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アニメ「鎮西八郎為朝」について語っていいですか

このところまるで大河クレーマーになってしまい、自分でも悲しいので、
今日は愛するもののことを書こうと思う。

アニメ「鎮西八郎為朝」について語っちゃっていいですか?

あの為朝が、アニメになっている。
ご存知のかたも多いと思うが。
鎮西八郎こと源為朝と言えば強弓の使い手、義経もリスペクトしていた源氏の最強勇者だ。(義経には叔父にあたる。)
このアニメ、もともと町おこしのためのショートムービー。佐賀県は上峰町[かみみねちょう]の地域創成プロジェクトの一つとして作られたらしいのだが、
これが!
これがもう、クオリティ高すぎて! というかめっちゃくちゃ、どうしようもなく気分上がるやつで!!
九州出身ではなくただ為朝が好きなだけという私まで、もんのすごい恩恵を受けている。

つらい日は、一発「為朝」をキメて気合いを入れることにしている。

とにかく絵がきれい。キャラクターデザインも背景もきれい。動きもきれい。そして音楽がアゲアゲ。
だってだって曲ユニコーンでアニメはProduction I.Gって文字どおり最強以外のなにものでもないですよ!(ハアハア)
と知ったかぶりをかましてみたが、白状する、音楽にもアニメにも正直うとい私に語る資格はない。
でもそんなこと知らず予備知識ゼロで見たからこそ、友人から「これ見てみて」と送られてきたURLをなにげなくタップし初見したときの、イントロだけでもう「これ何……!」と瞠目したあの衝撃は、生涯忘れないと思う。

2022年10月現在で303万回視聴ですよ?
あまりに評判が良すぎて、本格的にアニメ化された。1話5分のシリーズで、全13話の予定だそうだ。
1話5分て。
いま7話まで来たのだが、毎回エンディングで「えええ、ここまで~?!」と絶叫してしまう。だから外とか電車の中とかで絶対見ないようにしている。ただの危ない人。笑
続きが見たすぎてもだえる、という、至福の拷問。
こんな経験ひさしぶりだ。

ストーリーじたいは王道だが……!

べつにひねりとかはないんですよ? 予測不可能な展開とかはないです。
「心優しき暴れん坊」、やんちゃなイケメンの為朝が、可憐なヒロインとその両親と村のみんなのために、大蛇や悪代官と闘うというね、ほんと、純粋に、それだけ。

じゃあ何が予測不可能なのかというと、ディテールだ。
上に貼りつけた動画、見てくださいました?
為朝が弓を引くシーン、ご覧になりました? 1分45秒あたりから。
または、第一話「嚆矢」の1分34秒あたりから。

これ、矢じゃないよね。
ミサイルだよね。笑

ていうか、名乗っただけで衝撃波。笑笑

最っ高~に気もちいい。
創っている人々の、為朝への愛が、あふれている。

史実の源為朝は、歴史書には「九州地方で狼藉を働き」的な感じで書かれていたりする。中央から、権力の側から見ればまあそうなるのだろう。役人を倒しちゃうわけだから。
だけど、だけど、上峰町のレジェンドの中では、彼は。
ヒーローなのだ。

その、上峰町の皆さんが脈々と語り伝え大切にしてきた為朝愛を、意気に感じた制作チームが本気出して創るから、これだけの上がる作品になっている。

愛のため友のため、誰のためと思う

なんでこの記事が「鎌倉殿の13人つれづれ」というマガジンに入っているか、もうおわかりいただけただろうか。

『鎌倉殿の13人』の制作班と三谷幸喜は、
この為朝プロジェクトの人々の爪の垢でも煎じて飲むがいいと思うのだ。

彼らのやったことは、この為朝プロジェクトと真逆だ。
頼朝と義経をあり得ないゲスキャラに描き、「いままでにない頼朝像・義経像を提示した」気になっているのか知らんが、
何のためだ。
自己顕示欲。そのためだけだろう。

彼らのやったことは、たとえて言えば、国宝法隆寺の柱にスプレーで「夜露死苦」的な落書きを吹きつけ、特別天然記念物の尾瀬の水にペンキを垂れ流して得意がっているのと同じだと私は思う。

日本の、それぞれの土地で、人々がそれぞれ大切にしてきた思い。
伝説って、そういうものじゃないのか。

ただのネタにするなんてどういう思い上がりだ。
しかも、この、あり得ない閉塞と不安の年に?

——申し訳ない。せっかくの為朝ラブを語るページが、また汚れてしまった。ばっちい、ばっちい。
お清めに、最後にユニコーンのテーマソング「TIME-TO-MORE」を紹介して〆にしようと思う。
冒頭のクラップからもう王道ロックンロールで私はわしづかみなのだが、
サビがまた良い。

愛のため 友のため 誰のためと思う

ユニコーン「TIME-TO-MORE」

聞けばわかるけど、「誰のためともぅ~(為朝)」って言ってる。笑
「TIME-TO-MORE」をタメトモと読ませるという、どう考えても無理のある洒落も大好きだ。笑

優しい瞳で弓を放て

同上

いや、放つのは矢だろう。
と毎回ツッコむのもすでにお約束になっている私だ。笑

君のため 友のため 何のためと思う
大きな体に炎を灯せ
愛がすべての源

同上

源氏だけに! 笑

民のため 友のため 夢のためと思う
正しい心で剣を立て
(ラップ)天と地の愛に誓う それが本物の武将でしょ

同上

そうだ、それが本物の武将だ。言ってやれ言ってやれ。

最後、上峰町の名所がコラージュで流れるシーンになると、私はかならず涙してしまう。
だって為朝くんが地元の美しい娘、春ちゃんと結ばれて、上峰町の風景の中で幸せに暮らしているんだけど、
彼がこの後、都に呼び戻され、保元の乱で命を落とすことを私たちは知っちゃってる。
いやだそんなの! いつまでも上峰町で幸せに暮らしてほしかった! 泣

負け戦と知っていて、為朝は信じる側について戦う。
これが! これが本物の武将でしょ!

空前絶後のロックンロール
朝[あした]を求めて
朝[あした]の物語
人生はTIME-TO-MORE

同上

そう、人生はTIME-TO-MOREだ。
まったく意味がわからないが、そんなのどうだっていいのだ。笑

この空前絶後のロケンロールをときどきキメさせていただいているおかげで、こうして今日も私はなんとか生きている。
上峰町に、本当に心から感謝だ。
いつか行ってあの為朝が食べているのと同じむちゃくちゃ美味しそうなお米のおむすびをおなかいっぱい食べたい! くぅ~、考えただけでたまらん!

いまこの記事をお読みの貴方も、ぜひキメてみてください、「鎮西八郎為朝」。
ただし街中や電車内での摂取には注意されたし。
「ぶはっ」と笑ってしまったり、逆に涙してしまったりする危険ありです。


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