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にゃんにゃん、ニャンコの日

うちの猫、ロイ君はビビリだ。

他人が家の中に入ろうものなら、腰が抜けてしまう。
今月頭に布団を打ち直しに出した。
業者のおじさんが家の中に入り、布団の状態を確認し、持ち出していく。

その間、じっと観葉植物の鉢の裏で形を潜めているロイ。
業者のおじさんが帰ったら、ロイの姿がない。
名前を読んでも、鳴き声も足音もなにも聞こえず、家の中はシン、としている。

手当たり次第、隠れていそうなところを探す。
押入れ、本棚、居るわけない台所の扉まで開けてみたが、ロイの姿がない。

何度も業者さんが出たり入ったりしていたので、ドアが空いている隙に、驚いて外へ出てしまったのかも?

「ヤバイ、やってしまった。」

腰から下の力が抜けていく、ビビリのロイが外へ逃げてしまったら、もう見つけられない、

ダーーーー、と走ったっきり、迷子になってしまうだろう。

「どうしよう。)

腰から下の力を、なんとか取り戻し

新宿の町を、愛猫の名前を呼んで歩く。
生垣の間や、マンションの駐輪場、車の下をのぞいて歩く。

そんな中、静かに映像が目の前に広がる。
自宅のトイレのドアが空いている映像。

「そういえば、お客様が来るからきちんと閉めていたトイレのドアが空いていた、(いつもは換気のために、少し開けている)」

急いで家に戻って、トイレを覗くと
便座の裏側に小さく丸まっているロイがいた。

「なんで私の知らない人を家に入れるの⁈」

と、ふてくされて、頑なに動こうとしない。
無理やりトイレから連れ出したら、今度はベランダに出たきり、
しばらく家に入ってこなかった。

「ごめんね、ごめんね、驚かせちゃって。」

ロイはふてくされているけど、
私は、10年一緒にいる、最愛のパートナーが無事だった事で、気が抜けて安堵して、笑ってしまった。

そして今日、そのお布団が出来上がってきた。

業者さんが布団を運びこむ間、カーテンの奥でじっとしている。
業者さんが帰っても、しばらく出てこない。

今日はニャンコの日、
さんざん驚かせちゃったから、
御馳走を作ったんだよ。

タラの切り身と卵白で、コネコネしてすり身にし、猫の型で抜いた、

「猫つみれ」

これを、カーテンの奥に隠れているロイ君に、
驚かせてごめんね。出で来て。

と差し出すも、匂いを嗅ぐだけで、お気に召さない様子。

そんなに怒らなくても、
それより、猫つみれ、美味しくない?
せっかく作ってあげたのに。

そこから待つこと30分くらい、
やっとカーテンの奥からお出ましだ。

もう一度、猫つみれを差し出すと、むしゃむしゃと美味しそうに食べてくれた。

新しいお布団の匂いが気になるのか、
昨日は一緒に寝てくれなかった。
早く、新しいお布団の匂いに慣れて、腕の中で一緒にモフモフしようね。

そして、これからも良きパートナーで
暖かさと優しさと微笑みを、わかち合いましょう。
いつまでも元気で、幸せであります様に。

ロイ、我が家に来てくれて、
楽しみが増え、笑顔も増えた。
我が家に来てくれて、本当にありがとう。


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