見出し画像

意味がわかると怖い話 をやってみたかった人

あるところに、元気ハツラツな10歳の男の子がいました。
彼の家は決して裕福とは言えず、家はしょっちゅう雨漏りに悩まされ、食事は毎日米ともやしだけ、という生活が続いていました。しかし父と母は、唯一の子供だった彼を、まるで自分の命のように、大切に大切に育てていました。

ある日の下校途中、男の子は道端に光る不思議な壺を見つけました。
それを持ち上げて擦ってみると、中から魔人が出てきて、男の子にこう言いました。

「坊や、君の願いをひとつだけ叶えてやろう。しかし、その代わりに君の寿命を半分だけいただこう。さあ、どうする?」

迷いながらも、少年はこう答えました。

「僕の住む家を裕福に、僕の家族をお金持ちにしてください。僕はどうなってもいいです。まだ僕の人生はたくさんあります。半分になったところでへっちゃらです。それより、父さんと母さんを幸せにさせてあげてください。」


そう言うと魔人は「ほほう、いい子だね。願いを叶えてあげよう。」と、言い残して壷の中へ消えていきました。


その瞬間、男の子の目の前には一億円が置いてありました。
それをこっそり持ち帰り、父と母に事情を説明して一億円をあげました。父と母はたいへん喜びました。


次の日、男の子は満ち満ちた表情で息を引き取りました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?