本を読む習慣を持ってほしいと願い本屋に行ったときの話

ウチには、暇さえ…というか“隙”さえあればテレビゲームをしたがる三兄弟がいる。
本を読む楽しさとか、ゲームにはない体験をしてほしいという願いを込め、小学生の長男と次男に1ヶ月に一冊本屋で本を買おうという提案をしてみた。
この提案には、図書館で本を借りる、とはまた違った角度から本を選んでみてほしいという思いもふくまれている。

そうして行った、本屋での話。

1ヶ月一冊のルールはこうだ。
・500円図書カードを1枚ずつ渡し、足りない分は基本的には半分は自分のお小遣い、残りの半分はわたしが応援で出す。(少し値は張るが、これはいいね!というものはわたしが応援する割合を上げることはある。その逆もある。)
・ジャンルはなんでもいい。(といいつつゲームの攻略本だけは却下)
・とにかく自分で目で見て、手に取り、考えて決めて買う。

次男はその提案を聞いてすぐ「コロコロコミック」を買うことを宣言した。
これまでは盆と正月、お小遣いが潤っているときに自分で買った「コロコロコミック」をボロボロになるまで、いや、ボロボロになっても何回もみていた小2の彼にとって、毎月手に入れるチャンスがあるとは夢のような話だ。

あまりに浮かれているので、一応、本屋に行って他に欲しい本がないかを探す約束と、仮にコロコロコミックを買うとしても「何回も連続はなし」とくぎをさした。もちろん、この1ヶ月一冊チャンスとは別に完全自腹なら毎月買っても構わないことも伝えた。

結局、次男は本屋のキッズコーナーをぐるりとしていくつか絵本や謎解き本を見た後に「コロコロコミック」を手にし、これにする!と初志貫徹。
代金は570円。70円足りないが、コロコロコミックの場合は足りない分半分応援制度は無効とすることを伝えるも、なんの異議もなく嬉しそうにレジへ。
図書カード1枚と50円玉1枚、10円玉2枚を握りしめ床にある矢印通りに並んだ。
お次のお客様、と呼ばれ軽くスキップしながらカウンターにコロコロコミックと握りしめていた代金を出している。
何か聞かれ首をかしげたあとわたしの方を見た。
使用済みになる図書カードを破棄していいかと聞かれたようだ。
オッケーと指でサインすると、レジの店員さんは「ポイントカードお持ちでしたらポイントおつけしますよ」とわたしに声をかけた。じゃあ、と思い近くへ行くとその爽やかな青年のネームプレートに研修中の文字がある。
ポイントの件は離れた保護者にも確認を取る、とマニュアルに書いてあるのだろうか。いや、そんなわけない。
彼の機転だ。
マジメかっ!やさしさかっ!
わたしはポイントが欲しくて待機していたわけではなく、あくまではじめてのおつかいを見守っていただけだ、というていをしっかり出すべく
「ここポイントつくんですね。あったあった。じゃ、一応お願いします」とカードを渡しポイントをつけてもらった。
スマートにポイントをつけ、スマートにポイントのレシートとカードをわたしに返すと
つづいて次男に対し、コミックのレシートはすでに袋に入れていたコミックといっしょに入れる旨を伝え、丁寧に品物を渡した。
そして爽やかな笑顔で「ありがとうございました」と言った。

これはもう、100点でしょう。
研修中バッチは今すぐはずして、
早急に時給アップすべきです!
と、店長に言いたくなる研修中の店員さん。

その知的で爽やかな印象が鮮やかすぎて、帰り道、我が子たちにいつかバイトするなら本屋さんでしてみるといいかもよ、なんて話をしてしまったのは言うまでもない。

ちなみに、長男は選ぶことに迷いすぎて本酔いしてしまったので、この日は購入せず。(彼は旅先でのお土産選びでも驚くほどに時間がかかる。間違いなくわたしのDNAだ。)

それでも、無念さが残っていたのか、帰り際に出入り口付近のコーナーで立ち止まり、メンタリストDaiGoさんの本にちょっと手を伸ばしてみたところ、斜め後ろから白髪のおばさまに「何年生?DaiGo好きなの?わたしもすっごく好きなの。素敵よねぇ。」と話しかけられていた。
どうするのかと観察していると、戸惑いながらも「5年生です。DaiGoは学校でもけっこう人気です。」と話し笑顔で会釈してから、先に進んでいる次男に「あ、ちょっと待ってー」と言いながら小走りで出口へ向かった。
おばさまは、そんな長男をにっこりと見送ってくれていた。

本屋に行く、ということは
本を選ぶ、買うだけでない体験が待っているものだな。

また、ぜひ本屋に行こう、と思った。

※追加のルール
・必ず記録をつける。
内容はともかく、真似たとはいえ紙飛行機がとてもよく描けていて感心した。

#読書 #本屋 #育児 #日記

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