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【心安】ラオスビエンチャンを知る旅

ビエンチャン。村上春樹のエッセイにも登場するラオスの首都。人口はおよそ82万。「世界一何もない首都」との異名どおり、特に「これ」と言ったものはない。

しかし、同時にこの国は2008年New York Tlmes誌「世界一行きたい国」にも選ばれた。その魅力はなんなのだろう?今回は僕が4泊5日のラオス旅(と言ってもビエンチャン)で感じたことを、体験談を軸に共有する(*時系列には沿っていません)。

1,首都を歩く

ビエンチャン、特にダウンタウンを歩いてみてほしい。先述の通り、これといって特別なものはないし、タイに住んでいる僕にとって、既視感さえ感じる「お寺」が何個かある。お気に入りの音楽を聴きながら、周りを見渡しながらメコン川沿いを歩いていると、日常のちょっとしたことを考えてしまう。ラオスとはあまり関係がないけれど、「タイでのインターン」のことや、「ヨーロッパでの留学」のこと、更にはもっと昔の「京都での学生生活」について。知らず知らずのうちに「比較」して「学んで」いる。いつも見ていた高層ビルも、スーツを着たビジネスマンも、都会の喧騒なんて言葉はこの国には全く似つかわしくない。そもそも人が歩いていない。見る人、見る人、そのほとんどが外国人だ。一体現地人はどこにいるのだろう?この国では道を歩くということが一般的ではないのか?と思うほどの人の少なさに驚愕していると、ラオスで一番大きいと言われているショッピングモールに着いた。しかし、本当に品揃えが薄い。この国の人は一体どこで買い物をしているのだろう?外で食べるということが一般的ではないのか?色んな疑問が沸き立ってきた。

タラートサオ・ショッピングモール

2,話してみる

タイのドンムアン空港のイミグレーションの列に並んでいた時、僕は後ろに並んでいたタイ人・アメリカ人夫婦に話しかけられた。「あなたタイ人?この列はタイ人の並ぶ列なの?」覚えたてのタイ語で「日本人」と答え、確信はなかったが「たぶんここで大丈夫」と伝えた。すごく気さくな人で、これからバリに行くのだとか。2人の関係性への疑問を抱きながら、僕はラオスに行くことを伝えた。どうやら、アメリカ人(おそらく…夫)の方は行ったことがあるようで、おススメの場所を教えてくれた。

僕はラオス空港に着いた。明らかに外国人だろうという人々がアライバルカードを記入している。南米系と思われるカップルの女性の方が僕に「そのペンまだ使ってる?」と聞いた。又ヨーロッパ系と思われる50代くらいの女性は「Surnameって名前だっけ?」と聞いてきた。おそらくこの国で「外国人」はより一層団結するのではないかと思った。そもそも、ラオスに降り立つ外国人の数なんて一便にそう多くはない。大半が「ラオス人」「タイ人」の中、もう1つの括りは「それ以外」となるだろう。

空港を出ると、SIMカード七日間有効(相変わらず激安)を購入し、バスを待つことにした。この国ではタイバーツが使える。最もバーツで支払ってもラオスキープで帰ってくるのだが。インフォメーションセンターの丁寧な接客を受けていると、定刻1分前にも関わらずバスが行ってしまったようだ。しょうがない。僕は30分以上待った。

バスを降りると、目と鼻の先に予約していた「Lao Hotel」が見えた。精算を済ませようとすると、なんとカードリーダーが壊れているからカード支払いはできませんとのこと。現金はあまり持ち合わせていなかったので渋々引きおろすことに。相変わらず引きおろす時の「通常預金」「当座預金」の選択には迷わされる。なんとか、もろもろを終え早速寝ることにした。

3,幸せとは何か

旅をするたび考えることがある。あげだすとキリがないが、例えばこの国の人にとって幸せとは何だろう?とかそうゆうことだ。その国の人の生活を一瞬だが垣間見て・話して、想像に過ぎないがふと考える。それこそ昔は「お金」「地位」だと思っていたが、どうやらそれが全てではないというのはいつからか潜在的に知っていた。

今回の旅ではなぜだろう?強く感じたことがある。それはビエンチャンの人がすごく幸せに見えたということかもしれない。あくまで推測に過ぎないが、微笑みの国「タイ」の人より、少なくともバンコクの人よりも幸せそうに僕には思えた。歩けば野良犬に出くわし、黒い排気ガスが出る車を横に平然と歩いていても、この国の人の接客を通じて感じる幸福度。この国の人の笑顔はすごく素敵だと心から思った。疑問に思う方は一度訪れてほしい。確かに「何もない首都」かもしれないけれど、「目に見えない何か」がここにはある。僕はそれだけで満足だった。

歩くだけで汗が止まらず、目には砂が入る。ダウンタウンには数軒のお洒落なレストランがある。空いているか空いていないのか、そんな判別がつかないローカルレストランも。彼らの心の余裕はどこからきているのか?何が彼らの幸福度を高めているのか。その疑問に答えらしい答えをつけるのは簡単だろうけど、あえて今回は謎のままにしておく。確実なことは、彼らの笑顔は、幸福に満ち溢れているように見えたということだ。

4,歴史に触れる

ラオスキープをいくら持っているのか分からない。桁も大きいし、バーツも使えるけれど、そもそもあんまりお金を持ってこなかったのでキッチリ払えるだけの現金があるのかも分からない。カードが使えるあのヨーロッパの安心感はないな〜と回顧していると、フランスの統治下の象徴「パトゥーサイ(凱旋門)」を見つけた。

街中を歩いていると、この国は主に「日本・韓国・中国」と関係性が深いことに気づく。下記の3枚にもあるように、ラオスはこれらの国に援助してもらった歴史があるようだ。確かにスーパーで買い物をしているとき、商品を一瞥すると、英語の他に中国語、韓国語の表記が併用してある。更に言うとひとり旅で1枚目の写真が撮れたのも中国人の団体旅行客のうちの1人にお願いしたことによる。その時は気づかなかったが、もしかすると彼は中国とラオスの関係性を写真に残すため、僕のポジションを変えたのかもしれない。

5,最後に一言

いつも旅に出ると事前に調べ物をする。徹底的に検索しまくる。しかし今回はあまりしなかった。思いの向くまま・気の向くまま、Google mapを見ずにお気に入りの音楽を聴きながらひたすら歩いた。対岸のタイ領を横目に、メコン川沿いを歩いて・歩いて・歩いた。たまにはそんな旅もありかな、というより本来の旅ってこうゆうことなのかなって思えたことが今回の収穫かもしれない。まさにビエンチャンは「心安の地」と言えるだろう。

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