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本日の一曲 vol.172 ラフマニノフ 楽興の時 Op.16 (Rachmaninov: Six moments musicaux Op.16, 1896)

「本日の一曲」でラフマニノフさんの作品を取り上げるのは4回目になります。ラフマニノフさんの作品は、だいたい3つの時期に分けられると思います。まず、(Ⅰ)モスクワ音楽院時代から卒業、作曲家としてデビューした時期、(Ⅱ)交響曲第1番の大失敗からうつ病になり、病気を克服するまでの時期、(Ⅲ)アメリカに渡ってからの時期の3つです。

本日ご紹介する「楽興の時」は、うつ病になるきっかけとなる交響曲第1番の作曲中に作曲されたものです。ラフマニノフさんが列車に乗ったとき、お金を盗まれてしまい、お金に困ったことから作曲されたというエピソードがあります。

「楽興の時」というタイトルからして、シューベルトさんへのオマージュであり、作品の内容は、シューベルト、ショパン、リストなどの曲風にラフマニノフさんの味付けを加えたものといってよいかと思います。6つの楽章から構成されており、一言でそれぞれの雰囲気を申し上げますと、第1曲がエレジー風、第2曲が練習曲風、第3曲が葬送行進曲風、第4曲がショパンの革命風、第5曲が舟歌風、第6曲がヴィルトゥオーゾ風となっています。

演奏は、ロシアのピアニスト、アレクサンダー・ギンジンさんがブリリアント・レーベルに録音したものです。この録音には、ラフマニノフさんの編曲ものが収録されており、バッハのヴァイオリン無伴奏パルティータやクライスラーの愛の悲しみや愛の喜びなどのヴァイオリン曲の編曲がありますので、耳を傾けてみてください。

弊社が主催する本年2月4日のSAKURA JAPAN MUSIC COMPETITION 2023 ピアノ部門 東京大会上位入賞者によるガラ・コンサートで後上しえるさんが第5曲と第6曲を演奏しますので、ぜひお越しください!

《「楽興の時」第5曲》

《「楽興の時」第6曲》

(by R)

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