sakurabakazuki

旧約聖書や美術史の勉強用メモとして始め、最近は主に漢詩の勉強

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最近の記事

「漢詩」構成がテーマに奉仕する

「漢詩の話」 わたしはもともと、「構成」が「テーマを内包」している物語が好きです。 構成が凝っていることそのものが目的のお話ではなく。 テーマを伝えるために、構成を利用している小説や映画。 例えば映画『ペパーミント・キャンディ』は、時間の流れを逆にして、映画の進行と共に過去に遡ります。 主人公が、ある政治的事件に巻き込まれたことが原因で人格が悪いほうに変わったという「テーマ」を伝えるために、あえて時間を遡る「構成」にしています。 わたしはこのアイデアに感銘を受けて、小説『

    • 「花开忘忧」の歌詞2

      【花开忘忧 (花が咲き憂いを忘れる) 】 [歌詞] 巷子口買了花 
穿過沿街紅牆青瓦 
夕陽慢慢親吻著我的白髮 
推開舊木門回到家 
把時光都燉香 
而你只是笑不說話 
一件遺憾的事就喝一碗湯 
庭院深深秋葉飄落 
我們蒼老的時候就回到小時候 
采青梅用來釀酒你不許偷著喝 
穿樸素的衣裳牽著那衣袖 
撿了小貓名為蒼狗 
我們睡去的時候像孩子無憂愁 
反正也很難上鎖這歲月如小偷 
若記憶被偷走了忘了我的愛 
我會說你好啊 
這是給你的花 
花的名字叫忘憂草 
它說時光洶湧如水

      • 中国の詩、「同水部張員外籍曲江春遊寄白二十二舎人」韓愈

        詩🌸 「同水部張員外籍曲江春遊寄白二十二舎人」韓愈 漠漠轻阴晚自开,青天白日映楼台。曲江水满花千树,有底忙时不肯来。 解説🌿 淡淡的阴云薄雾迟些时便四散开,万里青天白日朗朗映照着楼台。 曲江上春水弥漫两岸繁花千树,你有什么事那么忙啊一直不肯来? 意味⛅️ 最初の3行は、雨が上がって、青空が出て、楼台が輝いている。花がたくさん咲いて、千本の木が揺れている…という風景の美しい変化を描いているのかな。 4行目で転換し、君は忙しいから来ないの? と質問しているのかな。 友人の詩人

        • 中国の詩、「寄黄幾復」黄庭堅

          【寄黄幾復】黄庭堅 我居北海君南海 寄雁傅書謝不能 桃季春風一杯酒 江水夜雨十年灯 持家但有四立壁 治病不薪三折肱 想得讀書頭己白 隔渓猿哭瘴渓藤 [わたしの訳] 僕は北海(山東省徳平鎮)、君は南海(広東省四会市) 雁に手紙を託そうとしたら無理だと断られた(雁は北に飛ぶため) 桃の花が咲き、春の風が吹き、お酒を飲み交わした過去よ 漂泊の地で、雨の夜、灯火を前に君との十年の別離を思う 家はあるが、壁に囲まれているだけで、貧しい暮らしだ 君も能力は優れているというのになぁ 思う

        「漢詩」構成がテーマに奉仕する

          中国の詩、「予以事繁御史〜」蘇軾

          何ヶ月も、毎日、歌を聴き続けて、聴いていない時もエアで耳元で声が再現されてしまうようになってしまった。今このときもスカボローフェアが聴こえてる。動画再生してないのに。やめて、あーゆーごーいんぐとぅーすかーぼろーふぇあーって言わないで。 ずっと歌声が聴こえてる。 依存症かも? 麻薬? これ〝大麻み〟があるかも? 漢詩を読むと心が楽になると気づいて、仕事も兼ねて読んでいます。 つまらない詩だとまったく効果がない。 昨夜、李煜を読んだら、心が楽になって、眠れたので、ほらなー、本

          中国の詩、「予以事繁御史〜」蘇軾

          中国の詩、「浪淘沙」李煜

          推しわずらいで倒れて(物理的にほんとに)いますが、漢詩の予習はしないと間に合わないので、してます。オタの比喩表現「待って、無理、しんどい」じゃなくて現実として体調悪い。ばかなの? ほんと無理、可愛いは加害(錯乱)ハート泥棒は銃刀法違反軽犯罪🚔 推しの記憶を魂から消したい、楽になりたい。11月18日にタイムトラベルして自分の手からスマホをむりやり取り上げる。「いいか、誰のファンにもなってはダメだ、おまえはすげーばかなんだから」 【浪淘沙】李煜 簾外雨潺潺 春意闌珊 羅衾不耐五

          中国の詩、「浪淘沙」李煜

          【漢詩教室】第一回

          【漢詩教室のメモ】一回目。3/14。 全3回の漢詩教室に参加しています。 習ったことを忘れないように、メモを残しておきます。 ●漢詩と和歌の違いは? いまやっている大河ドラマ「光る君へ」(源氏物語の作者の紫式部が主人公)の中で、漢詩と和歌の違いについて話すシーンがあったとのことで、そのセリフの紹介から始まりました。 「和歌は、人の心を、見るもの、聞くものに託して、言葉で表す」「漢詩は、志を言葉で表す」 和歌は、まず伝えたい心があって、それを風景や音などで表現する。漢詩

          【漢詩教室】第一回

          【漢詩】いろいろ

          【宿建徳江】孟浩然 移舟泊煙渚 日暮客愁新 野曠天低樹 江清月近人 「天低樹」からの「月近人」… 高いはずの天が枝越しに低く感じられ、遠いはずの月は水に映って近い。一人旅をしているのかな? 孤独が作者の魂を世界の秘密に肉薄させていくところ…かもしれない(違うかもしれない)。 【芙蓉楼送辛漸】王昌齢 寒雨連江夜入呉 平明送客楚山狐 洛陽親友如相問 一片氷心在玉壺 一行目が「寒い雨」で寒々しく始まって、最後の行で「氷の心」が玉の壺にカランッ…と冷たい音を立てて落ちていく。一

          【漢詩】いろいろ

          【漢詩】白居易

          【漢詩】白居易 漢詩に興味があると編集者さんにお話ししていたところ、来月漢詩に関わるお仕事をいただきました。しかしまだ詳しくないので、予習しています…。 別のSNSに書いたことをこちらにまとめています。 まず白居易という詩人について。 【春中輿盧四周諒華陽覲同居】白居易 性情懶慢好相親 門巷肅條稱作鄰 背燭共憐深夜月 踏花同惜少年春 杏壇住僻雖宜病 芸閣官微不救貪 文行如君尚憔悴 不知霄漢待何人 「春、盧周諒(友人)と華陽観(下宿?)に住んでいる」 [どちらもズボラな性

          【漢詩】白居易

          〈襟裳岬〉日本語版、中国語版のこと

          「襟裳岬」の日本語版は、子供のころテレビでよく流れていました。男性歌手が苦しそうに辛そうに歌う。 歌詞は「理不尽なことを我慢する」「黙ってひたすら働く」「そのうち本当の気持ちを言葉にすることもできなくなる」という意味だとわたしは思っていました。 サビの、 「襟裳の春は何もない春です」 は、「男にとって我慢が美徳であった日本のある時代」を表してるように感じていました。「これが日本の男の生き方だ」と。 1970~80年代の高度経済成長がバブルに至る前の歌です。このころ、俳優の高

          〈襟裳岬〉日本語版、中国語版のこと

          〈微风细雨〉の歌詞

          中国語の単語を覚えつつありますが、わたしはわかる単語をパズルのように組み合わせ、読もうとしているようです。 文法はわからないから、ときどき読めた気はするが、書けない。 どんなふうに読んでいるかというと、たとえば「微风细雨」の歌詞は、 微风(風) 吹着(吹く) 浮云(浮かぶ雲) 細雨 慢慢(ゆっくり)飘落(落下) 大地 淋着(びっしょり濡れる)我 淋着 你(あなた) 淋得 世界 充满 诗意(詩心) 微风(風)伴着(伴う)細雨 像我(私のような)伴着 可爱的你(可愛いあなた)

          〈微风细雨〉の歌詞

          〈如愿〉の歌詞

          「如愿」がとても好きです。 歌唱も素晴らしく、歌詞も心に響きます。 まず、中国で歌詞の一番を聞いて、機械翻訳したとき、 「これは子供の頃の思い出の歌かな。小さな子供が親と歩いてて、守られてて安心してる。でも大人になった今では、その親はもういないのかな。愛された記憶があるから、未来に向かって歩いていける、と考えている」 と解釈しました。 次に、日本でフルバージョンの歌唱が聞けること、日本語訳もついていることに気づきました。 二番の歌詞も読むと、イメージが変わりました。もっと

          〈如愿〉の歌詞

          〈可愛い仕草コレクション〉、声(voice)

          〈可愛い仕草コレクション〉 【路辺的野花不要釆】 緑や青の横縞のベストを着て歌っているバージョン。姑娘度100の女の子の声で「綺麗な人はたくさんいるけどむやみに口説いてはダメよ」と歌います。そのあと短い台詞「口説くの皆さん?」だけ男性の声で言う…。声が変幻自在…〝急に男性の声〟は、どきっとしてとてもよいです… 【有谁共鸣】2022.5.10 【有星之恋】2022.5.12 【儚きは】2022.5.15 【猫咪森林】2022.5.18 ラジオ収録の動画。ずっと利発で明るく

          〈可愛い仕草コレクション〉、声(voice)

          〈花开忘忧〉の歌詞

          【花开忘忧 (花が咲き憂いを忘れる) 】2023.11.8 これはとても好きな歌です。歌詞のことをときどき考えます。 添翼さんがのせてくれている歌詞の翻訳です。 路地口で花を買った 通り沿いの赤い壁と青い瓦を通り抜ける 夕陽が私の白髪にゆっくりとキスをします 古い木製のドアを開けて家に帰る 時間の香を煮込む そして、あなたはただ笑って話しません 残念なことにスープを一杯飲む 庭深く紅葉舞い落ちる 私たちが年をとったとき子供の頃に戻る 酒を造るために青梅を採る こっそり飲ん

          〈花开忘忧〉の歌詞

          川端康成『雪国』が駒子と葉子の百合に思えてならない

          Xのほうにも書いたのですが。 昨夜、雪なので久しぶりに川端康成『雪国』を読み返してました。いま読むと、駒子と葉子の女性どうしのドラマのほうが気になってならなかったです。 以下、二人の部分のみのあらすじです。 (記憶で書いているので、ちょっとちがってたらすみません) 駒子には幼なじみの男がいた。彼の母親が駒子の長唄?の先生だった。 先生は息子と駒子が結婚するのを密かに望んでいたが、息子と駒子にはそのつもりがなかった。 やがて幼なじみが肺病になる。 駒子は彼の治療費を捻出する

          川端康成『雪国』が駒子と葉子の百合に思えてならない

          〈衣装コレクション〉、ラブソングの聴き方

          〈衣装コレクション〉 甜蜜翼さんはお洒落です。常に美意識を感じます。 緑毛衣はディヴィッド・ホックニーの絵画の色のようです。ホックニーの他の作品、特にカラフルな人物画も思い出し、二人の感性が似ているように感じました。 以下は、わたしがとくに好きな衣装をただただ書き綴る文章です。 「緑の服」 綺麗な緑のロングコート 大学コンサートの時の緑のショート丈のジャケット 緑の半袖Tシャツ 布の裁断が凝っている襟付きの緑のシャツ NIKEのエメラルドグリーンのフェイクファーのアウター

          〈衣装コレクション〉、ラブソングの聴き方