在一起

話し中の向かう側で 窓を叩く音が聞こえる
ふしぎね そっちも雨が降ってるのかしら
咽喉(のど)を絞める呼吸(いき)を圧し殺して
悪循環に身体(み)を沈める

一緒にいる気配すらない人生で
途中下車するほどの恋に落ちて
バカみたいに信じてた勘違いの優しさ
何度も騙されてるのに また信じて
話し中の通知音に傘をさす

最近じゃ 防水加工されて壊れにくくなったね
それでも人の愛は歩み寄れないもの
意図も簡単に噛み千切れないのに
愛を欲してしまうのよ

一緒にいる気配すらない知り合いか
現実から目をそらしてしまって
ないものねだりに潜り込み 逃げてばかりいて
いつしか疑似恋愛さえ本気にして
吸い込まれるスマホ画面 ひび割れる

一駅分しか進めない愛しか知らないけど

一緒にいる気配すらない街中(まちなか)に
阿呆面(あほづら)した不細工な無様姿
わざと落とした話し中のスマホが今は
泥が混ざった水溜りの中にある
まるで恋に落ちてる私のように…

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