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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第26番 ラメンタチオーネ (Sinfonia No.26 "Lamentazione", 1768)

交響曲第26番は、自筆譜は残っていないものの、1768年ころの作曲であると考えられています。1767年ころ以降は、ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク、嵐と衝動)」時代と呼ばれ、ハイドンさんの作風にロマンの風が起こってきた時代です。短調で始まる交響曲は、初出ではないでしょうか。

この交響曲には「ラメンタチオーネ」という愛称が付けられていますが、現存最古の筆写譜に「受難と哀歌」(assio et Lamentatio)と記されているそうです。第1楽章と第2楽章にマルコ福音書に基づくグレゴリオ聖歌受難劇でよく使われていた音楽を引用しているそうですが、筆者の力不足でその音楽を探せませんでした。引き続き探してみますのでご容赦ください。

交響曲第26番ニ短調「ラメンタチオーネ(悲しみ)」(Sinfonia No.26 d moll "Lamentazione" Hob.I:26)
第1楽章 Allegro assai con spirito 調性は違いますが、モーツァルトの第25番の少ト短調交響曲第1楽章のヒントになったのではないかと思わせる曲調です。「疾風怒濤」にふさわしい音楽です。
第2楽章 Adagio テーマはエレミアの哀歌だそうです。第45番「告別」や第80番でも使われているメロディーだということです。
第3楽章 Menuet & Trio 強弱が刺激的な楽章です。アクセントが印象的なんですが、終わりはこっそりです。

バーゼルのハイドン生誕300周年企画、バーゼル室内管弦楽団による演奏です。

ソプラノ歌手のバーバラ・ハンニガン(Barbara Hannigan)さんがロンドン・シンフォニーを指揮した第2楽章です。

noteでも「Walk Into Siena」さんがこの曲を紹介されていますので、ご覧ください。

(by R)

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