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「なるせ」の大将へ・・・

初めて大将のお店に伺ったのは2018年の秋でした。
我家が初めて輪島に宿泊した時でホテルの近くで土地の物が頂ける店がないか事前に調べていて見つけたのが大将のお店でした。
あまり先入観があるとつまらないと思い店名と場所は確認しましたが、レビューや口コミは読まないようにしました。
そして当日(特に予約などなく)お店に入るとカウンター内の大将は一声もかけてくれず戸惑っていると元気で優しいお母さんが「ようこそ、ようこそ、狭くてごめんなさ~い」と案内してくれてホッとしました。
席に通して頂いた後も気難しそうで見るからに職人気質の大将のお姿に緊張しましたが、且つて老舗料亭に勤めていた家内が大変頼りになりました。
でも出てくるお料理はどれもとっても美味しくて能登の海の幸、山の幸を存運に味わせて頂きました。
結局今に至るまで輪島の夜は大将のお店以外には伺ったことがありません。
そう言えばいつか席が隣り合った常連さんが「最初はこんな不愛想なオヤジの店二度とくるか!・・・と思ったけどまた来ちゃった(笑)」なんてお話してましたね。 その時大将はバツが悪そうに「一生懸命仕事してるんだよ(苦笑)」なんて仰っている様子を拝見して大将の一面が見れた様な気がして嬉しかったです。

何度か伺っているウチに大将もお料理が一段落した時に「〇〇には行ってみたかい?」とか「輪島のお祭りはこうこうで・・・」なんて話しかけて下さって能登のことを色々教えて下さいましたね。
大将のお店が大好きで、大将とお母さんに会いたくて輪島に泊まって能登を周っているうちに能登に友達が出来て昨年の夏にはその友達の計らいでお祭り参加させてもらいました。

大将のお店の食器棚の上に2007年3月25日で止まったままの小さな時計が置いてありましたね。
17年前の震災、コロナパンデミック、一昨年と昨年にもかなり大きな地震が・・・
大将とお母さん、そして能登の方々はそこから大変な思いをして生活を町を立て直して来たのでしょう・・・
昨年辺りは輪島もかなり賑わいが戻ってきていて大将のお店にも更に沢山のお客さんが訪れるようになっていましたね。

元旦からずっと大将とお母さんのことが心配で、でも連絡する術もなく・・・そして次第にニュースなどで映像が見られるようになり大将のお店があった場所が映った時の衝撃は言葉では言い表せません。

お店のカウンターーには「店内撮影禁止」の札が置いてあったので、見た目も美しい大将のお料理を撮りたいと思ったこともありましたが、大将のご機嫌をそこねて出入り禁止になったら困るので控えてました。
実は今年は是非お店や大将とお母さんとの記念撮影をお願いしようかと思っていました。
今年も4月か5月になったら伺おうかと思っていて、近年は事前に予約をしていたので昨年伺った時の帰り際に大将も「連絡してね。」と言ってくれましたね。
それから大将のお店は人気でいつもお忙しかったので難しかったでしょうけれど、大将と一献傾けてみたいという夢もありました。
美味しいお料理が目当てであるのはもちろんですが、大将のお店に行くのはお世話になった人に会いにいく様な感じでもありました。
元々能登に縁があったわけでもない私たちがそんな風に感じる雰囲気のあるお店でした。

大将、どうかゆっくり休んで下さい。
そっちで会ったら一杯やりましょう!


これかもずっと行きたかった・・・



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