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カウンセラーに豆腐メンタルを改善する方法を聞いてみた ーnote創作大賞2023 #エッセイ部門 応募記事ー

タイトル通りだ。私の目下の課題である。
豆腐メンタルな人間は、兎にも角にもネガティブで打たれ弱い。
私の場合、躁鬱病を患ってるせいが大きいんだろうけど、事情はどうあれ生きにくくて仕方無い。
いやいや、豆腐メンタルってだけでそんなに生きづらいの? と、思う人もいるかもしれないが、私は迷子になっただけで生きるのに向いてない! と、パニックになり泣きそうになる。
冷静に考えたらそんなことでパニックになる必要も人生についてまで考える必要も無いのに、少しのトラブルで、「あー!もう駄目だー!」となる。
もう本気で生き辛くて仕方無い。
自分に対していい加減にしてほしいと言いたくなる。
そして、自分から自分にそんなことを言われると矢張り悲しい気持ちになる豆腐メンタルなのだ。
なので! いい加減、少しくらい改善策を調べたり考えることにした。
だって、豆腐メンタルが良くなれば今より生きやすくなる!

まず、豆腐メンタルあるあるなのが、相手はアドバイスのつもりで言ったことを、「怒られた」と事実を捻じ曲げてしまう点だ。
アドバイス以外にも、叱られることもある。
叱ると怒るを混合している人が多いが、豆腐メンタルな人間はアドバイスも叱られたことも、高確率で怒られたと変換する。
自分で言ってて嫌になるけど、現実を歪曲して受け入れている状態だ。
私は過去に上司と話し合いをした際に泣いたことがある。
その上司は割とすぐ怒鳴るタイプなのだが、私には怒鳴らなかった。
だから、上司も私が泣いたことに驚いていた。
このとき、私が何故泣いたかというと病気のせいで欠勤が増えていたことによる自己嫌悪からだ。
でも、上司は怒っていなかった。
それでも勝手に泣く。
なんて面倒なんだ。

さて。中には、「歳を取れば図太くなるわよ!」と言ってくれる人もいる。
違うんだよ、歳取ったらとかじゃなくて今すぐこの豆腐メンタルを何とかしたいんすよ!!!!!
歳取るの待ってたらその前に自害しかねんわ!!!!!
今!NOW!ナウ!すぐに!はよ!早くして!
これなんだ、私達豆腐メンタルの本心は!
確かに、年齢が上がるに連れ鬱病等は寛解していくと聞く。
実際、高齢者の自殺なんて聞いたこともない。
でもね!でもよ!私達は未来の話ではなく今の話をしてるんだ!
今すぐ!この豆腐メンタルを!何とかしてくれ!!!!!
サイトを漁っても「すぐに切り替える心が必要です」とか月並みなことばかり書いてあって、
知ってるわ、そんなん!
それが出来んから困ってんだって!
いい加減にしてよ!!!!!

と、盛大に心の中で八つ当たりをしてしまう。

今、私は豆腐メンタルについて、改善策について調べながらこの記事を書いてる。
しかしまぁ、吃驚するくらい有効な手段が出てこない。
何これ、もう豆腐メンタルな人間は一生豆腐やってろということ?

で。ここまで書いていて気付いたことがある。
豆腐メンタルの天敵、性格のキツい人だ。
豆腐メンタルな人間からしたら、どうしてあんなに性格、口調、雰囲気がキツくなるのか、そもそもキツくなる必要性はあるのかさっぱり理解出来ないし、ああはなりたくないと思う。
過去、職場の上司にそれはもうキツい上司が居た。
新人いびりは当たり前で、その難関をクリアした者だけが残る職場。
クリア出来なかった人は早々に辞めてゆく。
私も例に漏れずその洗礼は受けて、仕事で必要なときに話し掛ける際には、なるべく機嫌の良いときを狙わねばならない。怖い上に面倒ときた。
だけど、あるとき気付いたのだ。
「あ、この人ナメられるのが怖いんだ。だから、新人いびりをして自分を強くて怖い存在に思わせようとしている」と。
そして、私は豆腐メンタルではあるが短気でもあるので、あるときいびられたときに遂に、「お前がそんなんだからバイトの子達からお前は嫌われるんだよ!」と怒鳴ってしまった。
豆腐メンタルとは思えない行動だが、ここの職場は身内経営で身内同士のいざこざがしょっちゅうな上にすぐに感情を爆発させる従業員が多かった。
正社員が別の正社員の胸倉を掴むなんてことがあるくらいには、あっちもこっちも感情を大爆発させる職場だった。
だったら、私も感情を爆発させても問題無くない? なんて思ってしまったのだ。
キツい上司から、私が内線に出ればため息をついて電話を切り、挨拶をしてもシカトされる日々。
いい加減にしてくれ。
これは、当時の友人からの有難いアドバイスなのだが、「そういう人は挨拶をしても無視をする。そして、そのことを指摘したらお前が挨拶をしなかっただの、聞こえなかっただの言ってくる。だから、名指しで挨拶した方がいい」と。
このアドバイスが素晴らしく、複数の従業員がいるところで、「お先に失礼します。お疲れさまでした」と挨拶したら予想通りその上司からだけは無視された。
周りに居た他の従業員は挨拶をしてくれたのに。
なので、「◯◯さん、お疲れさまでした」と【他の人がいる前で】挨拶をした。
周りの目がある以上、相手も無視は出来ず、渋々挨拶を返してくれた。
そうして、最早ゴールの分からない洗礼をクリアした私は、そこからその上司への対応を変えることにした。
本心なんてどうでもいいから、明るく楽しそうに笑顔で話しかけることにした。
この上司は人から嫌われるのが人一倍怖いのだ。
だったら、好意(のあるフリ)全開の態度を取ればいい。
人から嫌われるのがそんなに怖くない人でも、好意を持たれて接してこられるのを嫌がる人はいないだろう。
私は何度か転職しているが、これは性格のキツい人にほど効果があった。

ただ、この方法は自分が最低限の仕事が出来る場合に限られる。
私は何度か転職しているが、全然仕事が出来ないところでは効果が無い。
それよりもさっさと合わない職場を辞めた方が精神衛生上良い。

そして、性格のキツい相手が仕事ではなくプライベートでの相手なら、距離を置くか、最悪関係性なんて切ってしまっていいと思う。
性格のキツい人と話すのは怖い。
もう怖くて怖くて仕方無いときは、理由も説明せず何の予告も無しに切っても良いと思う。
プライベートでまで辛い思いをするなんて馬鹿馬鹿しい。

さて。ここまで書いて、一部のパターンにおいての豆腐メンタルな人間の窮地の乗り越え方は思い出せた。
しかし、これでは全ての物事には通用しない。
豆腐メンタルな人間はいつでも何処でも豆腐メンタルで、昨今流行りの「死ぬこと以外擦り傷」とは真逆の「擦り傷が致命傷」なのだ。
少し道ですっ転んだ程度で、だらだら大量出血しながら骨折する、それが豆腐メンタルな人間だ。
しかも、致命傷になる要因なんて沢山ある。
主には人間関係だと思うが、仕事でミスをして、借金を作ってしまって、失恋して、物を失くして、時間を守れなかったり、約束を破ったり、自分で決めたルールを破ったり、深夜の暴飲暴食とか、自業自得な面もあれど、その辺にありとあらゆる怪我をする要因は転がっている。
だが、要因は多岐に渡れど、辿り着く場所はひとつだ。
「苦しい。人生終わった。■にたい。誰か助けて」
これである。此処から立ち直るコツを掴むのが大事なのだ。

自己肯定感を上げよう!なんて聞き飽きたアドバイスも出てくる。
自己肯定感を上げるには、小さくてもいいから成功体験を重ねることと聞いたことがあり、例えば料理が良いらしい。
これはカウンセラーから教えたもらったのだが、「鬱になったとき、野菜をひたすら切って下さい。それを冷凍しておけば次に料理をするときに楽だし、何よりも身体を動かすことは鬱の症状をおさえるのに繋がる」と。
私は長時間料理をするのが苦手というか疲れるので、鬱になれば野菜をカットして冷凍し、また別の日に鬱になればそのカットした野菜を使って料理をした。
鍋の中を混ぜたりする作業も身体を動かす行為だ。
豆腐メンタル故に鬱になり過ぎて動けないときは、枕の位置を変えてみたり、ご飯を食べる順番をいつもと変えるだけでも効果はあるとか。
要は変化が必要であり大事なのだろう。
私は、鬱になると枕の位置を180°変えるのだがこれが意外と効果がある。
また、精神科勤務の看護師に相談したら、その人は週に3回20〜30分程走っているとのことだった。
これは病気持ちにはハードルが高い。
もうひとつ教えてくれたのが、ノートに手書きで日記をつける、という方法だ。
何故、SNSやブログではなくノートなのかというと、SNS等では人に見られるあまりにそこを意識して書いてしまうからだと。
なるほど、これは分かる。
私もSNSには書きにくい話題がある。
それを確か一ヶ月くらい(うろ覚え)続けると頭の中が整理されるんだとか。

また別の日。カウンセラーに同じ相談をした。
ネットだけではどうしても限界があったからだ。

まず、思考や感情の中に入ると大量生産して脳は分析が出来なくなって考えに入り込む。
そしてそれを事実と受け止めてしまう特徴があるので、特に一番浮かんだ考えは条件反射だから疑うのが大事ということだ。
例えば、大学生のときに飲食店のバイトを始め、料理の配膳をしているときに疲れてきて動きが遅くなって怒られたことが私にはある。
私はすぐ辞めたのだが、今考えると怒られたことで条件反射で自分は仕事が出来ない、と思い込んだ。
だけど、そこのお店はブラックで、10時出勤18時退勤で、30分ごとに残業代が出る。
法律上、6時間勤務をこえる場合45分の休憩を与えなければならない。
しかし、私に与えられた休憩時間は15分だけ。
初日に賄いを15分で食べて食器を下げ、さー、休むかー、と思ってたらすぐ仕事に駆り出された。
なので、ゆっくり賄いを食べて20分の休憩を確保した。
そしたら、「休憩時間長過ぎ」と怒られた。
しかも、30分刻みで出る残業代も、毎日18時28分や29分で上がらされ、ギリギリ残業代が付かない。
私がそれに対して抗議すると、「飲食店で客がいるんだから毎度定時ピッタリであがれるわけないだろ!」と。
じゃあ、何で毎度ピッタリ18時28分や29分であがれるんだ、というか私をあげるときいつも店長がチラチラ時計を確認しているのを私は知ってる。
大学のオリエンテーションを休んででも出勤しろとまで言われる。
ふざけるな、私の本業は学生だ。
しかも、店長と社員は朝の仕込みの時間に煙草休憩をしている。
そこに対しても抗議したら、「俺はお前より長く働いてんだぞ……?」と。知るかよ。
私の休憩時間や残業代をギリギリ出さないこととお前の労働時間は無関係だ。
で。「お前が男なら、俺殴ってたわ」と言われた。
………………。
私はこのバイトをするまで、高校生のときに郵便局で葉書の仕分けをするような緩いバイトしかしたことがなかった。
だから、「社会ではこれが当たり前なのか?」と誤認識した。
バイトを辞めてから給料をで手渡しで貰うとき、店長より偉い社員から「謝ってほしいんだよね」と言われ、「すみません」と言った。
もう半分洗脳されていた気がする。
「頭下げて」とまで言われ頭を下げたらやっとバイト代を寄越した。
今思うとトラブルを理由にバイト先の近くにある交番に駆け込むなりなんなりすれば良かったと思う。
いや、そこは労基を頼るべきでしょ、と言われそうだけど、私はこの後別のバイト先で給料を一部未払いをされ、24時間無料で対応してくれる警察に連絡をした。
私はその頃もうバイトを辞めてて、その日は手渡しされる日だったけど、給料が一部未払いだったのだ。
金を回収出来ないのならせめてダメージは与えたいと思った。

……と、ここまで書いて分かったが、私の中では職場で怒られる→私が悪い、が条件反射になっているのだ。

だから、本当に私が悪いのか? と疑う癖をつける必要があるとアドバイスされた。
上のケースだと、「法で定められた休憩時間を与えない職場に問題があるのでは?」「店長の殴るぞ発言はブラックな職場でしかなく、ホワイトな職場もあるのでは?」と、疑う必要があったのだ。

でも、仕事のときにミスをしても疑う時間が無いときもある。
そういうときは、普段自分は失敗をどう受け止めるか考え、振り返ると傾向が見えてくる。
必要以上に責めてるなどの癖が見えてくるので、この考え疑う行為を時間があるときにやる。
例えば、今これを読んでいる貴方が「私はよくこういう失敗をして、ああいう風に落ち込んだり、こんな風に受け止めるよな……」と考えてみるのだ。

では、疑うこと自体を忘れたときは?
これに対しては、落ち着いているときや少し不調なときに出てくる考えを拾う練習をしましょうとのこと。
要は上で書いたことと同じで、疑うこと自体忘れるのは疑う癖がついてないからで、疑う癖をつけるのだ。避けるべきは答えを急がないこと。
でないと、悪い方向に進みやすい(ex.ブラックな職場で怒られてパワハラされても、『自分が悪いんだ……』と結論づけちゃったり)。

そも、私達はどうしてすぐに条件反射で怒られた→私が悪い、になるのか。
それは、曖昧な物やもやっとすることほど苦痛なのですぐ結論を出したがるのが人間だからだ。
例えば、人間関係。
付き合ってるの? 私達ってどういう関係? 相手の気持ちが分からない等。
私達は考え続けることを避けたがる生き物らしく、その為すぐに結論を出してしまうとのことだった。

やってはいけないのが、責めるだけの自己反省会。
豆腐メンタルの人間の特技ともいえるアレだ。
それよりも同僚や先輩に話を聞いてもらうときに、自分の状況と感情を繋げて整理出来る。
それによって、想像による悪い方向に膨らむことを防げる。

他にも豆腐メンタル改善に良い方法がある。
それは、書くこと。
それによって客観視出来るし、整理される。
SNSは決め付けられたり取り繕ってしまうから、自分の状況や感情を吐き出すのには向いていない。
なので、誰にも見られないノートとかに書くのがオススメ。
落ち込んでいるところにSNSで気持ちを吐き出してたら、そこ悪意の持ってる奴が来た場合多重事故になる。
人間は妄想をしやすい生き物らしく、だからこそ妄想からの間違った答えを出さない為に頭の中の整理は重要だ。

因みに、仕事で失敗したときに気持ちが凹むのは妥当だとカウンセラーは教えてくれた。
確かに、仕事でのミスの程度によってはそんなにダメージを受けたりそれなりにダメージを受けたり、ダメージを受けることは妥当なのだ。
問題なのは、そのダメージを自分の中で大きくしてしまうことだ。

カウンセラーは予防策も教えてくれた。
AによりBの失敗が起きる可能性がある→その際の立ち直り方を決めておく→その通りに動く→想定内になる
想定外のときに人は心が大きく動くので、想定内のミスを何個かピックアップして対処の仕方を決めておくと、必要以上にパニックになったり自分でわざわざダメージを大きくすることを回避できそうである。

それにしても、この日のカウンセリングは非常に有意義だった。
日本では、カウンセリングはまだまだ敷居が高い感じだが、確かアメリカとかではメジャーらしくて、自分のメンタルを保つ意味としてカウンセリングを気軽に利用出来る仕組みと風潮が出来上がることを願うばかりである。

#創作大賞2023 #エッセイ部門


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