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「こいつだから何を言ってもいい」

何言ってんだこいつと思う人もいるだろうけど、やっぱりベトナムに住んでいる日本人の間では知られているんだなぁと思う訳です。私。先日も久々に街で声かかった。望むとも、望まぬとも、ただただ事実として、知られている。最近はベトナムに住みはじめて2~3年くらいの方には「知らない」と言ってもらえるようになり、あぁ、ようやく過去の人になりつつあるんだなと、嬉しくもなく悲しくもなく、ただ淡々と「そうなんだ」と思っている。

そんな数年間に渡って、いろんな人に何度も繰り返しかけられた言葉が「有名税」だ。これは確実に「だからひどい目にあってもしょうがないよね」という文脈で使われる。この言葉は決まって自分に被害が及ばない人が使うので、耳にするたびにイラッとする。ただ、いまだに「会ったこともない人間」を攻撃する心理が分からない。こっちが何をした訳でもない、下手すると名前も顔も知らないのに、あらぬ方向から石が飛んできてビックリする。

過去に会ったことがある人間からも言われたパターンもみっつほどある。「道で会ったのに無視された(そっちも無視しといてよく言う)」だの「あのとき俺をディスった(なぜそのときに言ってくれない)」だの「あいつと仲良くなるな(5分も話してないのに!?)」。そこでハッと思ったのが、「こいつだから何を言ってもいい」と思われているのではないか?って。そう、これがまさに有名税、を、徴収されているのではないのか。直接知ってるのに、「直接の知り合い」としてではなく、「何を言ってもいい有名人」として見なされている。そう思うと、なんかもう…ひどいことするなと…。

政治家も、タレントも、とかくひどいことを言われるのは、「税金で生活してるこいつだから何を言ってもいい」、「有名人でたくさん金ももらっているだろうから何を言ってもいい」、と思われているからだと思う。政治家は公人という立場もあるから微妙なところかもしれないけど、俺は有名税なんて訳分からん言葉を絶対に認めない。その言葉は、人を殺し得るぞ、お前はすでに返り血を浴びてるぞって。自分がやられたらいやなことはやめよう。

ただこれは先述の2ケースに限らず、それこそSNSやヤフーの記事の末尾コメントにでも目をやれば、そこにあるコメントというのは、「こいつだから何を言ってもいい」と思っている節がある。何を言ってもいい相手なんて、いないんだよ。その姿勢はほんと、クセになるよ。クセになって、ウッカリだれかにひどいことを言うし、身近な人たちを遠ざけることになるよ。

こいつだから何を言ってもいい。

これはシンプルにいじめの心理なので、みっともないので、やめましょう。百歩譲って口頭だけにしたら。ネットは半永久に残るよ、半永久にだ。

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\中吉/
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ネルソン水嶋@サルニークリエイション

海外ZINEというサイトの編集長、たまにライター。2011年に旅先で誘われベトナム移住、現地ブログ・べとまる開始。ダチョウに乗って走ったりドリアンを装備したりと人は羨まないが平和な人生送ってます。ライブドアブログ奨学金、デイリーポータルZ新人賞2014など受賞。@のうしろは屋号。
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