「この素晴らしい(仮」本編の一部分

※この文章はフィクションの名を借りた妄想であり、実在の人物、事件、団体等とは一切関係なく、また、軍事的・社会的・政治的・その他あらゆる常識を無視して書かれています。

前回までのあらすじ:
海上で覚醒した那智は鎮守府までやってきた。提督室には提督と駆逐艦の電が、それぞれの机に座っていた。那智は提督の前まで歩いていき、ピシリと敬礼を決めて挨拶をした。

「あれ?なっちゃん、どこ行ってたの」
 提督はもの凄く馴れ馴れしい口調で言った。
「な……なっ……ちゃ!?」
「ダメーでしょー、休暇取る時はちゃんと事前に言わないと。いくらウチがユルユルだからってさぁ」
「……何を、言っているのか?」
「だーかーらー、休暇を取る時は事前に俺か電に言ってくんないと、ローテ組み直す必要があるでしょー?しかもこんなに長い休暇取るなら尚更でしょーに。ねー、いなちゃん」
 提督は電の方を向いた。電も腕を組んでウンウンと頷いている。
「……お主ら、何をやっておるんじゃ?」
 那智に続いて部屋に入ってきた利根は、呆れた声で言って、壁に寄りかかった。
「てゆうか何でなっちーは俺に敬礼してるワケ?てゆうか何で俺がなっちーに説教してるワケ?いつも俺に説教するのはなっちーでしょ。その手降ろしてよ逆に恐い。あれ?どうしたの、そのポカン顔。あ、待って下さい、そのままポカン顔を維持して下さい、超レアな顔です。写真に撮ってパソの壁紙にし……あれ?」
「……なっ、ちい?」
「……スミマセン、ええと、那智さん、ですよね?妙高型2番艦、呉海軍工廠出身、なちという名前は当時同盟国だったドイツのクソ外道共とたいへん似ているが和歌山の那智山なので無関係、ローマ字で書くと一目瞭然」
「……そうだが」
「このてーとく、記憶か思考が混乱をきたしているようです。……どこかでお会いになっていたりしませんか?」
「……貴様と会うのは初めてだが」
「あっれー?おかしいな。ひょっとして、前世でオトモダチだったりしてません?っていつまで直立不動してんの?ダラリよし、ってゆうかお説教よし?……あれ?この親近感は何だろう。利根さーん」
「何じゃ?」
「どうもこのてーとく、頭脳に混乱をきたしているらしい。那智さんは初めてこの鎮守府にいらっしゃった、妙高型の重巡でいらっしゃり、ウチの重巡のアタマ張る人物でいらっしゃ……あれれ?」
「お主はふざけておるのか?どこまで本気なのじゃ?ふざけもそこまで迫真感を持ってできるなら役者にでもなれるのではないか?」
「……那智さんは、今、はじめて鎮守府にいらっしゃった重巡の方である。いいですかてーとく。那智さんは、今、はじめて鎮守府にいらっしゃった重巡の方です。その上で、利根さん」
「何じゃ?」
「ウチのルール、どこまで説明したの?」
「提督には暴力を振るっていい、とだけ言っておいたが?」
「なにそれ、酷い。電さーん」
「なのです?」
「なんか面倒だから、ウチのルール説明してあげて?」
「こんな所で那智さんに電をけしかけて、司令も悪趣味なのです。もっとも」
 電はガタリと音を立てて立ち上がった。全身から、今までの電とは桁違いに猛烈な威圧感を発している。
 提督も利根も那智も、思わず電の方を見た。
「無断で長期休暇を取った那智さんにも悪い所があるのです。悪趣味の司令と無断休暇の那智さんには、少しばかりお説教なのです」
 電は片方の腕を肘から曲げて背中につけ、周囲をジロリと睨みながらゆっくり歩き始めた。
「電サン、その作法は……まさか……」
 ゆっくり歩いてきた電は那智の隣まで来た所で、歩みを止めた。
「……電の進路を妨害するゴミがあるのです。おかしいのです。ゴミ処理係は何をやっているのですか?」
「ご、ゴミ!?」
「那智!ヤベぇ!」
 提督は立ち上がって叫んだ。
「今すぐドアの所まで後退!直立不動!」
「りょ、了解した!」
 那智は慌ててドアの所まで走っていき、直立不動の姿勢を取った。
「電さ」
「机の向こうに隠れている凸が一匹見えるのですが、これは電の錯覚なのですか?」
「と、とんでもございません!」
 提督も慌てて机の前まで走ってきて、直立不動の姿勢を取った。
「……お主らは何をやっておるのじゃ?」
 利根は腕を組んだまま呆れた顔で言った。
「お説教する前からこのドン亀っぷり……。電は情けないのです」
 電は室内をゆっくり歩き、提督と那智を交互に睨みつけながら言った。
「提督室秘書艦の電特殊駆逐艦なのです」
「電さん、やっぱり!」
「話しかけられたとき意外は口を開いてはいけないのです。口でクソたれる前と後にサーをつけるのです。……分かったのですか!ウジ虫!」
「サー!イエス!サー!」
 提督が叫んだ。
「さ、サー!イエス!サー!」
 何が起きているのか分からない様子の那智も、慌てて提督に合わせて叫んだ。
「何じゃこれは、何の寸劇じゃ?」
 利根は目を丸くして3人を見ている。
「ふざけるな!大声を出すのです!弾落としたのですか!」
「サー!!イエス、サー!!」
「サー!!イエス、サー!!」
「……」
「オマエ達メス豚が電の訓練に生き残れたら、各人が兵器となるのです。戦争に祈りをささげる死の司祭なのです」
「いや、吾輩らはもともと兵器という側面があるじゃろ?」
「その日まではウジ虫なのです。地球で最下等の生命体なのです。……オマエ等はヒトではないのです!両生動物のクソをかき集めた値打ちすらないのです!」
「電の、お主、いつからそんな言葉を吐くようになったんじゃ?」
「オマエ達は厳しい電を嫌うのです。しかし憎めばそれだけ学ぶのです。電は厳しいのですが、公平なのです。ここ鎮守府では一切の差別は許されないのです。クチ公、ケイ助、ジュウ豚を電は見下さないのです。……全て!平等に!価値がないのです!!」
「……お主、その剣幕でそれを外の連中に言ったら、泣かれるぞ?」
「電の使命は役立たずを刈り取ることなのです。……愛する我らが鎮守府の害虫を!分かったのですか!ウジ虫!」
「サー!イエス、サー!」
「サー!イエス、サー!」
「……」
「ふざけるな!大声を出すのです!」
「サー!!イエス、サー!!」
「サー!!イエス、サー!!」
「……」
「電さん、そのネタ、マジでどっから仕入れて来たんスか……」
 提督がつぶやいた。次の瞬間、それを聞きつけた電が床を思いっきり踏みならした。
「誰なのです!?」
 電から威圧感に加えて怒気が発せられた。
「どこのクソなのです!アカの手先のおフェラ豚め!ブッ殺されたいのですか!!」
 電は室内をぐるりと見回した。
「答えナシなのです!?魔法使いのババァが言ったのですか!上出来なのです!揃ってアタマがマンコになるまでハメてやるのです!ケツ穴でミルクを飲むまでシゴき倒すのです!!」
 電は那智の所まで早足で行って、胸ぐらをひっ掴んだ。
「腐れマンコはオマエなのですか!」
「さ、サー!違います、サー!」
「クソガキが!臆病マンコはオマエなのです!」
「サー!違います、サー!」
「サー!このてーとくです、サー!」
 電は那智の胸ぐらを掴んでいた手を放し、提督の所へゆっくり歩いてきた。
「……そちらのクソなのですか」
 電は提督を下から睨みつけた。
「勇気あるコメディアン、道化のクソ司令。正直なのは感心なのです。気に入ったのです。寮に来て暁型の誰かをファックしていいの……です!!」
「ぐほっ!?」
 提督の腹に電のパンチが決まった。提督はたまらず膝をついた。
「スキン小僧が!じっくり可愛がってやるのです!笑ったり泣いたりできなくしてやるのです!!」
「電さん……今の、本気で痛ぇス……」
「お主らは何の漫才をやっておるんじゃ!」
 利根は腹を抱えてゲラゲラ笑い出した。
「さっさと立つのです!」
「ハイ……」
 提督はヨロヨロと立ち上がった。
「隠れてマスでもかいているのです!首カッ切ってクソを流し込むのです!」
「さ、サー!イエス!サー!……うう、痛い……」
「道化はなぜ鎮守府に来たのですか?」
「さ、サー!殺すためです、サー!」
「殺し屋志願なのですか?」
「サー!イエス、サー!」
「戦争の顔をするのです」
「サー!……待って下さい、今の電さんにそれをヤられると」
「殺す時の顔なのです!」
「ま、待って欲しいス!」
「うわァァァァァ!!」
 電は物凄い殺気をブチまけて提督を睨みつけ、怒号を上げた。
「やめてぇぇぇぇ!!」
「これが殺す時の顔なのです!やってみるのです!」
「う、うわ、うわああああ!」
「それで殺せると思っているのですか!気合いを入れるのです!」
「うおわあああああ!」
「迫力ナシ、練習しておくのです」
「さ、さ、サー!イエス、サー!……恐いよぅ、恐いよぅ」
「だから一体何のつもりなんじゃ……!」
 利根は腹を抱えて笑っている。
 電は提督から離れて、何やら冷や汗をかいている那智の所まで歩いていって睨んだ。身長差の関係で電が顔を上げる形になるが、威圧感が身長の差を簡単に吹き飛ばしている。
「オマエの言い訳は何なのです?」
「サー!言い訳とは何でしょう、サー!」
「アホ相手に質問するのは電の役目なのです!」
「サー!申し訳ありません!サー!」
「自分は続けてもよろしくありますか?」
「サー!続けて下さい、サー!」
「不安なのですか?」
「サー!何らかの不安を感じます、サー!」
「電のせいなのですか?」
「サー!……く、駆逐艦がこれだけの」
「何なのですか!電をクソバカと呼びたいのですか!」
「サー!違います、サー!」
「得物は何なのです?」
「サー!50口径3年式20サンチ連装砲5基10門です、サー!」
「まるでそびえ立つクソなのです。サバを読んでいるのです」
「サー!本当です、サー!」
「民間の家庭廃棄物から仕分けられて残ったクズ鉄で作られたのがオマエなのです」
「な、な……」
 那智は非常に屈辱を感じたらしく、顔が真っ青になった。
「返事がないのです!」
「サー!申し訳ありません、サー!」
「どこのゴミ捨て場の出なのです?」
「サー!呉海軍工廠です、サー!」
「呉の名物は博物館とヤクザなのです。ヤクザには見えないので博物館職員なのです!飾ったのですね?」
「サー!飾っていません、サー!」
「使用済みタンポンを飾ったのです!」
「サー!飾っていません、サー!」
「オマエは使用済みタンポンを飾って芸術だとホザいて悪臭をブチまくだけブチまいてお片付けもしない、礼儀作法のカケラもない奴なのです!きっちり見張るのです!」
「サー!そ、そんな事はしておりません、サー!」
「た、たまらん……もうダメじゃ、腹が痛い!」
 利根はその場に膝をついて大笑いしている。電は利根をジロリと睨んだ。
「利根さんもさっきからゲラゲラうるさいのです!こういう時は静かにしているのです!残ったコレをカマしてやるのです!」
 電は利根の前まで歩いてきた。
「両親が生かしておいた子がいるのですか?」
「吾輩らに両親などおらんじゃろうに!」
「オマエを見たら嫌になるのです!現代美術の醜さなのです!」
「頭脳も容姿も申し分ない吾輩にそんな事を言うのはお主だけじゃわ!」
「名前を言うのです!」
「吾輩の名前も忘れるほどのめり込んでおるのか!利根じゃろうに!」
「河川の名前なのです。軽巡なのですか?」
「色々あったのは知っておるじゃろう!重巡じゃ、重巡!」
「今の利根川がどうなっているのか知っているのですか?」
「知らんわ!」
「日本一マズい水の産出地なのです!浄化もしないと飲めない汚水の溜まり場、利根川水系なのです!」
「そんな事、吾輩が知るか!人間の所業じゃろうが!」
「そもそも名前が気にくわないのです。やはり軽巡か雷巡の名前なのです。本物の軽巡に失礼なのでカルピスと呼ぶのです!」
「勝手に渾名を付けるでないわ!」
「おかしいのですか!カルピス!」
「笑いが止まらん吾輩を見てそれを言うか!」
「気色悪い笑みを消すのです!」
「無理を言うでない!」
「早く顔面に伝えるのです!」
「じゃから無理じゃと言うておろうが!」
「笑みも消せない尻軽女!3秒くれてやるのです!寛大にも与えられた3秒で笑みを消すのです!アホ面を続けるなら目ン玉えぐって頭蓋骨ごとマンコにしてやるのです!1、2、3!」
「何度言わせれば分かる!たまらん、もうたまらんわ!」
「淫売はひざまずくのです!!」
「もう膝をついておるわ!」
「……首を絞めるのです」
「分かった、分かったと言うのに!付き合ってやるわ!……こうか?」
「自分で首を絞めて何をしようとしているのです!クソボケは電の手を使うのです!」
「……こう」
「誰が手を引っ張れと言ったのです、ド阿呆!自ら身を乗り出して首を絞めるのです!!」
「こうか?……おぐぅっ!?」
「まだ笑いたいのですか!?」
「ま、待で、ぼんどに、ギメるな」
「大声を出すのです!」
「ぼんどに、ギメるな、ぐるじい!」
「ふさけるな!大声を出すのです!弾落としたのですか!!」
「ざ、ざー、いえず、ざー!」
「起立するのです!」
 電は利根の首を放り投げた。利根はフラフラと立ち上がった。
「お遊びで本当にキメるなと言うのに……」
「ケツ穴を引き締めるのです!ダイヤのクソをひり出すのです!さもないと肥溜めにブチ込むのです!!」
 電はツカツカと自分の席に戻り、ドカリと座って腕を組み、溜め息をついた。
「まったく、なのです」
「……」
「……」
「……」
 提督と那智は直立不動のまま冷や汗をかいている。利根は首を絞められてゼーゼー息を吐いている。
「……そこは何をツッ立っているのですか?司令はサッサと席に座る、那智さんは執務室へ行って皆さんに長期無断欠勤をあやま……あやま?」
 電はキョトンとした表情になり、ゆっくり提督室を見渡した。
「……司令」
「ハイ」
「……電は、何をやらかしてしまったのです?」
「ハイ、電さんはどこぞの界隈で超有名な映画の一場面を見事に鎮守府化して再現いたしました。てーとくは若干ロールプレイを楽しみましたが、痛かった上に恐かったです。利根さんはマジで首を締められました。那智さんは、そこで冷や汗をかいています」
「……なのですーッ!?」
 電は頭を抱えて叫んだ。
「い、いいい、電は何という事をしてしまったのですか!?」
「俺が知るか!俺も知りたいわ!ってゆうか那智さん!」
「……何か?」
「今の、たぶん、ぜーんぶ、冗談です、ハイ。着任許可ス」
「……利根」
「何じゃ?」
「さっきのアレは本当か?」
「本当じゃが?何なら吾輩がやってもよいぞ?」
「結構だ」
 那智は提督の所まで歩いていき、無言で提督の横っ面をグーでぶん殴った。提督はそのまま横にぶっ倒れた。
「失礼する!」
 那智はそのまま提督室のドアを乱暴に開けて、思いっきり乱暴にドアを閉めて出ていった。
「……いたいです」
 提督は机を手がかりにフラフラと立ち上がった。電は椅子に座って小さくなっている。
「……吾輩の感想を言ってもよいか?」
 利根は溜め息をついて言った。
「ハイ……」
「はい、なのです……」
「明らかに、お主らが、悪い」
「ハイ……」
「はい、なのです……」
「あやつは吾輩がなだめておくから安心せい。そのかわり反省をせい、はんせい、を」
「ハイ……」
「はい、なのです……」
「やれやれ、じゃ」
 利根も提督室から出ていった。
「……だーっはっはっは!那智、まだそこに居ったのか!今まで色んな連中があやつのフザけに振り回されたようじゃが、あんな過激な返礼をしたのはお主が初めてじゃろうて!……」
 ドアの向こうから利根の大笑いが聞こえてきた。
「……電さんや」
「……はい、なのです」
「今のネタ、どっから仕入れてきたの?」
「神通さんから、映画をお借りしたのです」
「アレ見たのかよ!てゆうか何で神通が持ってんの!」
「食堂で電が、司令から教わった、さー、いえす、さー、の話をしていたら、神通さんから、それはあの映画の話では?と」
「神通はどっからアレの情報を仕入れたんだ……」
「神通さんが言うには、司令が笑ったり泣いたりできなくなる、という台詞が出てくる映画があるらしいので妖精さんに頼んで持ってきてもらった、と。それを電がお借りして、寝不足にならない程度に夜更かしして、途中まで見たのです」
「その映画、どうやって見たんスか……」
「このくらいの両手で持てる箱があるのです。蓋があってそこを開けると、蓋の部分に小型の平成テレビがついていたのです。ボタンを押すと、そこに画面が映ったのです」
「ポータブルDVDかよ……。で、電さんの手にその映画があるという事は、駆逐艦の間にそれが広まっていると、このように考えても?」
「お下品単語があまりにも多く、電も途中で耐えられなくなったのです。早々に神通さんにお返ししたのです」
「左様で……」
「電の知らない単語も多く、例えばおフェラ、というのがよく分からなかったのです」
「やれやれ……。いいですか、フェラというのはフェラチオの略語で、これは」
 提督がお下品単語の解説を始めたところで、電のスマートフォンから着信音が鳴った。
「……はい、電なのです……あ、あれ?那智さんなのです!?那智さん、先ほどはたいへん申し訳ない事をしてしまったのです!お詫びいたしますのです!はいなのです!……え?この電話?そうなのです。電もびっくりしたのですが、平成では電話はこうなっているのです」
「ちょ、那智さん?俺にも替わって、謝るから!」
「あ、はいなのです。……那智さん、司令が替わって欲しいとおっしゃっているので、お替わりするのです。……司令、どうやら那智さんは利根さんの平成電話を使っているようなのです」
 電は提督にスマートフォンを手渡した。
「……那智クンかね?」
「……提督か。何の用だ?さっきは殴って」
「申し訳ございません!」
「……は?」
「先ほどは大変な失礼を働きました!てーとくはアタマが弱いので失礼に気がつきませんでした!この通りお詫びいたします!」
「……こ、こ、こ」
「提督、利根じゃ」
「利根さーん、ウチら必要とあらば提督室を代表しててーとくが土下座しに行くほどガチで反省してるって伝えてー」
「そんな事をしたら、このカッチン玉が余計に慌てるだけじゃ。今だって上官を殴った処分は何だとか気にしておるのだぞ?ひとまず駆逐艦の洗礼を浴びせい」
「はぁーい」
「吾輩らは下へ行っておる。木曾戦隊はどこまで戻ってきた?確認しておけ。……切るぞ?」
 電話は切れた。
「……木曾たちがケガして帰ってくるってのに、ウチら何やってるんでしょうね」
「……うう、反省するのです」
「とりあえず俺は下行ってくる」
「電も行くのです」
「まあ大破と瀕死はドック直通通路を使って見ずに済むけど、それなりにキツいよ?皆さん手足フッ飛ばして帰って来るんだから」
「……電にも、見届ける役目が欲しいのです」
「オーケー、分かった。じゃ、行きましょ」
 提督と電はエレベーターに乗って、港へ向かった。

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