書評「追跡・アメリカの思想家たち」会田引継著
フランシス・フクヤマの訳者でもある著者のアメリカ現代思想の案内である。単なる解説書ではない。著者は、フクヤマとも親交があり、相手の懐に入る深い理解からそれぞれの思想家を論じている。この著作の白眉は、日本でほとんど知られていない、ネオコンの思想的位置付けについて整理してあるところだ。基本的には、元社会主義、リベラリズムの若者たちが、旧ソ連への失望などから、ネオ・コンサーヴァティブと言われる思想潮流を作り出す様が描かれる。理論的には、レオ・シュトラウスやフランシス・フクヤマ。もっ