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平山笑美さんとの初コラボ曲「ピコピコブー」について

年末のコミックマーケット95(通称冬コミ)で声優の平山笑美さんとコラボCDを出すことを発表したら予想以上に反響がありました。どういう経緯なのか興味のある方もいらっしゃると思いますので、いつものように制作記的に書いてみます。

そもそも私が平山笑美さんと知り合ったのは、平山さんが所属していた前の事務所と付き合いがあり、YouTube番組に呼んでいただいたのがきっかけでした。その時のパーソナリティーが平山さんで、番組中に「私に曲を作るならどんな感じですか?」と聞かれ、「フレンチポップみたいなのですかね」などと当たり障りのないやり取りをしました。その後平山さんとは偶然ライブの楽屋で二度ほど会った程度でとくに交流もなく、気づいたら2年が経っていました。

そして今年の11月初め、そろそろ冬コミの準備をしようと思い、本当はうちのバンドfairly hairy situationの新譜を作りたかったのですが、ボーカルの北澤さんが桃色革命の活動で忙しいのと、バンドのレコーディングはかなり時間がかかるので早々に断念し、何か小回りの利く創作活動はないかなと考えていたところ、「そういえば平山さんと何かできないかな?」と思い立ちました。

平山さんは歌が上手い印象がありましたし、性格もいいですし、ちょうどフリーになって身動きが取りやすそうだし…「頼むならこの人しかいない!」とダメ元で連絡してみたところ即答でOKが出ました。いつも思うのですが、レスポンスがいいことはとても大切だと思います。

たまたまその時、いつもお世話になっているアニメ制作会社の社長さんに「平山さんと今度CDを作ることにしました」と報告したら「もしかしたらうちの番組で使えるかもしれないから完成したら聴かせて」と言われました。そこは子供向けのショートアニメとかをよく作っている会社なので、子供向けアニメの主題歌を想定して作ることにしました。

いつも通りスムーズに曲のデモは出来たのですが、自分の書いた歌詞がどうも納得がいかなくて…大人っぽい言葉ばかり使っているのです。そこで平山さんにお願いして子供らしい単語や言い回しなどを考えてもらい、書き直しの挙句、第3稿でようやく満足できるものになりました。気づいたら半分ほど平山さんの作詞になっていました。アレンジ作業も歌詞に引き寄せられるように順調に進みました。ちなみに「ピコピコブー」というのはサビのシンセが「ピコピコ・ブー」と鳴っていたので、そこから取りました。単なる擬音語で意味はないです。

レコーディングも無事終わり、平山さんに「今回手焼きCD-Rで頒布しようと思うんですが(手焼きの限界だと思われる)100枚だと多いですよね?」と相談したら「100枚で余ったら悲しいんで50枚でいいんじゃないですか」という返事をもらい、自分も合意して50枚限定頒布という結論に至りました。

翌日告知ツイートをしたところ予想外の反響があり、即座に「50枚では少な過ぎる」とツイッターだけでなく、知り合いからのメッセージなどでもお叱りを受けました。実はこの50枚っていう数字は根拠がないわけではなく、ここ最近の平山さんと私の物販の実績から導いたわりと合理的な数字だったんですが…。

そこで急遽ツイッターでアンケートを取ったところ4,266票の投票があり、「コミケで買う」が20%、「通販で買う」が80%という結果になりました。当然手焼きはやめてプレス生産(スケジュール的にバルクならぎりぎり間に合うということで)に変更して、盤面のイラスト(当初は手書きで曲名を書く程度を想定していました)を平山さんが描いてくれることになりました。べつにこちらからお願いしたわけではなく、自主的に言い出してくれてありがたかったです。通販に関してはとらのあなとメロンブックスに委託することでクリアしました。
追記:とらのあなとメロンブックスは手数料がかかるため販売価格が771円(税込)になります。これ以外に送料がかかる場合もあるため、もしお近くに店舗がある場合は店舗でお求めください。なお、手売りはずっと500円でお得です。

当初は自分が曲を作り、平山さんには歌を歌ってもらう程度のよくありがちな役割分担のつもりが、最終的には作詞の半分とデザインまでしてもらい、完全な共同作業になりました。声優さんとサウンドクリエイターでこんなコラボはかなり珍しいと思います。おまけに直筆サインまで書いてくれる平山さんには本当に感謝しています。音楽をやる上で人間性って大事だなあと再認識しました。

というわけで、短い時間の間にいろんなことがあり、間違いなく思い出に残る作品になりました。絶対気に入ってもらえるCDだと自負しておりますので、なるべく多くの人の手に渡ると嬉しいです。そして次に続きますように…。


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