供たちが帰ってきた。犬は大喜びである。
僕は・・・ちょっぴり嬉しいけど、でも変わらない。誰がこの家にいても、僕は朝ごはんを食べたら、日向ぼっこをして夜になったらまたご飯を食べる。そして夜には、小窓から外にでて一晩家の見張りをする。
周りで何が起きても僕は変わらない。マインドフルネスに生きることが僕の大好きな静かな時間なのだ。


一年間に文章は24、数は多くないが、自分らしさの文章を少しでも書けるようになったのは私の大きな収穫だった。

自分を受容できるようになったマインドフルネススキルを皆さんにシェアして社会に貢献していきたいです。これから色々なことを発信していこうと思います。サポートは、これらの発信活動と学びに使わせていただきます。