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2019.9.20 満州を喰った昭和の妖怪

満州と切っても切れない、とある総理大臣がいました。 

彼の異名は「昭和の妖怪」

岸信介です。

現総理大臣である安倍首相の祖父にあたる人物で、
佐藤栄作の実兄でもあります。
 
岸ほど、謎が残る政治家はいないのではないでしょうか…。

彼は戦後、内閣総理大臣をつとめますが、その経歴は、常識では首をかしげたくなる部分がいくつもあります。

戦時中、東条英機首相率いる内閣の閣僚として戦争遂行の一翼を担うことで経済を仕切り、戦後はそれらの理由からA級戦犯容疑で巣鴨プリズンに3年間拘束されましたが、

不起訴。

彼の戦争責任は 誰の目に見ても明らかでしたが、処刑されるどころか、連合国軍の占領が終わった翌年の1953(昭和28)年には代議士に当選し、それからたった4年で首相になりました。
 
なぜ彼はA級戦犯にもかかわらず、起訴すらされず、首相になれたのでしょうか?
 
これには様々な憶測がありますが、ひとつ戦時中の岸を語る上で欠かせない舞台があることは間違いありません。

それこそ、岸が戦中に絶大な権力を発揮し実質支配をした舞台、満州国です。
 
岸は、日本の支配下にあった満州国へ満州鉄道の高級幹部として派遣され、わずか3年の在任の間に、満州で3つの"財産"を手に入れました。

それが、
 
・統制経済による国家経営のノウハウ
 
・東条英機(当時、関東憲兵隊司令官)を筆頭とする関東軍人脈
 
・湯水のごとく使える金脈
 
です。

そして面白いことに、東京裁判での彼の不起訴にも 
この財産が、満州国が関わっていたというのです。
 
もちろん断定こそできませんが、おそらくはダイヤです。それを持って帰り、どこかに隠しておいて、占領が始まって、巣鴨のA級戦犯になったときに何か取引したんじゃないかと言われています。

このような一面こそが、岸を戦後「昭和の妖怪」たらしめたワケにつながります。

しかし当然、満州に目をつけたのは岸だけではありませんでした。

日本人の大物たちに加え、大国ロシアの要人も満州を狙っていたのです。

そこで始まったロシアとの過酷な交渉。

日本を代表して一人の外交官が挑みます。

この交渉で、彼の姿はロシア代表団の目に焼き付けられます。

彼が与えた印象は強く、4年が経ってもロシア入国を許可されなかったほどです。

そんな彼が繰り広げたバトルのような交渉の一部始終をもうすぐ記事としてアップ出来そうです。

アップした記事を見て頂ければ戦前、満州で奮闘した一人の男の姿を通して、明かされることのなかった歴史の裏側が鮮やかに浮かび上がってくるとおもいます。

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