はたちのみなさんに憲法12条を贈ります


例年ははたちの集いの皆さんに会場近くでエールを送りますが、今年は被災された現場をまわっていました。

楾 大樹弁護士のFacebookにはたちのみなさんへのメッセージ「一人前の主権者になるには…」と投稿されていたのを見かけて発奮しました。
https://www.facebook.com/share/p/UJkimadxPiaXFom5/?mibextid=WC7FNe

以前岩波書店の本『私にとっての憲法』に寄せた拙稿「飾っておくものではなく、差別を解消するツールとして」でも書き、また憲法について話す機会には伝えているのは、
憲法を遵守するのは権力に身を置く人たち。
権力が差別解消することなく怠けていたりあろうことか加担していたり人権を保障しなかったり。
理不尽なことに遭ったときに「こんなことあってはならない!」と闘うための手がかりが、個人の尊重を何よりの価値とする憲法です。
頼りになります!

現に、
生活保護基準の引下げを問ういのちのとりで裁判、
差別的な不妊手術の責任を問う旧優生保護法裁判、
同性婚を認めないことの違憲性を問う「婚姻の自由をすべての人に」裁判など、
憲法を手がかりにたたかわれています。
私がかつて事務局長を務めた第一次夫婦別姓訴訟では敗れました。日本は未だ夫婦別姓が選択できない唯一の国であり続けています。
が、今も戦い続けてくれる原告、弁護団の不断の努力に敬意を表します。
敗訴しても憲法の基本書などで選択的夫婦別姓は格段に憲法論の課題として厚く論じられ、世論も賛成の割合がぐんと増えました。
ほかの憲法訴訟の原告、弁護団の不断の努力にもリスペクトします。

そう、憲法を飾って拝んでいるばかりでは、私たちの自由と権利は守れない。
(まあ、木原稔防衛大臣は議員会館事務所に教育勅語を額縁に入れて飾っていたといいますので、それくらいなら憲法の前文とか飾ればどうかとは思いますが
https://news.yahoo.co.jp/articles/de7c3fa73884d1c2f54c137906da8e6f8755ccd7)

はたちのみなさんのこれからが希望あふれた未来が待っていますように。
もし仮に理不尽なことに遭ったとしたら。
憲法がある、たたかえますよ!
私のふたつの口癖
「未来は待つべきものではない、作り出さなければならないのだ。」byシモーヌ・ヴェイユ、
そして、
「不断の努力」憲法12条を贈ります。

憲法が、この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない

え、なんかウザいでしょうか。

いや必要ないときはいいんです。
もし必要になったらそう言えば…と思い出していただけたら。

おめでとうございます。

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