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誰もやらないことには理由がある

8月18日に行われた第4回のオンラインサロン響の定例会。
今回は認定NPO法人DxP(ディーピー)代表の今井紀明さんにお越しいただきました!

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Text by 佐藤 みちたけ(@mi_chi_sato

Design by 目黒水海(@minamimag


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DxPが寄付型NPOに特化した理由

メンバー:DxPの売上はほとんどが寄付だと聞いたのですが、それらはどのようにして獲得してきたのですか?

今井:8割〜9割は寄付ですね。2015年までは大学や専門学校、通信制高校でも私学と組んでいて事業収入も半分ぐらいありました。

でも、通信制や定時制高校でも公立の高校にいくと家庭や経済的に厳しい高校生の数が多い。例えば経済的に厳しい家庭、プラスして親からお金を搾取されていたり、虐待を受けているとか。もしくはひとり親家庭など。

しかし、公立の定時制や通信制高校でプログラムを組んだり就職のサポートをするが、ほとんど費用はもらえない。たとえば、私たちが高校生たちと出会うきっかけになる「クレッシェンド」のプログラムで1ヶ月で90分の授業を4回するといくらもらえると思いますか?ボランティアさん10名〜20名ぐらいコーディネートもしていて、いくらもらえると思いますか?

1万円くらいです。

それだとアプローチしたい生徒にアプローチできない。だから寄付を集めています。授業は不登校の生徒や、ヤンキーの生徒まで色んな生徒が来るので、授業で関係性を作る。「高校」というコミュニティが入り口になっている。そこが重要なので寄付を集めて事業として動いています。

どうやって集めているかというと、個人寄付者さんが多くてしかもインターネットからの流入やイベントなど。
Twitter経由も多いし、Facebookのコミュニティでも日々更新をしていてそこで経営方針とか給与まで公開して全部公開しています。

うちの組織形態の面白さにも惹かれている方が多いと思います。あとは法人スポンサーも多くいるし、資産家からも結構集めています。

メンバー:今井さんってTwittet始めたのは最近ですよね? それまではどうしていたんですか?

今井:Twitterは本格的に使い始めたのは1月からですね。それまではFacebookメインでしたが、アルゴリズムが変わってなかなか投稿が見られなくなってしまったのでTwitterにしました。

Twitterだと上限人数は無いし、結構広がりやすいと思って使い始めました。
ただ僕がTwitterを使ってこなかった理由が1つあります。14年前にイラクで人質になった経験があって、対人恐怖症とかもあって、精神的に回復するのに4,5年掛かったんです。

そこから回復して起業したんですけど、今年の1月に幹部メンバーに「紀さん我慢してない?Twitterとかでもっと発信していいよ!」と言われました。事務所にも僕に対して色んな電話が来てたりしたけど、そういうのも我慢しなくていいよといわれたので、Twitterでの発信に重きを置き始めました。

そしたらフォロワーが急に増えて、プラスして寄付も集まりやすくなったので、そういった形で今は寄付集めをやっています。
あとは対面でも結構あって、イベントや対談が最近増えてきたので、そこからも寄付者になってもらっているケースも多い。

メンバー:個人資産家の方とはどうやって繋がるんですか?


今井:Twitterです。関西って寄付を集めるのがなかなか難しくて…。個人から集めたりもしたんですけど、もっと投資家とか資産家のレベルで共感してもらうことってできないかなと思って。

NPOの面白いところは企業や行政がターゲットにしない部分の社会課題を解決していけるところなんですよね。10代からの支持もあるし、Twitterでも連絡きたりするんですけど、文化も作っていくという意味で、NPOはコスパが良いなと思っています。

うちは有難いことに、ボランティアさんがは250人くらいいるので、いろんなことができるんですよね。だから社会を変えていくという点ではムーブメントを起こしやすい。
それでエンジェル投資家とかが寄付してくれればいいなと思って、Twitterでは「エンジェル寄付」という言葉を作ってnote記事も書いたりしました。

そこからコンタクトとってくれる人も出てきたので、直接会いに行ったりしています。
今考えているのが、数10万、数100万円単位の寄付だったらプレスリリースを出そうということです。

寄付にメッセージをつけようと思っていて、プレスリリースに「なぜ寄付したのか」「何を変えたいのか」などのメッセージを表に出してやっていこうと考えています。
あと「寄付って安定性がどうなの?」ってよく言われます。

DxPは個人の方の寄付継続率が極端に高くて、離脱率が低いです。やっぱり関心を持って継続してくれる方が多いので有難いことだなと思っています。

誰もやらないことには理由がある

メンバー:私は色々なビジネスに取り組んでいて海外へ行く機会が多いです。コスプレ文化を世界に広めるために、クラウドファンディングを使ってヨーロッパに行ったりしてきました。年に何回も海外に行くとなったら、毎回クラウドファンディングはできないと思っています。そこで寄付の募り方についてコツやアドバイスを頂けると嬉しいです。

今井:基本的に寄付型NPOはなんで寄付でお金を集めているのかというと、企業や行政ができない対象の課題っていうのを解決していこうということがあります。だからこそ寄付でお金をもらって、どんな問題を解決するのか。そして、解決したあとにどのような社会まで持っていきたいのか、それを見せることが大切だと思います。

うちでいうと、定時制・通信制高校の子は30〜40%が就職・進学できないとか、生活保護を受けている家庭の子は親から生活保護を引き継ぐ割合が25%くらいなんです。
だから就職先を見つけてあげたりとか、起業でもいいですけど、自分でお金を稼ぐ力をつければ、税金を納めることにもなるし。自分でお金を稼ぐ力をつけることを、行政も企業もやってないからやっています。

前提として重要なところは、誰もやらないっていうのは理由があって「誰もやらないのはお金にならないから」なんですね。だからそこに特化してやると2012年創業当時から僕は決めています。最初の3年間くらいは死にそうだったけど、やっていくうちに寄付のことが段々と分かってきて、それで寄付型に変えてやってきました。

質問者さんの話でいうと、なんとなくNPOっぽくはないかなと思いますね。
先程も言いましたが、企業や行政がとり組まない課題を解決するっていうところに共感性ができたらNPOでやってもいいと思います。
ただNPOは結構シビアで、僕らも悩みながらやってますね。

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