愛媛で開幕している「長くつ下のピッピの世界展」。
子どもにとって、本がいかに大切なものかを再認識させてくれた。

スウェーデンで生まれ、７０年以上にわたり世界中で愛されている物語『長くつ下のピッピ』。
展示では作者のアストリッド・リンドグレーンの言葉が紹介されている。
「本のない子ども時代は、真の子ども時代とは言えません」

ベネッセ教育総合研究所の「小学生の読書に関する実態調査・研究」でも「子どもからみた読書の効果」を２点挙げていた。
一つは、分からないことを自分で調べるという「学びの広がり」、もう一つは「他者とのつながり」。
「本について家の人と話した」「友だちに本をすすめることができた」などの回答が多かった。

内面が深まり、周囲への目も開かせる──読書は自分の世界を豊かに広げる営みにほかならない。
そうして出合った思い出の一冊は、ずっと人生を照らしてくれる。

リンドグレーンの言う「真の子ども時代」は、“心が大きく育つ時”とも言い換えることができる。
本を開けば心が広がる。
それは、新しい自分との出会いにもなる。
子どもも大人も良書に親しんで、心を耕す時間を大切にすることは大事なことだと思う。