Of a Promise Broken

約束は口約束でも交わしたことに違いはない
唇を近付けて 私はあなたに尋ねるの
「私の代わりに誰がこの家に来るのか」
あなたは泪ぐみながら 「誰も来ぬ」と云った

侍の信義にかけた愛の約束で
息の根を引き取った私を梅の木のそばに埋めた

小さな鈴がしゃりんと鳴れば
屋敷の庭を見てごらん
経帷子(きょうかたびら)身に付けて
遍路の鈴が目もなく舌もない私が裏を取る

約束は口約束でも忘れちゃいけない恋時雨
新たな妻を娶(めと)り あなたは約束を破った
夜な夜な鳴る鈴 新妻へと語りかけ
「もしもあの人に話せば お前を裂いてやる」

侍の信義にかけた愛の約束は
私の愛を怨念へ「出て行け、出て行け」 目無し笑み

若妻恐れて 旦那に乞う
離縁を認めず まだ居(お)る
今宵も鈴を鳴らし
夫に話さぬ約束を女は破って まだ居(お)る

あんたは私の旦那だと あんたは誰も入れないと
私との約束おざなりに新妻迎えて愛し合う
あんたは私と約束を 侍の信義どこへやら
私は梅の木 近うで見てる 二人の言葉も生活も

首を無くした新妻 眠る
その首持って現れる
土の中でも狂気の姿
「死人の復讐なんぞは、男にむかってやるべきだ」
男は皆そう云うが 女はそうと感じない

今宵もしゃりんと鈴が鳴りけり
「死に際女房と約束せん」と次の嫁取り…

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