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はじめて虹をみた3歳

うちの末っ子三男坊、3歳。

クレヨンで虹を描くのが大好きで、いろんな色を順番に持ち替えては一生懸命バームクーヘンみたいな虹を描く。

色の順番など適当に、好きな色を好きな順に重ねていく自由な3歳。

学生時代に虹の色の順番を習ったとき、
音読みってこのときのためにあるのか!とその響きのかっこよさに感動して何度も口にしてたわたしは、
虹を描くとき
赤 橙 黄 緑 青 藍 紫
セキ トウ オウ リョク セイ ラン シ
と、無意識に言いながら描くし
虹を見たときもやっぱり
赤 橙 黄 緑 青 藍 紫
セキ トウ オウ リョク セイ ラン シ
と、無意識に色を数えるように見る。

だから、虹好きな三男にも、ついそれを教えたくなるのだが、余計なお世話のようだ。

今日、彼は生まれて初めて本物の虹を見た。
夕方、急に雨がドシャーと降ってびっくりだったけど、15分くらい後に雨が上がりそうでよかったね、なんて会話をしているのと同時に大きな虹が空にかかっているのが見えた。

レッド と 黄色 と ブルー がある!

初めて虹を見た彼は、嬉しそうに叫んだ。

そしてその虹に名前を付ける、という。
素敵な発想だ。
どんな名前にするのかなと楽しみにしていると、
よし、決まった! 「ボール」 にする! と言った。

ボール、それはこの世にある数あるアイテムの中で彼が愛してやまないもののひとつだ。
虹が大好きだから、大好きな「ボール」を名前としてあの虹に付けるという。
にんともかんともややこしい。
せめて「Paul」なら、名前ぽくてわかりやすいんだけど、突然虹に「Paul」と名づける3歳がいたらそれはそれで渋い。

そういってる間に、彼の初めての虹「ボール」は、色を濃くさせたり薄くさせたりして、やがて消えていった。

ボールが消えていくね。
ボール、ばいばーい! ボール、ばいばーい!
かわいかった。
けど、やっぱりややこしかった。

明日きっと、幼稚園で先生にこの話をするだろう。
きのう、はじめてにじをみたよ。なまえはボールでね、ボールはレッドと黄色とブルーだったんだけど、だんだん濃くなってそのあとだんだんきえちゃったの。はじめてボールをみたからうれしかったよ。

先生、わかるかな。 わっかんねだろな~。

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