『いつだって窓際であたしたち』『校舎ナイトクルージング』ロロ

 二本立てで舞台を見てきた。好きなやつだ。多分そこまでメジャーではないんだろうけれど、それでも面白かったし始まったばかりなのでぜひ多くの人に見てほしい。そういった思いはありつつも、あらすじも特に書かずに感想だけいつものように書きます。

 特に校庭ナイトクルージングはたまらない。最後のみんなで笑いあっている構図には泣かされた。あの空気感がたまらない。芝居が進むごとに演者陣がどんどんカッコよく可愛く見えてくるのが力ということなんだろうか。GOのサンプリングとか震えるし、笑える。普通に声が似ていたな。普段は決して交わることのないジャンク派とオールナイトニッポン派の邂逅。全員愛すべき存在だった。

 変態で引きこもっていてもオバケちゃんとの夜の青春を楽しんでいる逆乙女とか、映画好きでちょっとズレたところもあるけど優しくて骨密度の薄さからくるのか儚げな楽とか。そして何と言ってもあの男の子。いつだって窓際の方ではよくいる共学の男みたいだったし笑い方が鼻につくと感じていたのに、人となりが明らかになればなるほど、好きになっていく。全てを面白がって、人を肯定する。彼自身の嗜好の問題なのかもしれないけど、楽と恋愛の話をしないというのもどこかグッときた。共感したというか、終わらない青春の渦に常にいるという意思表示に見えるから。その関係を壊したくないというのも含めて。ヒコさんのいう僕らを体現する存在というのがしっくりくる。そして中盤の客席を見つめるまなざし。なんだったんだあれは。寂しさなのか、こちら側にいて常に青春の亡霊に囚われている我々と感情を共にしたのか。もうその場にはいられないという。だとしてもあの楽しんでいる教室は眩いばかりにキラキラしていて、いつまでもそこにいたいと思ってしまうんだ。それがどんなに現実逃避で後ろ向きな思いだとしても。

 それと窓際であたしたちのヒロインが可愛すぎる。あの笑顔とミステリアスさに捕らえられない高校生なんていやしないだろう。多分あの舞台上の輝きは本当に舞台の上にしか存在していなくて、青春が閉じ込められてるような気がした。最後の歌もクサかったとしてもグッとくる。ただ、ああいうバチバチの共学っぽさに心からの共感ができないこの人生よ。最後の方で読めてないことがあるんじゃないかともやもやしている。彼女は結局何者だったんだ…。太郎のことが好きだったのか。もはや生きてるんだか死んでるんだかもわからない。でもまぁ好きだ。富士山に下山に行くという発想や、太郎の走った分だけGoogleストリートビュー上で旅行するとか素晴らしい。しゅうまいの匂いが風に乗ってどこまでも届いていくとかも含めて。

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