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かわいいこと

もともと、おしゃれには疎いほうのわたしだが、子育て中心にいそしんでいるこの10年ほどは、とくにおしゃれよりも機能性や耐久性重視な服装がほとんどだ。

男子3人を育てていることもあってか、ほぼほぼスニーカー、スカートはロングのものをたまに履くくらいで、パンツやスカート風パンツスタイルがほとんどだ。

女の子のアニメに対してや、ピンク色のタオルやTシャツを身につけさせようとすると
「きもいー!」なんて3人そろって言う、我が家のTHE男子たち。

それでもわたしがたまにスカートを履くと、とても褒めてくれる。

最近はしていないが、ネイルをたまにしたときには3人して覗きこみにきてくれる。

アクセサリーもほとんどつけないが、つけたときにはあからさまに嬉しそうにしてくれる。

そうか、そういうふうにしていたほうが、嬉しいのか。
さすが男の子、やっぱり女の子にはかわいらしさを求めるものなのか。

とは思うものの、日々をこなすなかで、どうしても “おしゃれ” や “かわいらしさ” は後回し後回しになってしまう。

夕食後、次男と三男はなんらかに変身して戦っており、長男はYouTubeでしょうもない替え歌をみながら歌いまくっていた。
よくある光景だ。

わたしは夕食の片付けが終わると、いったんソファにごろんとなるか、ダイニングテーブルでプリント類にじっくり目を通すか、というのが定番の流れだが、今日は頼まれものの “折り紙メダル” をせっせと折っていた。

すると、
「ママ、かわいいことしとるやん」 と次男がまっさきに気づいた。
次男は何かをつくるのがすきだが、折り紙よりもダンボール工作や廃材アートをよくやりたがる人だ。
折り紙なんて、と思いつつも、本当は教えてほしそうだが、わたしにいま教えてというとまずいかな、というかんじをもちながら見にきた。

三男はいそいそと自分のおりがみBOXを持ってきて、一緒にやりたい!と正面に座った。
本当はやりたかった&気を利かせた次男が、わたしの解説と手元を確認しながら三男を手伝ってあげることになった。

長男は、背後で繰り広げられていた戦いが静かになったので、悠々と歌をうたいつつ
「ママ、それ上手だもんね!」と、オレは知ってますよ、ママがそういうのほんとはけっこう好きなんだって知ってますよ、という空気を出してきた。

あぁ、折り紙を折るだけで、かわいいことしとると言われ、こんなにもやさしく寄り添われるとは、、、
わたしの普段、どんだけかわいくなんだ?!と、逆に不安になった。

ママはママのままでいい、という長男5年生。
髪を伸ばすともっとかわいいと思う、という次男2年生。
スカートやピンクを着たらもっとかわいい、という三男年少さん。

よくよく考えたらこの人たちとこんだけ四六時中いっしょに暮らすのなんて、実はそんなに長くない。

追われるような日々ではあるけれど、少しは “かわいいこと” にもアンテナ張り挑戦していきたいものだ。

「ママ、かわいいやん」 と言ってもらえるうちに、少しでもその言葉、いただいておきたいと思う。

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