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中国の詩、「寄黄幾復」黄庭堅



【寄黄幾復】黄庭堅
我居北海君南海
寄雁傅書謝不能
桃季春風一杯酒
江水夜雨十年灯
持家但有四立壁
治病不薪三折肱
想得讀書頭己白
隔渓猿哭瘴渓藤

[わたしの訳]
僕は北海(山東省徳平鎮)、君は南海(広東省四会市)
雁に手紙を託そうとしたら無理だと断られた(雁は北に飛ぶため)
桃の花が咲き、春の風が吹き、お酒を飲み交わした過去よ
漂泊の地で、雨の夜、灯火を前に君との十年の別離を思う
家はあるが、壁に囲まれているだけで、貧しい暮らしだ
君も能力は優れているというのになぁ
思うに君は読書を続けて髪はもう真っ白だろう
渓流の向こうで猿が鳴き、熱帯の谷には藤の花が咲いているのだろう

友達の黄介と、北と南に左遷されて会えなくなって十年。友を思う歌。…そろそろ気づいてきたのですが、男性どうしが、会えない友や兄弟を思う歌が好きみたい? 感情が現代でもわかりやすいのかな。

この人も宋の詩人。
解説によると、唐は情の文学、宋は知の文学であるらしいです。
唐の時代の叙事性が遠ざかり、宋では詩は散文に近づいた。そして詞(歌う詩)が登場する。
わたしが漢詩教室で習った、平伏?とか、文法の決まりごとのある作り方は、この宋の詞のことだったのかな?(あやふや)

続けて宋の詩を読むか、とても良いと思った李煜に特化して読むか、迷っています。

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