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#12 現状維持バイアス

こんにちは、S&Mです。

新しいことに挑戦するのになかなか重い腰が上がらないなんてことはありませんか?今日はそのメカニズムを理解してもらうために現状維持バイアスを紹介します。

知っておくだけでこれからの人生の選択が変わるかもしれません。ぜひご覧下さい!

では、さっそく現状維持バイアスの説明をします。



現状維持バイアスとは?

『今年こそは!』と新しいことを始めようと思って結局、何もできてないなんて経験はありませんか?

現状維持バイアスとは変化を受け入れずに現状に固執する心理傾向です。



なぜ現状維持バイアスが起こるのか?

では、なぜ現状維持バイアスがおこるのか?
それは次のような心理が関係していると考えられています。

◆プロスペクト理論(損失回避)
利益と損失が全く同じでも損失の方が大きく感じるという傾向。

◆デフォルト効果
既存の選択肢があると、変更可能にも関わらず変更しない傾向。

◆ザイアンス効果(単純接触効果)
接触回数が増えることで、その対象に好意を持つ心理効果。

これらが組み合わさることによって現状維持バイアスは生じます。

プロスペクト理論デフォルト効果に関してはまたの機会に説明します。(ザイアンス効果は#10でお伝えしてますので、忘れた方は以下のURLから見直して下さい。)
https://note.com/sales_sciencejp/n/n2e234295aa2a



現状維持バイアスを活用方法

では、現状維持バイアスを営業に活用する方法をお伝えします。

現状維持バイアスを営業に活用する方法は、


『現状維持バイアスを理解して他者と接すること』


では、なぜ現状維持バイアスを理解しておくことが重要かというと、人間誰しもこの変化を受け入れずに現状に固執する心理傾向があるからです。


仮にあなたの提案内容が既存のものよりも優れていたとしても

◆プロスペクト理論→利益よりも損失が大きく見えてしまう傾向
◆デフォルト効果→既存のものから変更しない傾向
◆ザイアンス効果→接触回数の多いものに好意を抱く心理効果

上記の心理効果が組み合わさることで、あなたの優れた提案を受け入れ難くしています。



前職のMRを例にとって考えてみます。

例えば、既存の薬よりも治療効果が高い新薬が承認されて、医師に提案するシチュエーションを考えてみます。

私はMR時代に『既存の薬剤よりも効果が高いのに採用されない』なんて経験を多々しました。合理的に考えれば採用しない理由はないはずなのになんでだろうと考えていました。

今、考えてみれば私が新薬を提案した際に医師は以下のように感じていたのかも知れません。

◆プロスペクト理論→治療効果は高いけど、副作用が気になるな‥
◆デフォルト効果→処方変更や薬剤部への申請が面倒だな‥
◆ザイアンス効果→長年使用した薬剤とその会社のMR気に入ってるんだよな‥

このような現状維持バイアスに陥っている場合は、『治療効果が高い』という合理的な理由で薬剤を選択するのは難しいんです。

それを理解せずに「既存の薬よりも治療効果が高い薬剤です。採用して下さい。」と合理的に提案しても受け入れられない可能性が高くなります。



現状維持バイアスの解消方法

現状維持バイアスを解消する方法は

①第三者の意見を取り入れる
②小さな変化から慣れさせる

この2つがあげられます。

①第三者の意見を取り入れる

現状維持バイアスで合理的な判断ができなくなった方を説得するのは大変難しく、より客観的な意見が必要になります。

また、#1 ウィンザー効果にあるように人は口コミなどの第三者の意見を信頼しやすい傾向があります。

だからこそ、現状維持バイアスに陥っている人には第三者の意見を聞いてもらうことが解消方法の1つとなります。

ウィンザー効果を忘れた方は下のURLから見直して下さい。
https://note.com/sales_sciencejp/n/na1f550536edb


②小さな変化から慣れさせる

みなさんは、『茹でガエル』の話を聞いたことがありますか?

熱湯にカエルを入れると、カエルは驚いてすぐにお湯から脱出します。

しかし、常温から少しずつ温度を上げていくと、カエルはその変化に気づかず茹で上がってしまうというものです。

このように変化を小さくすることで現状維持バイアスに陥りにくくすることができます。


例えば、先ほどの新薬の提案においては、

①ウィンザー効果を使い、権威のある医師から薬剤の情報提供をしてもらう。

②対象患者全てではなく、『〇〇な患者さん』と限定して採用してもらい少しずつ慣れてもらう。
病院であれば限定採用してもらう。

などの対策が考えられます。


まとめ

#12  現状維持バイアス いかがでしたでしょうか?

人はバイアスがかかると合理的な判断をできなくなることがあります。

正しいことを正しく伝えても伝わらないことがあることを理解しておくと冷静に解決策を考えることができるはずです。

ぜひ、意識してみて下さい。

では、また次回お会いしましょう!

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