Of a Promise Kept

取らぬ狸の皮算用
春めく座敷へと覗く枝垂れ桜
見猿 聞か猿 言わ猿
通して 暗い夜へと見送った

いつも背中合わせでいる限り
百里離れても怖くない
寂しい時には菊を待ち
盃一つ飲み干せば
永久(とわ)の約(ちぎり)を思い出す

こんな私でいいものか こんな私でいいものか
身体は呪われ 心は浅まし 待ち恋しい

"月日に関守(せきもり)なし"という
ようやく菊花の季節 九月九日
いろいろ肴と酒を買い
座敷を飾り 二色の菊を挿す

夕べは寝れずに心が騒ぐ
どんなに遠く離れていても
確信できる あなたは来る
私の頭に髷(まげ)あれど
永久(とわ)の約(ちぎり)を交わしたと…

こんな私でいいものか こんな私でいいものか
何度も憎んだ 身体の無情に 寺の鐘鳴り

男の心は秋の空 静寂(しじま)を破るは川のせせらぎ
町の犬の遠吠えも 私の不安を掻き立てる

やはり男の心は秋の空 諦めかけた時に現れ
遅くなった理由(わけ)をあなたは語りだす
「これは許されざる恋の道
私は行かせぬと籠城させられた
"魂よく一日に千里を行く"
私も其方(そなた)に会いたかったぞ」と
あなたは笑みを浮かべ八雲にいるのか
私を愛する故に自害して…

こんな私でいいんだと こんな私でいいんだと
あなたに誠意に愛された敬意と 八雲立つ国

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