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【F1 2020新車レビュー】ウィリアムズ新型マシンFW43徹底考察

古豪復活なるか。ウィリアムズが発表した2020年シーズン新型マシンFW43

■チームデータ
 運営企業 :WILLIAMS GRAND PRIX ENGINEERING LIMITED
 チーム名 :ロキット・ウィリアムズ・レーシング
 シャシー :ウィリアムズ
 エンジン :メルセデス

■背景
 2017シーズン5位から急転。2018年わずか7ポイントしか獲得できなかった2018シーズン。
 挽回を期した2019シーズンは、新車開発が遅れ、開幕前テストマシンすら持ち込めない状態でスタート。
 ドライバー自身が「怖くてドライブ出来ない」「根本的な欠陥がある」と語るほど車体に問題を抱えてしまう。更にはレギュレーション違反も指摘され開発はほぼ進まなかった。
結局、シーズン僅か1ポイントを獲得するのがやっとという状態でシーズンを終了。

20シーズン。
レッドブルで副チーフデザイナーを勤めていたデイビッド・ワーナー。更にルノーでコンポジットデザインの責任者を勤めていたアダム・カーターをチーフエンジニアに迎えてチーム体制を強化し望む。


■新車(FW43)

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■ファーストインプレッション
 見た目の通り、タイトルスポンサーのROKITのメインカラーである赤が増えたトリコロールに変更。
車体に関しては、当然潤沢な資金を投入して新しいコンセプトに費やす事も出来ない、またそう言うシーズンでも無いので、トレンドを取り入れて極力シンプルにし、サイドポッドから後方にかけて絞り込みを行ったという印象。
ポイントはそんなに多くないですが、見ていきましょう。

1、シンプル回帰フロントウィング&ノーズ
フロントウィングはアルファ・タウリやメルセデスのように、緩やかなハの字と翼端板をカーブさせることでアウトウォッシュを生み出そうという思考を継続。

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ノーズ自体は昨年のものよりも若干細くなっている印象はあるけれど、細型ノーズというわけでもない絶妙な太さを採用。ノーズ脇はコンセプトを変更。昨年ノーズ先端に小さく開いていた空気取り込み口をなくし、フィンを延長。ノーズの上下でシンプルに気流を分ける方式に変更している。

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2、トレンド採用バージボード付近
バージボードからサイドポッドを前面から見ると大きく3つの変更が見られる。ひとつはバージボード付近。青丸で拡大した部分はレッドブルやアルファ・タウリが採用しているトレンドに合わせた仕様を採用。

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もう一つは、サイドポットのエアインジェクション下部の結構過激なに削り込み
 三点目は、赤まるで囲った部分を拡大して気が付いたのだけれど、インジェクションに沿うような形で整流フィンが存在する。
車体後方を大きく削りこんでいることからも、車体から剥離させずにいかに多くの空気をリアに送り込むかを考えている物と思われる。

3、注力開発ポイントサイド
そしてサイドの形状はメルセデスが過激に削ってきたことで想像出来る通り、内部レイアウトが大幅に変更され、小型化が可能になっていると思われる。同様に青い部分と赤い部分のふたつを大きく削ってきている。

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この部分を拡大すると、特に前方は大分過激に削っている。サイドポッドの下部を大きくえぐるだけでなく、上部もえぐって、取り入れた空気を流すライン以外を積極的に潰しに行っている。
更に面白いアプローチなのか、後半がどれだけ潰せるか分からなかったからなのか、
まるで前面からの空気を車体のフロアに導く道のように結構綺麗なレイアウトにになっている。

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■総括
メインリソースはおそらく来年のマシン開発に回し、今年はサイドに開発リソースを集中したことが伺える。カスタマーにも関わらずここまで削れているということはメルセデスとの情報共有が非常に密に行えていると思われる。
選択と集中という決断で今いるポジションからの脱却を図るという明確な意思。

どこまで行けるのか、個人的には凄く楽しみです。

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