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歌、詩、唄、うた、ウタ

歌、詩、唄、うた、ウタ、これらがしっぽについてる曲はだいたい良い。

というわけで、色んなアーティストが出してますよね、これらがついてる曲。でもさ、あれ何が違うんだろうね??別にどれでも同じじゃないの??わざわざ漢字変えたりする意味よ。どれでも変わらんだろうに。その日の気分で決めてるんじゃないかな。この前唄使った気がするから今日は詩でいいや。占いでうたが良いって出てるからうたにしよう。こんな具合じゃないの??十分か充分みたいなもん。卵か玉子かみたいなもん。全部同じやん。大して変わらん。ちなみに、調理される前が卵、調理されたら玉子、らしいですね。どうでもいい。

と、こんな頭悪い人みたいな考えおっ広げても無益ですから、せっかくなので歌と詩と唄とうたとウタの違いについて、Mr.Children、BUMP OF CHICKEN、いきものがかりを例に考えてみようと思います。てかコイツミスチルとバンプといきものがかりしか詳しくないんか。いっつもそればっかりやん。


①歌

はい。最初は「歌」です。これは、その名の通り歌です。歌に使われます。歌だから歌です。以上。



で終わるわけにもいかないので少し考えてみる。これが題名で使われる曲と言えばMr.Childrenの「優しい歌」。優しい歌は非常に単純明快な曲で、再生時間も3分ちょい。本当に、ただただ優しい歌。凝った曲にありがちな、「優しさを現しながらも、メタファー的に人間の弱さや醜さを見せている」とかそんなんじゃない。ただただ優しい歌。それ以上でも以下でもない。ミスチル多いじゃん。曲名に込められた意味が凄いとか、韻が凄いとか、桜井さんの歌い方が凄いとか。そんなんじゃない。そんなんばっかり聴いてたら胃もたれ起こすよ。たまには優しいだけの歌があってもいいじゃない。

だから、基本的に「○○の歌」「○○な歌」という曲は、シンプルなテイストのものが多い気がする。


②詩

ここまでくると、「歌」よりは重たくなってくるよね。代表例はこちらもMr.Childrenで名もなき詩。大名曲。大大大名曲。あの天下のミスチル様の中でも2番目に売れた曲。やばいよね。何てったって歌詞がすごい。愛はきっと奪うでも与えるでもなくてホニャララ。成り行き任せの恋に落ち時には以下略。谷川俊太郎さんもびっくり。まどみちおさんも仰天。相田みつをさんでもゴーストライター検討するレベル。言い過ぎました。あとは、かなりマイナーですがいきものがかりの恋詩。これも、いきものがかりの一般的なバラードのイメージではなく、激しくも切ないロック。もちろん歌詞も一風変わってる。

絡まった蜘蛛の巣があたしを指差して 浮ついた胸の奥に皮肉を投げる
快楽に溺れし人の涙は 儚き夢の証
彼方に生きる民にあたしは無力 憂うべき運命(さだめ)に何を祈る
現実に流れし人の涙は 眩しき夢の魂      (恋詩)

ふだんのいきものがかりからは想像できない歌詞だよねぇ。

とにかく「詩」は歌詞が凄いイメージ。詩吟とか詩歌の意味での「詩」も、日本語の巧さや美しさが評価される。名もなき詩も、日本語の意味の素晴らしさと語感のよさがフルに発揮されてる。恋詩も同様。「詩」がつく歌は、そこら辺の歌とはやっぱり一線を画してるのかもしれないね。


③唄

こちらも歌よりは高貴で洗練されたイメージがある。「詩」の文学的な凄さではなく、「唄」には、ある程度の世界観みたいなものが曲の中に内包されているんだと思う。

唄といえば、BUMP OF CHICKEN。くだらない唄、とっておきの唄、車輪の唄、飴玉の唄、友達の唄、続・くだらない唄、まだなんかあった気がする。とりあえず思い付いただけでもこれぐらい。全部BUMP OF CHICKEN。全部作詞作曲藤原基央。ここまでくると、「今日は唄使ったから明日は歌使ってみようかな」って作戦で曲作ってるとは到底思えない。そしてBUMP OF CHICKENの曲と言えば、まさに世界観の深さ、世界観の広さ、世界観の画一性。それぞれの唄に独立した世界観が広がり、歌詞を追えば追うほどその世界に呑まれていく。嵌まったら最後。一生抜け出せない。ようこそこちら側の世界へ。

あとミスチルでいえば、旅立ちの唄が思い浮かびますね。旅立ちの唄なら、タイアップ元である「恋空」のイメージが入っているのかな。いわゆるケータイ小説といわれる類いのヤツの、いい意味で安っぽい、でもシンプルで感動できる物語。これと旅立ちの唄が非常にリンクしている。歌よりは作り込まれてるんだけど、詩ほどしっかりもしてない、ちょうどいい立ち位置。まあでも、ぼくの考えでいけば旅立ちの唄だけに関しては旅立ちの歌でもよかったよね。おっとここまで言うと桜井和寿さんサイドから消されるかもしれないのでやめておきます。以上の発言はすべてフェイクです。まがいもんです。

てか、「唄」って漢字のもともとの意味を知らないなぁ、何だろう調べてみよう。調べてみた。けどよく分かんない。ただ、「唄」と「詩」はだいたい同義っぽい。要するにぼくの解釈はあながち間違ってはいないってことかもしれない。「歌」という原点的な存在がいて、ことばを突き詰めた形が「詩」、曲全体としてもっと突き詰めたのが「唄」。これでいいのか。もうここまで来たら、自分を信じるしかない。


④うた

さて、うたです。歌じゃないんです。うたです。平仮名です。違いますひらがなです。めちゃ分かりやすい。歌よりシンプル。画数も劇的に少ない。

ってわけで、「うた」が付く曲は、「歌」で紹介した「シンプルなテイスト」ってものよりも、もっとシンプル。「歌」が小学生向けなら、「うた」は幼稚園向け。もはやそのレベルだよね。童謡みたいな。僕が「うた」と聞いて一番最初に思い付いたのは、みんなのうた。みんなのうたとかすごいじゃん。あんなん分かりやすさの権化じゃん。親しみやすさの鬼じゃん。みんなのうたでpink~奇妙な夢とか乗車権とか流されたらたまったもんじゃないよね。YELL流してほしいよね。唄や詩じゃなくてうた流してほしいよね。

あとはMr.Childrenのかぞえうた。これも、これでもかと言うほど角を削ってヤスリかけて仕上げにワックス塗ったんじゃないかって位に、綺麗にまとまってる。肌に垂らしたら3秒で浸透してしまうんじゃないかって位にすぐ馴染む。「歌」よりも、もっともっと抽象的。


⑤ウタ

さてウタです。これに関してはよくわかりません。ごめんなさい。ただ、いきものがかりでハルウタとハジマリノウタってのがありす。「ハジマリノウタ~遠い空澄んで~」が正式名称ですが。これはなんだろうなぁ。うたではなくてウタ。始まりの歌でも始まりの詩でもなくてハジマリノウタ。春詩でもはるうたでもなくてハルウタ。もうこれは作曲者に聞いてみるしかない。山下穂尊さんに直接問うてみるしかない。ただひとつだけ言えるとしたら、「うた」や「歌」に共通したイメージがやっぱりある。分かりやすくてシンプル。



はい。いかがだったでしょうか。同じ読み方でも見方を変えればなんとなく違いが見えてくるもんですね。図るも測るも計るも量るも謀るも諮るも全部同じ読み方ですが意味や用法が全く違う。日本語ってむずかしいよね。でも、日本語をちゃんと理解するとほんと面白いよね。ってことで、みんな日本語力鍛えようね。小さい頃から本読もうね。ちなみに僕が小さい頃は鉄道の本ばっかり読んでました。日本語力のかわりに、出来損ないのオタク根性が育まれていきましたとさ。めでたしめでたし。

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